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名刺へのあこがれ。

今までアルバイトや派遣社員が多かったので、名刺を持ったことがあまりない。あまりないということは、持ったことが少しはあるわけで、今回三度目になる。

アルバイトでも名刺を持つことはある。営業の方と挨拶をすることが多いポジションだとか、事務所の人とやりとりが多かったり精算する担当になったりだとか、アルバイトチーフだとか。

企業というのは残酷で人件費を削減したがる傾向にある。たとえ、責任が重くなった長年働いているアルバイトでも「社員にならない?」とは言わないのだ。なんなら昇給すらないこともある。

そういう企業こそアルバイトがいなければ回らないのに、アルバイトを社員にしない。そのかわり新卒はとるくせに、その新卒がなぜか続かないのだ。

アルバイトより給料が高い新卒社員より、よっぽどアルバイトのほうが仕事ができる。



アルバイト3年目のときに、私は初めて名刺を作ってもらった。自分が仕事ができるとは思ってもいなくて、ただただバイト先でポジションが変わって、少しだけ昇給して、やりとりをする人が増えたからだ。


21歳で名刺デビュー。


オトナになった気がした。

名刺は欲しいなぁと思っていても、「自分からは作ってください」なんて言えないオトナ道具のひとつである。

役職はデスク(だった気がする)

デスクの私は、名刺のやりとりを結構した。一箱使い切ると、あとは顔見知りのマネージャーさんや事務所の方が増える。

私は、結局5年もその場所にいた。

それから転職して正社員になり、名刺をまた作ってもらった。会社のお金で出張したり、新幹線のグリーン車に乗ったり、外部の人とやりとりはしたけれど、先輩がいつも主役だった。

それは自然で当たり前なのかもしれない。自分もいつか仕切るようになるんだろうか。リーダーになれるんだろうか。

しかし、私にはできないような気がして堪らなかった。この仕事は私にとって向いているんだろうか。こんなに時間を費やしても終わらない仕事の山をみて、終電で帰る私は名刺をもっても満たされなかった。

仕事だけはたくさんあるのに。



その仕事を辞めてから、10年が経とうとしていた。私はついに三度目の名刺をつくってもらうことになる。

派遣社員でも名刺をつくる。誰に渡すかまったく不明であるが、名刺をつくってもらうという行為は、なんだか嬉しいのは変わらなかった。




おまけ.

副業ブロガーなので、自分でつくったブロガー名刺がある。まだまだあるので、ブロガーさんやアフィリエイターさんはもらってほしいのです。どうかお願いします。調子に乗って、安かったから200枚も作った名刺は、まだはけていないのだった。


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ナナメドリ
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