自己紹介の季節
私は自分のことを喋るのが苦手である。
この時期は、新しい職場や新しい学校に行く季節だ。
どうしても3月になると仕事をやめたくなる私。
今まで3月という季節に仕事を辞めて、4月から新しい職場に行くというのが回数にして、4回はある。(3月以外にも辞めていて転職は数えきれないので数えていない)
何回も何回も「初めまして、●●と申します。よろしくお願いします。」と言ってるというわけ。
それなのに、自己紹介をすることも自己紹介という空気も、そのあとの会話もなんだかうまく自分が馴染めないのだ。
なんだろう。
あの感じ。
「前職は何していたんですか?」
「どこら辺に住んでいるんですか?」
「休みの日、何してます?」
「お酒とか好きですか?」
自分を知ろうとしてくれてるのだろうけど、本当に知りたいんだろうか?この情報って思ってしまう。
とりあえず新しい人がきたから、何か話さなくちゃいけない。
世間話でもしておくか。
そんな感じ。
気づいているかもしれないけど、私はかなりひねくれているのだ。
他人は私のことなんか興味がないっていう前提のもと、生きている。
自己肯定感が低いから「自分のこと知って!」「私はこういう人間なの!」と自己アピールをする人をすごいと思う。
新しい職場で、こういう人と一緒になると「どうせ私なんて」と考えてしまうかもしれない。
しかし、無理してがんばって喋らなくていいんだと思い込むことにした。
みんながみんな自分のことばっかり話す環境だったら、ぜったいに会話は成り立たない。
その話を訊かなければいけない存在がどうしても必要だ。
私は比較的その立場で、気になったら突っ込むし、共感したら頷くだけ。
人の話をね、聞けない人もいる。
聞いてるようで、実は聞いていない。
そのことに気づいたときに、自己紹介は私に本当に興味をもってくれた人にすることにした。
人が人生で出会える人数は限られている。
会いたい人に会いに行きたい。
話したい人と話したい。
興味のない人と話すより、私は私と話したいって思ってくれる人と話がしたい。
新しい環境に何度とびこんでも、慣れないのだから、私は私のままに。
今年も新しい春の季節を楽しむの。
Photo&Text. nanamedori
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ゆったりとした朝にほっとする文章を。
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