第7話 撮らぬ企画のバズ算用
「はーい、今日はですね、なんと!トルコアイス専門店
『ドンドゥルマ・シチフクリアン』にやって来ました!」
あたしは、スマホを持った腕を真っ直ぐ伸ばして、背後にあるアイス屋の看板を頭越しにカメラに映そうとした。が、横長の大きな看板は縦持ちのスマホにはまるで収まらない。
まあ、いいか。大事なのは顔だし。
今や日本人の半分が動画サイトを利用していると、ネットニュースが言っていた。にも関わらず、あたしの生放送には全然人が来ない。
チャンネル登録者数も開設した時の3人から増えなくて、その内訳はお兄ちゃん、お姉ちゃん、お母さんだ。
無名配信者のあたしはこの状態から脱却すべく、一大企画を打ち立てた。
その舞台がこの店、『ドンドゥルマ・シチフクリアン』だ。
ドンドゥルマ・シチフクリアンは最近オープンしたばかりで、まだこのお店の動画は一つも上がっていない。つまり、あたしが動画第一号になるチャンスなのだ。
まだ誰も見つけていないオシャレなお店をいち早くレポートすれば、少しは閲覧数が増えるに違いない。
「見てください!こんなに行列ができてますよ!
オープンしたばっかりなのに、すごいですね!」
列をカメラの端に映しながら、あたしは列の最後尾に並んだ。テイクアウト限定のアイス屋さんだから進むのは早いけど、あたしが並んだ後もすぐにどんどん人が後ろに並んで、列は短くはならない。
「こちらのお店、なんと全てのアイスにシチリア産の塩が入った、
日本初の『塩トルコアイス専門店』なんだそうです!
めっちゃ楽しみです!」
列に並んでいる間も、トークを途切れさせてはいけない。あたしは事前にしっかりリサーチしておいたメモを見ながら、お店の紹介を続けた。トルコアイスなのに何故かシチリアをベースにした店名の由来や、トルコっぽくもシチリアっぽくもない店長など、ネタのストックはばっちり。
カウンターが近づいて来たので、あたしはメニューを視聴者にも聞こえるように読み上げる。塩バニラ、塩キャラメル、塩レモン、塩チョコレート……店が掲げている通り、塩と付いているメニューしかない。事前にホームページで調べた通りだ。
けれど後半に差し掛かったところで、見覚えのないメニューが現れた。
「塩……ブルーベリーレアチーズケーキ……?!」
脳内で、塩とブルーベリーレアチーズケーキがグローブを付けて殴り合いを始める。全く合うと思えない。
そもそもブルーベリーレアチーズケーキがブルーベリーとレアチーズケーキの合体商品なのに、そこにさらに新しい要素を足して大丈夫なの?
でも考えてみれば、これは逆にチャンスかもしれない。美味しいかどうかは置いといて、塩ブルーベリーレアチーズケーキ味のトルコアイスの食レポをした配信者は、きっとまだいないはずだ。塩バニラよりも、話題性に期待できる。
考えている間にも列は進み、あたしの番が回ってきた。立派な髭の店長さんが、素朴な笑顔で迎えてくれる。あたしは、並んでいる間にあらかじめ考えてあった注文を伝えた。
あたしの考えた、映えと小慣れ感を両立する最高の組み合わせ。
「塩ブルーベリーレアチーズケーキのトリプルサイズ、
クリスピーシュガーコーンで!」
「はい、よろこんでー!」
店長さんは元気よく返事をすると、金属の棒を取り出してトルコアイスを伸ばし始めた。
棒に巻き取られたアイスの塊は、入れ物の中から一気に店長の頭上まで伸び上がる。溶けかけのアイスのようにドロっとしている訳ではなく、しっかりアイスとして固まったまま、ゴムのように伸びていくのだ。
店長さんは伸ばしたアイスをくるくると巻き取り、カウンターの裏側から取り出したコーンに乗せる。一本の棒で自由自在にアイスを扱うそのテクニックに、私は思わず見惚れてしまった。配信を放置してしまっていたのに気がついて、慌ててコメントをする。
「すごーい!アイスなのにこんなに伸びるんですね!」
店長さんはにっこり笑うと、アイスの乗ったコーンをあたしに差し出す。この店最大のサイズだけあって、受け取ったコーンはずしりと重い。熟したブルーベリーの甘い匂いと、レアチーズケーキの酸味の混じった匂いが鼻をくすぐる。
あたしはしっかり店長さんにお礼を言うと、カウンターを離れて店の隣へ向かう。この店自体には客席はないけど、すぐ横にベンチが設置されているのを、事前に確認しておいたのだ。そこに座って、ゆっくり食レポをしながらアイスを食べようとあたしは考えていた。
けれど、ベンチには既に先客が座っていた。
ゆで卵みたいなつるつるの頭に、お相撲さんみたいに立派な体。右手には大きな白い袋を持っていて、左手に持った塩キャラメル味のトルコアイスを食べながら、なんとも言えない顔で笑っている。
確か、七福神の一人だったはずだけど、名前が思い出せない。ホタテみたいな、カレイみたいな、そんな名前だったような。
それにしても、困った。他にベンチがある場所は調べていないし、今から探していたらアイスが溶けてしまうかもしれない。立ったまま食べることもできなくはないけど、配信しながら大きなアイスを食べるなら、できれば座ってやれた方がいい。
そんなことを考えながら七福神を見つめていると、彼の方もこちらに気付き、目と目が合う。あたしがベンチに座りたいことを分かってくれたらしく、彼は横にずれて、あたしが座れるスペースを空けてくれた。大きな袋と大きなお腹が、ゆっさゆっさと合わせて揺れる。
揺れる袋を見て、あたしは彼の名前を思い出した。そうだ、ホテイだ、布袋。
あたしは布袋に会釈をして、隣に腰を下ろした。布袋が座っていた部分がほんのりと暖かい。
少しもたもたしてしまったけれど、トルコアイスはすぐに溶け出す様子はなかった。そういえば、トルコアイスは暖かい地方で作られたから、溶けにくいように粘度が高いのだと、お店のサイトに書いてあったのを思い出す。
「それでは、さっそくいただいてみたいと思います!
塩ブルーベリーレアチーズケーキのトルコアイス、
どんな味がするんでしょうか?!」
なんとなく横からの視線を感じつつ、掲げたカメラに顔とアイスがしっかり映っていることを確認し、あたしはアイスを口に頬張った。
真っ先に感じるのは、舌の表面に張り付くようなアイスの冷たさ。固くてシンプルな甘さが口の中で溶け出し、なめらかなミルク感の中からチーズとブルーベリーが現れる。ブルーベリーのフルーティな甘さと、レアチーズの爽やかな酸味が良く合って、甘さもくどくない。
そして、塩。驚くことに、塩は確かな存在感を持って、しかし絶妙なバランスでブルーベリーレアチーズケーキと調和していた。塩味は時折甘さの中から悪戯っ子のように顔を出し、アクセントを加えて甘さを引き立てていく。しかし、塩味を追おうとすると、まるでただの甘いアイスのようにチーズとブルーベリーの後ろに身を隠してしまうのだ。
「お、美味しい!今まで食べたアイスの中で、一番美味しいかも!」
思わず、ストレートな感想が口から飛び出した。言ってしまった後で、ちょっと言い方が幼稚だったかなと不安になる。
けれど、それとなく配信のコメント欄を覗き込んでみても、特に反応はなかった。というか、そもそも、視聴者がいない。なんなら隣に感じていた圧のある気配も、いつの間にかいなくなっていた。
これだけ続けてなお誰も見ていないことに気付いた瞬間、なんだか急に悲しくなってきた。
配信を止めてしまおうかとも思ったけど、それでも、もしかしたら次の瞬間に誰かが開いてくれるかもしれないと思うと、なかなか止められない。ただ、トルコアイスを映した無言の画面が延々と配信されている。
ずっと浮かべていた笑顔を崩して、あたしはため息をついた。
くすぐったさを感じて見下ろすと、いつの間にか猫が一匹、あたしの足元で丸くなっている。三毛猫のラッキーだ。ラッキーはあたしの悩みなど知らん顔で、あたしを見上げてにゃあとのんびりした鳴き声を上げた。
「ごめんね、ラッキー。これはあげられないよ」
言葉が通じたのかどうなのか、ラッキーはあたしのその言葉を聞くと、立ち上がってアイス屋の方へ歩いていってしまう。そんなラッキーの背中を見送ってから、あたしはラッキーと一緒に配信すればよかったのではと思い付いた。けれど、もう遅い。ラッキーは行ってしまった。
やっぱり、あたしは配信者に向いていないのだろうか。
そう考えたときだった。
「ほほほ。お隣、失礼しますよ」
聞こえた声に顔を上げると、笑顔の布袋が立っていた。彼はその手に、私と同じ塩ブルーベリーレアチーズケーキのトリプルサイズを持っている。
(もしかして、あたしが食べているのを見て買ってくれたの?)
一切変わらないその笑顔から、彼の考えていることを読み取ることはできない。布袋は再びあたしの隣に腰掛けると、躊躇うことなくアイスを食べ始める。一口は大きいのに食べ方は上品で、アイスはみるみるうちになくなっていく。なんて美味しそうに食べるんだろう。
そうだ、せっかく高くて美味しいアイスを買ったんだから、あたしも食べなきゃもったいない。
ちょっとだけ元気が出たあたしが次の一口を食べようと思った瞬間、生暖かい風があたしの頬を撫でた。
驚いて振り向くと、今度はあたしの顔面に生暖かい風が直撃する。
よくみれば、アイスを食べるために布袋の手から離れた袋の口が緩み、その中から生暖かい風が吹き出しているようなのだ。
気になるとはいえ、ただ生暖かい風が吹いているだけだし、どうせ他に座る場所はない。仕方なくそのままアイスを食べる。美味しい。
ちまちまとアイスを食べながら、ふと配信画面に目を向ける。どうせ誰もいないのだから、配信を閉じて食べることに専念しようと思ったのだ。
「……えっ?あれっ、見てる人がいる?!」
なんと驚いたことに、いつの間にか視聴者数は10人前後になっていた。スマホを落としそうになるあたしの目の前で、視聴者数は1人、また1人と増えてゆく。
[ おいしそうですね!何のアイスですか? ]
空っぽだったコメント欄にそんな文字列が表示され、あたしは思わず飛び上がってしまいそうになった。正真正銘、家族以外がくれた初めてのコメントだ。とにかく反応を返そうとするも、突然のことで頭が真っ白になる。
「あ、えっとこちらはですね、ブルーベリー……
塩ブルーベリーレアチーズケーキのアイスです!えっと、トルコアイスで、
お店の名前は『ドンドゥルマ・シチフクリアン』っていう……」
言いたいことがすぐに思い出せず、しどろもどろになってしまう。せっかくコメントをしてもらったのに、こんなでは呆れていなくなってしまうかもしれない。恥ずかしさで顔が赤くなるのを感じたけれど、予想とは逆に、コメント欄にはあたしへの応援が並んでいく。
[ゆっくりで大丈夫だよ!がんばれ!]
[トルコアイスって伸びるやつ?食べてみたい]
[お店の名前助かる!]
話しているうちにも、視聴者数は100人を突破した。コメント欄の流れは少しずつ加速していく。
これは、恥ずかしいとか言っている場合ではないぞ。なんでかわからないけど、急に視聴者数が伸び始めたこのタイミングを逃してはいけない。せっかく見てくれている人たちに、あたしのイメージを焼き付けなければ。
あたしはベンチから立ち上がると、精一杯腕を伸ばし、一番自信のあるアングルでキメ顔をした。
「こんにちは!みなさん、配信に来てくださって、ありがとうございま……」
けれどあたしが言い終える前に、コメント欄が急に荒れ始めた。
[ なんでアングル変えちゃうかな ]
[ 座ってる方がよかった ]
[ もどして! ]
そんな苦情と共に、増え続けていた視聴者数はピタリとストップし、ものすごい勢いで減っていく。
あたしのキメ顔はそんなにひどかったんだろうか?
あまりの反応にショックを受けつつも、このまま視聴者がいなくなったら困るので、コメントの言う通りに慌ててベンチに座り直した。また横から生暖かい風が吹いてくる。
[ やっぱベンチがいいね ]
[ さっきより良くなった ]
ベンチに座ったことで、視聴者の反応は元通りになった。けれど、ベンチに座った上にスマホをきちんと構えたままだと、布袋の袋から出てくる生暖かい風のせいで、前髪が揺れて邪魔になる。あたしはベンチの上で背中を逸らし、風が当たらないように姿勢を変えた。するとまたもや、
[ 映り悪くない? ]
[ ポーズ気にしすぎで草 ]
と散々な評価に変わる。正直、画面に映った自分をみている限りではそんなに大きな変化があるとは思えない。それなのに、どうしてここまで言われるのだろう。
ふと、あたしは隣にいる布袋の方を見た。アイスは食べ終えてしまったらしく、満腹になったのか半目でうつらうつらと舟を漕いでいる。袋の口は開きっぱなしで、今もあの生暖かい風が吹き出している。
あたしは、そっと体をずらし、風が当たる位置に姿勢を戻した。生暖かい風が腕を撫でるのを感じた瞬間、コメント欄の反応は正反対に変わる。
[ はい最高 ]
[ 神降臨 ]
[ 100年に1度の逸材 ]
……流石にそれは言い過ぎでは?
けれど、これで分かった。布袋の袋から出る風が、視聴者を呼び寄せていたのだ。これが、七福神のご利益なのだろう。そうと分かれば、活用する他にない。
「みなさん、配信に来てくださってありがとうございます。
今日は、この塩ブルーベリーレアチーズケーキ味のトルコアイスの
食レポをしていきたいと思います!」
コメント欄は爆発したかのように湧き上がった。視聴者数はうなぎ登りで、今や10000人以上の視聴者が、あたしの一挙手一投足に注目している。あたしを賞賛してくれる大量のコメントに、思わず感動に浸ってしまう。
けれど、そんなコメントの流れの中に、一つ気になるものが流れていったのにあたしは気付いた。
[アイス大丈夫?]
はっと我に返ったあたしは、恐る恐る手元のアイスを見る。
あれほどしっかりと固まっていたトルコアイスはすっかり硬度を失い、とろとろと溶け始めていた。原因は明白だ。どんなにしっかりしたアイスでも、生暖かい風に吹かれ続けたら溶けるに決まっている。
これはまずい、と私は思った。こんなに視聴者が集まっている中でアイスを食べきれず無駄にしてしまったら、きっと炎上してしまう。それに、わざわざ高いお金を払ったのに、食べきれないなんて勿体無い。
「すみません、アイス溶けてきちゃったので、急いで食べます!」
あたしは急いでアイスにかぶりついた。溶けかけていても、ブルーベリーとレアチーズのお陰で後味はすっきりとしていて、甘すぎて食べられないということはなさそう。
しかし、冷たい。
アイスだから当然だけど、急いで食べればとても冷たい。口の中は一気に冷えて、溶けかけてなお濃厚なトルコアイスの粘度が、歯と舌に絡みつく。
「お、おいしいです!
塩がつめたい、いや、アクセント、そう、アクセントで!」
柔らかくなった部分を食べきって、なんとか食レポを挟み込むも、話している間にまた表面が溶け出してきてしまう。あたしは溶ける速度に負けじと食べては話し、食べて食べて話す。お腹と喉が冷えて固くなってくるような感覚がして、頭の奥がキーンと痛くなる。
それでも、笑顔は意地でも絶やさない。一万人が見ているのだ。
[ 良い食べっぷり! ]
[ 見てて気持ちいい ]
[ こっちまで満腹になるなあ ]
コメント欄は、しっかりとあたしの勇姿を見ていてくれているようだ。なんだかもう方向性が違うような気もするけど、細かいことを気にしてはいられない。少しでも手を、いや口を緩めれば、アイスが溶けてしまう。
なんとか大きなアイスの山を制したあたしは、コーンに齧り付く。これだけ溶けたアイスを纏ってもクリスピー感を残したコーンは、かじった瞬間、焼けた小麦粉の香ばしさを口の中に振りまく。カリっとした歯ごたえと、アイスとは違う淡白な甘味が冷えて鈍った味覚を呼び覚ます。コメント欄のみんながあたしを応援してくれている。まだ食べられる。
トリプルサイズのトルコアイスはそのコーンも大きく、店長さんの気遣いなのか奥の方までちゃんとアイスが入っている。固形物を噛む工程が加わったことで、お腹はさっきにも増して急激に膨らんでいく。
けれど、負けるわけにはいかない。脳内で、ドキュメンタリー番組のオープニングが流れ出す。もはやこれはあたしとアイスの戦いだ。
[ がんばれ!あと少し! ]
コメントがあたしを奮い立たせる。
あたしは夢中でコーンを食べ、最後に残った先端を口の中に押し込んだ。
[ 完 食 ]
[ アイス撃破RTA ]
[ よくがんばった!すごい! ]
声のない声援がコメント欄に溢れ、あたしは達成感と満腹感で大きく息をついた。アイスをたくさん頬張ってすっかり冷たくなった頬を、生暖かい風が少しだけ温めてくれる。あたしは息を整えると、スマホに向き直った。
「みなさん、応援ありがとうございました!みなさんのお陰で、
無事トリプルサイズを完食できました!」
あたしが挨拶をすれば、コメント欄はまた賞賛の言葉で賑わう。気になったコメントを拾い、返事をしていると、横で動く気配がした。
振り向けば、目を覚ました布袋がじっとこちらを見ている。表情は全く変わらないあの笑顔のままだが、もしかしてさっきの大声で起こしてしまったのだろうか。
布袋はしばらくじっとあたしを見つめていたが、結局何も言わずに立ち上がった。袋の口をぎゅっと握って持ち上げ、漏れ出ていた生暖かい風が止まる。
[ おつでしたー ]
[ 次回待ってます ]
風が止まった瞬間、コメント欄は一気に解散ムードになり、視聴者数が減り始める。あれだけたくさんいた視聴者はあっという間に消え、誰もいなくなるかと思ったけど、数字が1になったところでその減少は止まった。
誰かが配信に残っている。
立ち去ろうとしていた布袋がふと足を止め、懐からスマホを取り出す。彼がその太い指でスマホの画面を叩くと、あたしの配信のコメント欄に新着コメントが表示された。
[ 美味しかったですね ]
それを最後に、配信の視聴者数は0人になった。
大きな袋を担ぎながら、どこか浮世離れしたようなゆっくりとした足取りで、布袋はドンドゥルマ・シチフクリアンから立ち去っていく。あたしは思わず立ち上がると、その背中に向かって叫んだ。
「あのっ……ありがとうございました!」
布袋は振り返らない。
あたしの声も聞こえているのかいないのか、彼はただ、悠々と歩いていく。あたしは彼が人混みに消えるまで、その大きな背中をずっと見つめて立ち尽くしていたが、スマホの通知を知らせる音で現実に引き戻された。通知の内容は、お兄ちゃんからのメッセージだ。
[お前、なんかすごく有名になってるぞ]
添付されていたページのUrlを開くと、そこにはこんな見出しがあった。
[爆速!アイス早食い女子高生配信者現る!]
※この物語はフィクションです。
実在の人物や団体や神仏や妖怪などとは一切関係ありません。
★福芽が目をつけたアイス屋が見られる『なならき』本編第七話はこちら
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