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物の考え方に影響を与えたマンガ5選

そうですねえ、構成するとまで言えるほど影響を受けたという意味では

1)風と木の詩
2)銀河鉄道999
3)ガラスの仮面
4)パタリロ!
5)王様の仕立て屋

この5作品かな。みんなの画像で使わせていただいたのは
パリの教会のステンドグラス。「風と木の詩」のイメージで。
ふるーい、しらなーい、などのお声は聞かなかったことにします。
何? マニアックな作品が多い? そんなことありませんよ。
こんなに社会性と一般性を重視したチョイスに何をおっしゃるんですか。

マニアックというのは、妖怪マンガばかりとか(それも素敵です)
ロマンチック乙女作品しか読まないとか(全く自由です!)
超常能力バトル漫画が必読書であると(その考え方も聞きたい)
力説する記事であるとか、
某出版社の学習漫画(マンガで読む歴史、大好きです)を
特集したりすることです。

話がそれましたね。それでは1番から参ります。


「風と木の詩」
実にエポックメイキングな作品で、作者の竹宮恵子には
若い女子読者に「性について、出産や結婚を一旦置いて考えて欲しい」
という意図があったようです。

この作品の主人公は少年ですが、まだ生殖が可能でないうちから
性的な存在として定義され、欲望に直面することになっていて、
境遇はまったく少女と同じです。

主人公ジルベールの言うことは小気味が良かった。
私が言語化できなかったことをジルが言ってくれた!
考えを一蹴されることが多いと感じていた当時の私は、
援軍を得たような気さえしたものです。

最終巻を読んだ日は、3月の雪が降る日でした。
よく覚えています。

日本舞踊の稽古があったのに、動くこともできなくてキャンセルしました。
読み終わり、大人になろう、大人になって生きよう、子供のままでいようとしてはいけない、そう思わせてくれた漫画です。


「銀河鉄道999」

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」はもちろんのこと、この999も
生き生きと描かれながら、死の世界との狭間を感じさせる。
永遠に生きられるという機械の体。
それは肉体を離れるという意味では「死」ではないのか?
人間は色心不二。体と心は別ではあっても切り離すことはできない。

他にはない絵柄、イメージの美しさに乗せて語られる
世界の豊富さに圧倒されました。
違う惑星に来れば1日の長さから自然環境も人々の常識も違う。
それでも心を通わせることができる。

兄は松本零士マンガを「説教くさい」と言いますが、そうじゃない。
登場人物たちは己の信条を語っているだけで、決して押しつけない。
999をはじめ松本零士作品は押しなべてそうなっている。
オレはこう信じている、お前はどうだ?と。

「ガラスの仮面」
実に不思議な作品。連載は未だ終わらず、
作者存命中に終われるのかが危惧される作品№1でしょう。
1に芝居、2に芝居、3,4がなくて5に芝居。
恋愛は刺身のツマに過ぎず、肥やしになっているのかどうかも怪しい。
ここが当時の普通の少女マンガとは決定的に違う。
求道的な作品であっても、例えばバレエものの「スワン」、テニスの「エースをねらえ!」でも男性との恋愛は主人公に多大な影響を与えている。
しかし「ガラスの仮面」の二人の主人公には恋愛相手はいるが、
人生での選択を左右するようなものではない。
とにかく彼女たちに一番大切なのは芝居である。

これは少女マンガの「あしたのジョー」ではないのか。
姫川亜弓は力石。北島マヤは矢吹ジョー。

こんな人生でもいいんだな、アリなんだ! いいね! と
本当に安心しました。
当時、世間では女の子は好きな人を1番にしないと
欠陥があるみたいな雰囲気だったから。

「パタリロ!」
ガラスの仮面と同じく、花とゆめで今も連載中の長寿マンガ。
この作品の何に影響を受けているかというと、
罵詈雑言ですw
「おまえの頭は帽子の台か!」
など一捻りした罵倒が忘れられないのです。
おまえの眼は節穴か、と同じような言い方ですが
それにしても酷いですね。
おまえの頭は帽子を乗せておくくらいしか使い道がないのか、ですから。

人に対して思ったとしても決して言えません。
自分が何かミスしたときに
「わたしの頭は帽子の台か!」
というくらいがせいぜいです。

ちなみに、あまりに好きなので作者の魔夜峰夫先生の真似をして
永遠の28歳を標榜しています。

「王様の仕立て屋」
これは青年誌で連載している、スーツの仕立て屋がテーマの作品。
主にイタリア、ナポリやミラノで小さなサルトを営む日本人の仕立職人が
様々な事情の依頼で特急仕事をしたり、貴族やマフィアに関わって大変な目にあったり。腕が良ければいいほど、難しい案件がやってきます。

職人って憧れなんです。
手の中から必要なものを作りだせる。
完璧な裁断、正確無比な手さばきでピシッと揃った縫い目、
同じクオリティのものをいくつでも作れる確かな技術。

衣服に限らず、靴でもアクセサリーでも寿司職人でも、
その人の手元を見ずにはいられません。

これを読んでスーツの襟の形やネクタイの合わせ方、
靴にはどんな種類のものがあるのか、布地についてなど
基本を知ることができました。
服飾文化に興味が湧きましたし、男性のファッションに
注目するようにもなりました。
男性が読んでちょっと勉強になる、のもいいですし
女性が読んで彼氏や家族男性へのプレゼントの参考にするのも
楽しいのではないかと思います。

さて、この記事を読まれた方、どう思われましたか?
知らなかった作品にも手を伸ばしてみようと思っていただけたら幸い。

ではでは、またお会いしましょう。

A presto!



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