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詩 「まぼろしと雨」

現実に帰ってみたら、雨
鈍色の空から絶え間なく降り注ぐ
きみのいないここ

君の帰った現実は、どこにある
オレのいない、そのどこかは

みんな、まぼろしならいいのに
雨で冷えたこの身体ごと
みんな、ぜんぶ、まぼろしなら

君は友達を選んだ
他に誰もいらなかったオレ
ただそれだけ

はじめてもらった、あの手紙
今も持っているけど

いっそ雨にぬれて
読めなくなってしまえばいい

あの”愛してる”も
みんな、まぼろしになるから

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