母の夢
私が本気で結婚をしたいと思ったのは、
母が亡くなる夢を見たとき。
私がどこで何をしていても、
いつも安心して生きてこられたのは
母の存在があったから。
母が亡くなって
私は突然、この世界にひとりきり
取り残されてしまったような気持ちになった。
これまでにないような
不安や悲しみ、恐怖に襲われた。
とてもじゃないけれど、
私ひとりでは耐えられなかった。
そんなとき、
そばで支えてくれる人がいたのなら
どんなに救われただろうか。
私も結婚をしておけばよかった。
心から、そう思った。
この夢を見た頃。
デートを重ねていた人と
私は結婚をすることになった。