TSUTAYA ・ BOY 【第4話】
TSUTAYAで出会ってから、
私たちは奇跡的に会い続けていた。
彼はまだ結婚を望まない、27歳の公務員。
私は今すぐにでも結婚したい、35歳のフリーター。
婚活女子にならわかるだろうが、
2人の行く末は95%の確率で破局だろう。
私は付き合いたい気持ちを封印していた。
付き合ったら、いつか必ず
自分が耐えきれなくなり、
結婚を迫って
彼をひどく悩ませるとわかっていたし、
そんな事はしたくなかったから。
デートを続け、半月くらい経ったある日の夜。
彼から電話が来た。
彼から電話がくるのは、初めてだったから
私は少し、身構えながら電話に出た。
「もしもし?どうしたの?」
「ナナ、こんな夜遅くに、ごめんね。
今ちょっとだけ、電話して大丈夫かな?
ちょっと話したいことがあって。」
「大丈夫だけど、、、どうしたの?
そんな改まって。」
「実はさ、オレ・・・
ひとつだけナナに隠してるというか、
嘘ついてたことがあるんだ・・・」
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