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桜に誘われて会いたい友人に出会った懐かしい街/偶然が続く春②
去年の3月末、無計画で桜を観にさまよったら、いとこの母校の桜並木に辿り着いた素敵な思い出があり、今年もまた心の赴くまま桜ツアーに出かけてみた。
今年もまた3月下旬から桜は開花。3月31日金曜日の夕方はまだ十分花見が堪能できる時期(関東地方)
仕事終わりに心の向くまま桜を愛でることにして、まず行ったのが、展望タワー。
全方向市内全域が見渡せる景色のいい場所。桜がいろいろな場所で咲いているのが見える。そこで終わるつもりでいたのに、数年前に勤めていた職場の近くの桜スポットも目に入り、心が揺れ動いた。
①一つ目の偶然
乗り慣れないバスに乗り、高台にある樹齢数百年の枝垂れ桜を目指した。
バスが出発すると、自分の思い描いたルートではなく反対の方向へ曲がってしまったけれど、そこで「ああここにも素敵な桜並木があった💓」と思い出し、降りるご婦人がいたので急いで一緒に下車。
桜並木の入口に入った時、反対側から女性が歩いてやって来た。
マスクをしていたけど何だか見覚えあるような。
そして反射的に「●●さん?」と声を掛けたら、その本人だった。
ビックリしたけど、内心、「ああまただ💓・・・」
サクラの時期の不思議な巡り合わせは去年も体験している。
「やっぱり」という思いにとらわれる。
桜の季節は色々な不思議なご縁を運んでくれる、神様からの贈り物のシーズン?
彼女は3月にあるコンサートを勧めてくれたり、4月に会いたいねとlineをかわしていたけれど、予定が合わなくて先延ばしにしていたのだ。
もう3年以上会っていないし、この近くで会ったこともない。
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友人と少し話した後、桜並木を抜けて、枝垂れ桜を目指して歩く。
②二つ目の偶然
片麻痺があると思われる初老の男性が前方に見えた。
クリーニング屋帰りにビニールのかかったジャケットを引きずりながら歩いているのだ。
同じ方向に歩くので、「よかったらお持ちしましょうか?」と声をかけた。
前から顔を見てビックリ!以前仕事で関わった方だった。
「大丈夫ですよ~」とのことだったので、それ以上は関わらずに歩き出したけど、またまた知人に会い、声までかけたので更にビックリ。
桜並木で通り過ぎた救急車は、仕事で行った家に停まっているし。
この地で過ごした間に関わった人たちや思い出が交錯する。
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もう夕暮れが近づいているので、花見客はあと一人ほど。
数百年を生き抜いてきたこの枝垂れ桜を、黄昏の中目に焼き付けた。
③この街とのご縁
この街が好きだった。もともとは息子が部活のトレーニングで来ていた急な石段の噂を聞いており、どんなところか知りたくて卒業後一度来ていた。
これはこれは、さぞかしきつかっただろうなと実感できる急斜面。
数年後に職場の異動でこの街に配属になり、急な石段も何度か登った。
この街(匿名)での仕事もやりがいがあった。もっとこうしたいという思いや夢もたくさんあったのに、やむを得ない異動が舞い込み未練を残して去った街だ。住民も郷土愛に溢れている。
父が亡くなった数年前の春、桜が咲き誇る土手沿いの道を忌引き明けで出勤した初日に通ったな、とまた思い出した。
桜の咲く時期、いろいろな思い出を乗せて春は過ぎ行く・・・
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#桜前線レポート
#この街がすき