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NHKのど自慢に出場したけど、人の面倒見て大失敗だった夏休みの終わりの『学園天国』
子供が小学生だった頃、8月最後の土曜日の、NHKのど自慢予選会のハガキが届いたが、行くかどうか当日までとても迷っていた。
というのは、ある国家試験の勉強中で、8月の土日×二回は、学校で模擬テストがあり、70点以上を取らなければならず勉強に明け暮れ、睡眠不足。お盆の期間は、義理の母の新盆で九州に土日を挟んで家族で帰省。土日以外は月~金フルタイムで就労中で、人生で一番疲れていた夏の日だった。しかも夏休み最終の土日、子供たちの宿題もみなくてはならないのに…
行くかどうかさんざん迷った末の決め手は、カラオケ仲間も申し込んだが予選に漏れていたことだった。
歌いたいのに歌えない人たちもきっとたくさんいる。予選の切符を手に入れたのだから、行かなくてどうする!とりあえずつかんだ幸運、行ってこよう!と自分を奮い立たせて会場へ向かった。
予選会は10年以上前にも出たことがある。その時に感じたことは、出演が決まった人たちは、必ずしも歌が上手ではない。パフォーマンスや衣装や存在がユニークな人たちが本番に出られるのだと今更ながら気づいたのだ。
そして今回は、歌だけで勝負ではなく企画を自分で考案し、応募ハガキにもしっかりPRした。
『●●歳、ただいま受験勉強中! 昔歌姫、今受験生。学ランを身にまとい歌います。学園天国 』
そして、友人の息子さんの学ランを着て、サングラスをかけ、よさこいの鳴子を振りかざし予選会出場。
250組もの人が順番に歌うので、待っている間、外のモニターで予選会の様子を見ることができた。そこで、私の歌う姿を見たご婦人たちが、「この人はきっと受かるわね」とか言っているのを聞いていた。しめしめ…
おばさんが張り切ってる姿がよかったのか、何故か合格 (作戦通り!) 色物要員として。
本番は、翌日の日曜日、朝7時45分に集合。夜は全然寝付けなかったので疲れはピークに。午前中のリハーサルの後何故か、92歳のお婆様の誘導、立ち位置を指示され、そちらの段取りを間違えないように、間違えないように、そのことばかりに気を取られてしまった。
自分は、出だしの「●●番、学園天国」というのを忘れそうだと自覚していたのにもかかわらず、自分のことは後回しに…
そして、それが現実に!!!
イントロが流れ場を盛り上げ、♬ヘイヘイヘイ ヘイヘイ~の直前で、番号と曲目を言っていないことに気づいたけれど、収録前スタッフが、「出だしがずれても大丈夫です、バンドはプロなのでちゃんと合わせますから。」と言っていたのを思い出し、無理やり「●●番、学園天国」をねじ込んだ。
演奏はものの見事に普通に演奏され、ヘイヘイの入りがずれてしまい悲惨な結果に……
カーン、カン
思うように歌えなかった無念はその後もずっと引きずった、黒歴史。
でもいつかまたリベンジするぞと歌い続け、数年後の次のステージはバッチリハモって、デュエットを決めたけどね♬
忌まわしい思い出の曲だけど、大好きで元気をくれる曲、『学園天国』。 そして息子たちの学ランはいまだに私の洋服ダンスにしまってある。
いつかまた学ランを着て歌う日のために???