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つわり日記【7週〜15週】
7週0日
胃の圧迫感とムカつきが1週間弱続いた。妊娠がわかる。子たちに報告すると、娘はニコニコよろこび、息子は「うううん……ええんやけどぉおお。5人家族かぁ……。4人家族の思い出がなくなるやろう。それがなぁ。」と、しきりに4人家族にこだわっていたが、次の日から、道行く見知らぬ人に「お母さんのお腹には赤ちゃんがいます」と、吹聴するようになり焦る。ちなみに、学校には翌日即、報告をしていた(らしい)。娘は、「おんめ(わたし)は言わへんで。お母ちゃん恥ずかしいんやろ?」と、静かに黙秘を続け、安定期直前までそれは続いた。性格!!!!
8週
なにかを食べてないと気持ち悪い。「食べてないと死んでしまう」ぐらいの、謎の強迫観がある。普段買わないものを欲する。野菜ジュース系、キウイ、明太子パスタ?など。お腹も張る。乳もはる。
12.19 1年に一度の夫婦慰労会、フレンチのフルコースはおいしくいただけた。びっくりするぐらいバクバクたべる。「フレンチフルコース食べてるときだけ、つわりとまる。」というと、「えらい、便利なつわりやなあ」と言われる。(後に全然便利じゃないつわりに早変わりする)
12.23「シャガールを見たい」と、となり町の美術館にいこうとしたら、山に迷い込み、雪が降り出し、軽トラがスリップして立ち往生。4歳児を横につんだ、妊婦 in 軽トラ。食べづわり真っ盛りだったので、「こ……このまま、食べものから、隔離されたらわたしはどうなるんやろう……。これだけでは、数十分後には吐き気と戦うことになる。」と、残り少ないマクドのポテトに目をやる。ぬあああなんてアホなことをしたんや、よりによって旦那はんはピアノを取りに大阪にいる。と、絶望してたらら、地元の農家さんが車をおしてくれて、なんとか脱出。シャガールは、あきらめて下山……。
12.28
実家に帰省。じいちゃんが囲炉裏でカニすきをしてくれた。家にいるより、気が紛れるのか調子がいい。竹で日本酒をかんしてくれていたのを呑めずなのが、悔やまれる。じいちゃんばあちゃんに報告すると「生きる意味ができた」と言っていた。
9週
1.1
義母さん宅に帰省。モフちゃんという犬が新しい家族になっていた。息子とキャラが一緒過ぎて笑える。前日、吐いていたので心配していたが、気持ち悪さがそこまでで、やっぱり家じゃないほうがいいのか。おせちが美味しすぎてしあわせだった。
10週
1.5
つわりもまだまだあり、体調が悪い時間も割とある。今回の妊娠は、サポーターがたくさんいる感覚がある。息子は、しんどいというと事情をくんでくれる。娘は、「お母ちゃんしんどいよな」と寄り添ってくれる。前回の妊娠は、しんどかろうが1歳児に、事情を汲む機能など備わっているはずがなく、ひたすら戦うしかなったから。産んだふたりが、もう支えてくれるまで成長したのかと、驚く。
1.6
つわりの影響で、すべてが闇黒の世界に見えるメンタルだYO!
夜。「お母ちゃん、不安になってきた」と、両脇の子たちにシクシク泣いていうと、まっすぐ天井を見つめた4才女子に「お母ちゃん、一緒に生きていくんや。」7歳男子には「だいじょうぶや、お母ちゃん。ところで、名前は石英(せきえい)」はどう?」と、いわれる。
1.11 娘の誕生日。ケーキを一緒につくっておいわいができた。それ以外は、なにもできていないが、ひとつでもなにかできたことが嬉しい。今日で、11週。最近夜に吐かなくなった。
11週
1.17
つわり大丈夫かな……でも身体が許せばはってでもいきたいとおもっていた、前の住処の大好きな人たちとの新年会?1時間半、雪道&山越えもありつつ、なんとか会場のコテージへ行くことができた。子たちも楽しそうで、私も久しぶりの人との触れ合いと、冒険に「ああやっぱり、生きるのはこうじゃないと!もちろん無理は禁物だが、自分で勝手に限界値を決めるのはやめよう。」という気持ちがニョキニョキと。
14週
2.7 大雪の日。暖かい部屋で、クッキーを焼いたり、動画を見たり、ピアノ引いたり、カードゲームしたり、おえかきしたり、な日。そうだ、気づいたらきょうで15週。あんなに待ち望んだ、15週。先週までは夜よく吐いていたが、確かに初期のような獣感が、落ち着いたぞ。「なにか、なにか、食料を探さねば……」と、冷蔵庫の中の数少ない食べれるものが、少なくなると猛烈に焦り、それだけでと気分が悪くなる現象も。スーパーにハイエナみたいに「たべもの……たべもの……」と、ふらふら出掛けることもなくなった。お風呂も入れるようになったし、胃にパンパンの風船が入っているあの感覚も軽減されている……!思い出すのは、家族のやさしさ。特に今回は、闇黒期において子供たちが施してくれたことは、忘れない……。
2.10
そういや、最近吐いてない。あの、常に胃にパンパンの風船が入っている感覚もない。今までが、異常事態。今が、通常運転だったんか。苦しくてめっちゃつらかったもんなぁ。えっ。過去形……。これは……つわり(ほぼ)終わったかもおおおいやっほぉおおお。ほんまに終わった、ほんまに終わったああああ😗
娘の寄り添い系の愛
「お母ちゃん、たっくん(赤子のあだ名)おるときは、おんめがぜーんぶしてあげるで。」「だいじょうぶだいじょうぶ、ほら。おふとん引いたから、ねんねしな?」「お風呂も入らんでええんやで。」「歯磨きしすぎてオエッとなったんやな、よしよし。」お風呂に入れた日にゃ、「髪の毛あろたるで〜」「ボタンもしてあげるからな〜」(と、髪をあらわれて、服を着せられるw)こ……こんな子、誰が産んだのぉおお。終始わたしの遺伝子からこんな気が利くやさしさ100%の女の子が生まれたことについて、神さまに合掌した。
息子の全肯定&つつみこみ系の愛
しんどくて、何もできないとしくしく泣く母に、「そらしゃあないわ!たっくんおるから、お母ちゃんは、赤ちゃん産むの上手やから!叫びながら二人も産んだんやろ?すごいことやでぇ!」
メンタルやられて鬼になる母に「あああ、たっくんおったら、お母ちゃん毎日、排卵日なるんかああああ。あああああ。」(悶絶しながら、母の嵐をなんとか受け止めようとしてくれていた、息子よすまん。)
普段は俺!俺!なヤツ(旦那はん)も優しくなる
気持ち悪くて廊下で倒れていたら、夜中12時にりんごを剥いてくれた。食べれるものを模索してくれた。炭酸水というお守り飲料を授けてくれた。つわりが始まって同時期に仕事をやめたので、送迎や子供のケア、ご飯作りはほぼ担ってくれた。つわりの中、フルタイムは白目すぎる……と思っていたので、あれは神タイミングすぎた。というか、3回中2回の確率で、私が妊娠したら無職になるこの謎現象は、いったいなんだろう。ほんで、毎回恒例グーヴァード症候群みたいになってた。(笑)
あんなに、俺!俺!の人間だが、やばいときは、やさしい。
総括
第一子、二子のつわり時と比べると、サポーターがふたり増えたような感覚で、お子達の私への甘々かつ、献身的な愛と優しさに随分助けられた。たった7年5年で、私はケアする人からケアされる人へ様変わりしたことに驚いた。食器を運ぶこと、自分の洗濯物は自分で棚に入れることは、お願いできるようになった。
家族のかたちや、役割は、生き物のように移ろいゆく。
娘には、ひたすら愛でてもらって、男子たちには、ひたすら包んでもらって、いちご大福のいちごになったような気分である。
15週
2.13
総括を書いて、「終わったアアア」と雄叫びをあげた数日後の今日、また気持ち悪さがカムバックして、嘔吐。なんなんっ、つわりって耳あるん。(笑)