まいにちたのしい
これは、大好きな絵本のタイトルであり、我が家の家訓でもある。わかりやすいので家訓ということばを使ったが、“感想”というほうが近いかもしれない。
「我が家の感想」って変だけど、それが近い。
思うたびに夫に繰り返し伝えていることがある。
いつ、どんなにむごい死にかたをしても、わたしはとっても幸せだから、安心してほしいと。
死にかたひとつで、それまで生きていた時間すべてが不幸になってしまうことなどない。
突然で、かなしくて、やりきれなくて、誰かを憎みたくなる死にかたをしても、わたしの人生は幸せである。
いま死んでも、寿命を全うしたのちに死んでも、どちらも幸せである。誰がなんと言おうと、そうなので、生きているうちに断言しておく。
(たしかに、と思った方は、ぜひ大切な人にすぐに伝えてほしい)
そんな「我が家の感想」を、絵に描いてもらう機会を得た。
しかも、なんと、西山寛紀さんにお願いできることになった。
西山さんといえば、色彩感覚の素晴らしさを思い浮かべるのだが、我々は贅沢にも、モノクロでオーダーすることにした。
モチーフは、「まいにち」につながる、太陽と月。
モノクロなおかげで、いろんな色が想像できて、なんというか、プレッシャーがない。
どんな色の日でも、ただ昇り、没んでいく、我々にとっての「まいにち」だ。
努めたり、意識を張りつめることなく、昇って没んで。それを繰り返す。たのしくしようとしなくても、ただその繰り返しそのものがたのしい。
「まいにちたのしい」は状態であり、「生きること」を言い換えたようなものだなあと思う。
おだやかにほほえむ太陽と、やさしく目をとじる月。朝も夜も、我が家はこの太陽と月にふっくらと包みこまれている。
まいにちは
「どたどた ばったん しゅたたたたっち
しゅるるる りりりり ぱっぱか ぼかーん」
である。
改めて、西山さん、ありがとうございました。
そして、ご縁のきっかけでもある奥さまの黒田愛里さんにも、重ねて、ありがとうございました。