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初めての海外。わたしの考える“普通”は気持ちいいくらいに裏切られた。

人生二十何年生きてきて、初めての海外に訪れた。場所は香港。なんで海外デビューでそこ? まずはその謎から解いていこう。

外資系CA(国際キャビンアテンダント)に長年なりたかった人がいる。

「小さい頃からの夢」「眠ったまま見る夢」で終わらせることなく現実にそれを叶えた人がいて、その人に会いにいこう! となったのが始まりだ。

日本から香港までの長い時間。
もうすでにそこから“カルチャーショック”が始まってたんだ。

どんなことかっていうとね、日本みたいに「笑顔で安心を伝える」文化がないってこと。

まず、パスポートの証明写真とモニターのダブルチェックで「こっち来い」と呼ばれる。
日本でなら「顔認証が終わったら音が鳴るから」「それが終わったらもういいですよ」とかちゃんと説明がある。

でも、そのレセプションにいた人は
無顔でわたしを呼んだ後、「………」
手元の写真とわたし自身を、多分、恐らく、見比べて(何も言わないから想像するしかない)、何も言わない。

わたしも、立ち去っていいのかすらわからない。お互いに気まずい沈黙が続く。

海外経験ある父が、「もういい、こっち来て」って言ってくれたから安心して行けたけど…あの一言がなかったら、とかそもそも一人旅だったなら、って考えると怖い。

人は、優しい。
温かい。
安心する。

外国人が日本を訪れて、日本の文化に触れるー 自国に素晴らしいものを持って帰る番組や、ただ単に「日本いいね」みたいになったとき、わたしは「わぁ、ありがとう!」って素直に思えていなかった。

「優しい? 温かい? ほんとに言ってる?」とどこか違和感すら覚えていた。

いまいちこの言葉を素直に、今まで受け取りきれなかったわたしが、今回の海外旅行を経て「ああ、そういうこと」と言葉ではうまく説明ができないけどわかったの。

人と人が繋がる。
手を繋ぐことで得られる安心がすぐそこにあり過ぎて、自分の中ではそれが「特別」だなんて考えたこともなかったんだ。

一歩外に出て初めて感じた温もりは、全身をぽかぽかさせた。

香港に着くと、またそれはそれで
「不便だなぁ」とか「日本ってー」とかの比較やものに対する考え方がガラリと変わったんだ。

旅の記録は、まだまだ続くよ。

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