ハナとガチバトル 日記4
どこで覚えたんだか、という言葉をいう様になった三歳ハナ。
ピピの生まれた赤ちゃん返りと、嫉妬もあるだろうと、わがままを多少許してきたのが仇になり、
お米嫌!麺がいいというから、茹でれば、食べない!
着替えさせれば「自分でやる!」と、私が着せた服を全部脱いで始めから着だす。
思うようにいかないと「ナナ嫌い」すぐムクれる。シカトする。
この地味にこずかれるようなボディブローに、ある日私も爆発する。
「もう!いいかげんにしろ!」
溜まった疲労とイライラがドカンと出ると、睨みかえす娘。
「そんなに怒るならもう、ナナと遊ばないよ?いいの?」
怒られても挑戦的な口答え。ムカつく!と大声で叫んでくる。
長男ココには、なかった態度なので、ビックリしていまう。
「何!その言葉遣い!」
「だって、ナナが怒ると面白いもん」
とニヤニヤしてヘラヘラ。そして時に、泣きマネ。涙出てませんけど?
完全に母を舐めてる。女同士どっちもひかない。こうしたハナからの挑戦に大人気なく私も参戦するようになってしまった。
もはや年齢を超えた女ガチバトル。
男ら(ココ、デッテ)は母をなだめるか、ハナに謝罪を促すかするが、
両者どっちもひかない。
数時間後、私も大人なので、一応仲直りしとくかと、
それでも、
「ハナ、あたしに何か言うことないの?」
とチャンスを与えようと、ごめんなさいを促すと、
ハナはケロッとして
「ナナのこと許すよ」
はぁ!??
何で上から?可愛っくね~!
母娘って、こうなん?私も母にこうだったのだろうか?
とハナをみて、思わずにいられない。
しかし、そんなハナも、まだ三歳児。
寝顔をみたときや、階段を一人で降りれず、私の手をぎゅっとにぎってくる時、
「あ~この子は、強情でもまだ小さいんだもんな」
と少し優しい気持ちになる。まだ三歳だもん。
あたしもムキになって悪かったなと思ったりする。
そんなやさしい気持ちになっていたある朝、
ハナが台所の私に近寄ってきて、急に
「ナナは、ボインじゃないからね!」
と言ってくるっと向いて去って行こうとした。
ちょっと待て!何それ!
「どこでそんな言葉覚えたの~?」
とニッコリ努めて冷静に聞くと、
ハナは、涼しげな顔で振り返ってもう一度、
「ちゃんと、知っててね」
と釘を刺して行った・・・
本人自覚してることを、まるで隣のクラスの先生に
「お前頭悪いぞ、わかってるのか?」
と言われたような気分の悪さを感じながら、
また静かに、母娘闘いのゴングが鳴る音が聞こえるのだった。