越前漆器「蒔絵」🌺制作体験
■1.美しい蒔絵との出会い
こんにちは。MichiくりころころのMichiです。今回は越前漆器の蒔絵制作体験の記事です。
買い物途中に伝統工芸売り場を通り過ぎようと歩いていると、かぐや姫がデザインされたキラキラと輝く漆器が目に飛び込んできて、どうしても気になって立ち止まらずにはいられなくなりました。お店の方に話を聞こうと声をかけると、蒔絵師の松田眞夫さんご本人という事が分かり、令和元年に天皇皇后両陛下御即位の際にお祝いの品を、そして秋篠宮眞子さまには文庫を献上され、平成21年に黄綬褒章を頂いたお話等を直接お聞きすることができました。
■2.越前漆器について
福井県の越前漆器は、その当時の天皇が冠の塗り替えを塗師へ依頼したところ、黒い光沢のある器もあわせて献上され、その素晴らしさに魅了されたのが始まりのようです。
越前漆器は分業で構成され、下記の工程で制作されています。
1.木地づくり 2.下塗 3.上塗 4.蒔絵(まきえ) 5.沈金(ちんきん)
とても高価な漆器ですが、一つの作品を完成させるまでに手間隙掛けて何度も重ねて漆を塗っていく長い歳月と、完成後の繊細で美しい輝きを秘めた蒔絵には、価格を超越する魅力に満ち溢れています。
■3.蒔絵デザインのこだわり
松田さんの蒔絵デザインのポイントは、物語のように楽しくなるような作品を心掛けているそうです。制作中は頭に思い浮かんだデザインを描くのが楽しくて、その思いが作品に出るために同じものは作れないそうです。
越前漆器の木地づくりの職人さんがご病気になられ、受け継ぐ職人さんも居られず、今後制作することができなくなった幾つかの最後の貴重な商品を、直接拝見させていただきました。
その蒔絵の光沢と貝殻の艶と輝きが散りばめられた、ため息が出るほどの美しさに感銘を受け、美術館に展示して欲しいと心から思えるほどの卓越した技術の素晴らしさに、もっと多くの方の目に触れることができて、継承され続けていくことを切に願います。
(写真掲載が叶わず残念です😢)
越前漆器の制作過程が想像できずにいたところ、松田さんから息子さんが蒔絵の体験教室を開いている事をお聞きしました。
■4.蒔絵制作体験の流れ
蒔絵体験に、銀座にある「蒔絵スタジオ祥幹」へ向かいました。制作時間は2時間~2時間半位です。
作業工程を下記にまとめました。(蒔絵体験の写真は許可を頂くことができました^^)
①初めにデザインしたい漆器を選びます。
②幾つかの見本の中から、制作したいデザイン画を選びます。
・お皿の形に合わせて、デザインの配置も考えていきます。
・お皿とデザインが決まると先生がお皿にデザインを転写してくださるので、終わるのを待ってスタートします。
③筆の使い方の練習
・少量の漆を細筆で輪郭を取り、太筆で塗りつぶしていきます。
・(左下の写真)-先生のお手本です。
・(右下の写真)-私が練習の際に魚をイメージして塗りつぶした状態です。筆使いが難しく、魚の妖怪(?)のようになりました。(笑)
書道の筆の持ち方とも違うそうなので、書道を習われていた方が難しいと話されていました。
④線描きと塗りつぶし
・(左下写真)-線描きの完成後に、先生が塗りつぶし方を説明している場面です。
<ポイント>
筆を立て、息を吐きながら、漆を付けすぎず、筆圧を一定に保つ。
・(右下写真)-塗りつぶした後に、先生が形を整えている場面です。
<ポイント>
隙間を開けて塗りつぶさないと、区切りが無くなる。
〜上記の工程後10分位、時間を置き漆を乾かします。〜
⑤粉蒔
・デザインした蒔絵の付けたい個所に、好みの色を付けていきます。
<ポイント>
付けたい場所に色が混ざらないように、慎重に付けていきます。一度色を入れると他の色が入らなくなるそうです。
⑥粉固め・擢漆
・色を付けた状態から粉を軽く払います。
⑦24時間乾燥させる
・自宅で24時間の乾燥が必要な為、梱包された状態です。
⑧24時間後に粉を払う
・全ての粉を払い完成となります。
■5.体験を終えて
蒔絵体験はどの工程も難しいですが、滅多に作れない伝統工芸を楽しく学ぶことができて、完成時の蒔絵の美しさと、自分だけのオリジナルデザインに嬉しさが倍増します。
入れ物はお弁当箱、茶道具、箸置き、酒器、手鏡等もあり、制作した作品を贈り物にするのもよさそうです🌟💕
Michiくりころころの☆越前漆器「蒔絵」🌺制作体験☆を最後までお読みいただき、ありがとうございました。次回も楽しみにしていてくださいね☆(*^-^*)☆