加齢が成長に変換した話
ーこんにちは。お目にかかれて嬉しいですー
3年前色々あって実家近くに引っ越しすることになりました。
4人弟妹の長女で
「あんたが出て行かないと下が続かない。早く出て行け!」と
実母に言われ育ったので、家を出た後は
実家近くに住むなんて思った事はありませんでした。
しかし30年も時間が過ぎると色々事情が変わってきて
色んな思惑や立場や環境が見透せ、顕在意識は抵抗しつつも
潜在意識はOKを出しているようなので
それに従い実家近くに引っ越すことになったのでした。
久しぶりにこの地に住まうことになったので
幼少期から遊び場としてよく訪れていた氏神様である
近所の神社へ夫と共にご挨拶へと赴きました。
神社の境内には樹齢1,200年にもなるイチョウが
御神木としてその存在を誇っています。
私が御神木にご挨拶していた時
夫が「ちょっとこっちに来て」と大きな楠木へと誘いました。
楠木を前にした途端、胸を突くように
「大きくなったね」の言葉が投げかけられ映像が浮かびました。
雨の日図書館からの帰り道、黄色い傘を差し
楠木の前を歩いている小学校3年生の自分の姿でした。
樹齢150年は超える楠木からすれば、人間の10歳から50歳への加齢は
「大きくなったね」の成長なのですね。
夫になぜ楠木へと誘ったのか尋ねると
「樹齢を感じる樹だったから知ってるかなと思った」と。
この地に戻ることへの躊躇いと新しい生活への不安を
楠木さんから大きな楽しみへと変換してもらい
月に一度は御神木と楠木に会いに神社へお詣りをすることにしました。
ーおしまいー