自分をリセットできることに驚いた話
ーこんにちは。お会いできて嬉しいですー
下の子が中学校になったのを機に
それまで在宅中心で編集の仕事から
出版社の営業で主要駅周辺の大型書店を回る職種へ転職しました。
5年近くその仕事をしていた頃、仕事中に東日本大震災があり
帰宅難民になったりしました。
それ以降、元々仕事をすることに意欲が湧かなかったのがより顕著になりました。
給料を貰っても『虚しい』という気持ちがどんどん膨らみ
もう自分でも制御できなくなり
「どう自分の心と付き合えばいいのか」と疲弊する気持ちを押し黙らせ
重い足取りで書店営業に向かう日々でした。
「これから子ども達にお金がかかる時期へ突入する
生活を思えばお金は絶対あった方がいい!」がその時の活動力になっていました。
でも、もう心は騙せないところまで至った頃
仕事で書店の棚を行き来していた時、棚差しになっていた本の
背表紙が目に飛び込んできました。
『あなたをリセットする本』 松本東洋著 角川学芸出版
まずタイトルに興味を惹かれ手に取ってみると副題が
「あなたを癒し、悩みを解消する5つのセラピー付き」
これは本に呼ばれた、と仕事中にもかかわらず立ち読みを始めました。
ヒプノセラピーの第一人者である著者のセラピーCDが付いた実践的な内容で
ページ数はそう多くはなく、優しい語り口で解説されていました。
仕事で書店に訪れたことを忘れその本を持ってレジへと向かいました。
帰りの電車の中、早速読み始めると一気に本の内容へと引き込まれました。
驚いたのが自分の体に感謝するというくだり。
『意識することもないのにその役割を果たしてくれている
内臓や骨、神経に至るまで身体を構成している全てに感謝の思いをもつ』
ということ。
今までそのようなこと思ったことも考えたこともなかったので
出会った斬新な考えに自分の見え方の角度が変わっていくのが
分かりました。
付いていたCDは
自分の身体と向き合い感謝する・生まれる前の母の胎内へ誘う…など
誘導瞑想的なもので、数分のセラピーが5種類で構成されていました。
実際やってみると母の体内へ誘われる瞑想はあまりいい気分はしませんでしたが
それ以外は割と合っていたらしく
思考がいつもフル回転して賑やかすぎた頭の中が
少し静かになったような気がしてしばらくCDでの誘導瞑想を
日課にしてみました。
副題のように「癒され悩みが消えた」かというと
そんなことはなく、特に期待するような人生の変化はありませんでした。
ただ自分を大切にしようと思え、まずは自分の心に正直になってみようと
やりたくない仕事を辞める決断をし退職しました。
あれから10年・・・
振り返ると「何のために生きているのか?」の疑問に自問自答することも多く
決して順風満帆ではなかったと言えます。
自分の外側に答えを求め、パワーストーンやら
スピリチュアルを名乗る人に答えを求めたりもしました。
しかしそこには答えなど無く翻弄され
踊らされている自分に気付き呆れたりもしました。
そして結局辿り着いたのは
「すべての答えは自分の中にある」ということ。
「やりきれない思いの中、何のために生きるのかというと
自分の魂の成長のためなのだ」と。
「人間は不完全な生き物。その人間が構成する不完全な社会環境の中
様々な体験をしていくことで経験値を上げていく。
重要なのは
宇宙の真理に沿った生き方をしていくことで魂の経験値が上がるということ。
もし宇宙の真理に背いた生き方をしてくと自らの魂に傷を付けることとなる」
そう思い至った時
ようやく自分を信頼する気持ちになれました。
よくぞここまで辿り着いたと自分自身を労う気持ちに加え
幼少期の環境に感謝する、まではいかなくとも
今の自分を形成したのはあの環境であったと認めることはできました。
自分を叩きのめした人物たちがその後の人生の反面教師になり役には立ったと。
そう思うと10年後の今は
『私は私を信頼していない』をリセットして
『私は私を信頼する』へ変換し成長できたと言えます。
自分の外側に答えを求め、人を責めていた頃は「私なんて…」と
自分を信頼はしていませんでした。
これを書くために「あなたをリセットする本」を探したのですが
引っ越しなどでどこかにいってしまったらしく見つかりませんでした。
内容確認するためにネットで検索してみると
絶版なのか販売中止となっていました。
きっと役割を果たし私に必要なくなったのだと思います。
結局人間は天に帰るその瞬間まで様々な体験をしていく中で
魂の成長を遂げられるように生きていくことが
人生の命題を果たすことと思い至り
それは現在進行形であります。
ーおしまいー