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インナーチャイルドと初対面した話

ーこんにちは。お目にかかれて嬉しいですー

 長女を出産した時、祖母がひ孫の誕生を喜び
「ベビー服を買ってあげる」と一緒に近所のスーパーの
ベビーコーナーへ行きました。
そこで一目惚れした
上が朱色で襟が白くうさぎの耳のようなデザインで
下が白地に人参のイラストが描かれたロンパースを買ってもらいました。

 その服を初めて娘に着せてた朝、自分の胸中に小さな女の子がいて
その服を着るのをとても喜んでいるのを感じました。
それはもう弾むようにして「嬉しい!嬉しい!」と喜んでいて
それを感じた大人の私は初めての感覚に驚きながらも
なんだか冷静にそれを分析していて
 「私は小さい頃、こんな服が着たかったんだ…
  今娘に着せることで満たされているんだ…
  自分の中には満たされない想いの小さい自分が存在するんだ…」
と今でこそ『インナーチャイルド』という言葉を知っていますが
当時は自分の心を感じる、なんて考えたこともないし
自分の思考と向き合うことすらせずに過ごしていたので
胸中の女の子の存在もその一瞬で忘れ去りました。
 
 その後も、娘の髪を結っていたりすると
「その髪型可愛い!好き!」とか「次はこんな服を着てみたい」とか
時折フッとその存在を確認するので
時にはその要望に応え、私は二人の娘を育てながら
小さい自分も育てていったという感覚です。

で、そのインナーチャイルド、今も時折存在を主張してきます。
最近では何かの拍子に小学生時代の涙ながらの体験を思い出して
グンと気持ちが落ちました。
そんな時、記憶と向き合いその時はできなかった
過去の嫌な奴をボコボコにしてみたりしました。

 が、週に何度もその小学校時代のことを思い出し気落ちするので
嫌な奴をボコボコしても満たされないんだ…
と、記憶の中で隠れてコッソリ泣いている自分に
「大変だったよね…悲しかったよね…
 私もう大人になったから
小さいあなたのことを私が守ってあげるからね。心配しないで大人になってね」と
インナーチャイルドの気持ちが落ち着くまで話しかけてみました。
 
 少しは満たされ納得したのかな
あれから思い出しても落ち込みはせず
「文章にしてみよう」と思えたのでした。
        
                   ーおしまいー



 



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