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記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
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フリーゲーム「きまぐれシャノワール」制作裏話まとめ&設定資料集(前編)

こんにちは! シナリオ担当のナナです。
こちらは、当サークルが制作しました女児向け風ファンタジーADV「きまぐれシャノワール」の設定や裏話をまとめたnoteです。X(Twitter)や、過去にこのnoteで語ったことをまとめ直している部分があります。
本当はすべてこの記事で完結させたかったのですが、何とこの時点で文字数が32000字を超えてしまい、泣く泣く前後編に分けることにしました……

注意事項
①「登場人物」以降はコンプリート後の閲覧を強くおすすめします。途中でワンクッション置いています。未プレイの場合、目次の"すべて表示"はクリック非推奨!!
②制作者はこのゲームへの思い入れが強すぎるため、とても長いです。
③画像が多いです!! 閲覧にはWi-Fi環境推奨

「もうコンプリート済!」というあなた(感謝感激です)は、どうぞ、お好きなところからお読みください!!

(見出し背景は空想曲線さんにお借りしました。)

↓↓ゲーム本編はこちら↓↓


概要(背景はkuma工房さんにお借りしました)

このゲームの誕生経緯(※長いです)

いわゆる一次創作は好きだったけど、完成させたことが一度もなく……

小学生の頃、国語の授業でいわゆるリレー小説を書く課題があり(まずある程度まで書いたら、続きを他の人に書いてもらい、最終的には自分に戻ってくる→自分自身で完結させる)、「どうせなら自分がめちゃくちゃワクワクできる話を書こう!」と思いました。
今思えば、それが人生で初めての一次創作だったと思います。

内容としては、当時ハマっていたRPGをヒントにしていて「勇者になりたいと願う少女が、相棒の飼い猫と冒険する」みたいな話でした。もうこの時点ですでに、シャノワールに通じるものがありますね。(笑)
書き終わって発表するとき、先生に「何やら超大作らしいですよ。」と紹介してもらえたり、妹やみんなに「面白かった!」と言ってもらえたりして、わかったんです。「自分のオリジナル小説を作るのって、楽しいんだ!!!」と。

でも、本当に思い入れがあったはずのその作品は、結局完結しませんでした。設定を盛りすぎ、風呂敷を広げすぎて畳める気がしない!!「今ならリメイクできるかな?」と思ったことも何度かありますが、主人公がチート&設定がガバガバすぎて、鑑賞に堪えうるものに直すと、もはや別物になってしまいそうで……
たまに、妹と一緒に新しい小説や漫画を描いたりとかもしていたのですが、どれも長続きせず、そのうち二次創作の方が楽しく感じるようになっていました。

その後大人になって知り合ったむかいかわずさんと、創作の話になり、「ナナはいい文章が書けるんだから、また創作やればいいのに」と言ってもらえたことがあります。とてもうれしかったけど、小説を書くこと、そして完成させるのが難しいことは身にしみてわかっていて、そのたびに「それは厳しいと思う、だってストーリーが何ひとつ思いつかないし……」と言っていました。

唐突に降ってきた案

転機は、その数ヶ月後やってきます。
2018年8月の末、私は金曜ロードショーである映画を観ていました。
それがこちら。「メアリと魔女の花」です。スタジオジブリを退社したメンバーが制作した映画、ということで話題になっていたのを覚えています。

コンプレックスを抱えるごく普通の少女メアリが、花「夜間飛行」に出会ったことをきっかけに、一時的に魔女の力を手に入れ……というストーリーですね。映画に登場する黒猫がメアリを異世界にいざなうのですが、観ながらふと考えました。「この黒猫が突然しゃべり出したら、最高なのになあ」と。

するとその瞬間、内気ながら一生懸命な少女と、ツンデレだけど優しい黒猫が絆を育む映像が脳内に浮かびました。
女児向けコンテンツによくある「人間の少女と、しゃべる小動物マスコットキャラのコンビ」が好きだったのもあると思います。
唐突に、でもあまりにも鮮やかに見えたので驚きましたが、何か楽しいことが始まる予感が強くして「もう一度書いてみたい。今度こそ、最後まで」と思いました。その思いをむかいかわずさんに伝えたとき、一緒に喜んでくれたことはずっと忘れません。
(もちろん映画も最後まで観ましたし、爽やかに前を向ける結末でとてもよかったです。黒猫はしゃべらなかったけど笑)

物語の変遷

仮タイトルと、正式タイトルが決まるまで

ざっくりとしたシナリオは一晩で浮かんだものの、この企画が本格的に始動するまでは、なかなかの時間を要しました。まず書き出しがさっぱり決まらないんです。今は、魔王と勇者一族の因縁の戦いから始まっていますが、当時は魔王自体がまだ存在していなくて、いきなり学校で翔太&ほのかがイチャついているのを主人公(みのり)が目撃し、ショックを受けるシーンから始まっていました(笑)
その書き出しもあとから「何か違う!」と思うようになり、一度全部白紙に戻して、最初からやり直したりしました。

タイトルも全然決まらず、1年くらい「ヘタレ少女とイケボ黒猫の話」という仮タイトルを使っていました。アニメならともかく、ボイスをつけようがない小説媒体でイケボというワードはどうなのかと自分でも少し思っていましたが、仮タイトルなので別にいいか、と。しかし6年後ゲーム化で本当にイケボ黒猫になるなんて……

その後執筆をつづけていると、正式タイトル案として「〇〇シャノワールはどうか?」と思いつきます。シャノワール(chat noir)はフランス語で黒猫……いや、なかなかオシャレでよいのでは? でも肝心の〇〇の部分が思いつかない! どうしよう!
あるとき「猫は気まぐれとよく言われるし、実際ツンデレ黒猫(ロダン)もそんな感じなんだから、"きまぐれシャノワール"は?」と、予想もしていないときにひらめきを得ました。シンプルでキャッチー、わかりやすい! このタイトルに正式に決定するまで、時間はかかりませんでした。

しかし、めでたく正式タイトルが決まっても、執筆はずっと迷走し続けたまま。「最悪の出会いから始まった、主人公の少女(みのり)とツンデレ魔法使い黒猫(ロダン)のコンビが、紆余曲折を経て、かけがえのない関係になる」という流れだけは一貫してブレなかったものの、「結局エーテルハートって何なのか?」「最初強さに執着していたロダンはどのようなことがあって考えを改めるのか?」「この物語はどのように収束すれば一番しっくりくるのか?」わからないことが山ほどあるんです。登場人物紹介にて後述しますが、特にエーテルハートの正体は二転三転(どころではない)しまくりました

もう何度目かすらわからない停滞期を迎えたとき、執筆を再開する契機になったのは、本編に登場する尾道市(みのりの祖父の住む街)にシナリオハンティングに行ったことでした。映画の舞台にも何度もなった雰囲気のすばらしい街で、物語の中に迷い込んだような経験ができ、とてもよかったです。
尾道の街に刺激を受けた私は、それまでの不調が嘘のように、物語を一気に最後まで書き上げることができました。

有名な風景
印象に残った貼り紙
ねこちゃん!

でも当初予定していたエンディングは、今のハッピーエンドからはとても考えられないくらいビターなものでした。最近ネタ帳から久しぶりに発掘したので、気になる方はぜひ読んでみてください。そして驚いてください(笑)

しかし「私が書きたいのは本当にこんな結末なのか?」という気持ちが生まれ、またしても書き直しすることに。結果、綺麗なハッピーエンド(ゲーム版でいう友情ED)が生まれました。ここまで何と、2年の歳月がかかっています……それでもどうにか「この物語を完結させる」という目標は達成することができました。

web小説に、そして紙の本にするまで

シャノワールの原案を思い浮かんだ報告をむかいかわずさんにしたとき「挿絵を描くので、紙の本にしよう」という提案をしてもらっていたんです。
私は絵は描けないので、自分の小説に絵をつけてもらえるなんて、むしろ願ってもない話です。

初期のイメージアート①
初期のイメージアート②
キャラデザ案は、私が描いたものを渡して見てもらいました。
(何に描いているのか)

これはゲーム版の設定資料集なので詳しい経緯は割愛しますが、web連載を経て、印刷所に入稿するという経験は私にとって、とても貴重で大切なものになりました。今はゲーム制作がメインになりましたが、本を作るという経験はもう一度してみたいですね

世界観を端的に表している表紙!
今とはロゴが少し違いますね。
小説版の登場人物紹介用に作っていただいたもの


web
小説版

同人誌版

お世話になりました。とてもすばらしい印刷所さんです。

ゲームになるまで

その後、思うところがあり、かなり久しぶりにTwitter(現X)で公開アカウントを作りました。というのも、それまではいわゆる鍵垢でTwitterを使っていて、親しい相互さんにはシャノワールを見てもらっていたのですが「やっぱり鍵垢で叫んでるだけじゃなあ」「どうせならこの世界観が好きな人にもっと届けたいし……」と思い、できたのが、現行のXアカウントです。
ただ、いろんな理由で(お察しください)この作品、ひいては私自身が一次創作小説界隈には向いていないかもしれないと思うようになりました。

時期は前後しますが、そんなときに出会ったのがノベルゲームコレクションです。Twitter(当時)のおすすめユーザーに、東京オディエットアモの制作者さんのアカウントを見つけたのがすべてのはじまりでした。

もともと乙女ゲーマーだったので「乙女ゲーなんだ!  いいな!」と思いプレイ開始したら、面白すぎて一瞬で沼ってしまいました。なのでオディアモは私をノベコレ沼に引きずり込んだ思い出深いゲームなんです。(笑)

それをきっかけにノベコレのゲームにどんどん手を出していき、自然とノベルゲーム制作者の相互さんが増えていく→制作者さん同士の優しいやりとりや、TGF(当時は2022)で盛り上がっているのを見て、少しずつ「私もこの輪に入れたら楽しいだろうな」という思いが湧いてきました。
その少しあとに案を思いつき、むかいかわずさんと一緒に作った初めてのゲームが前作「キミまで700km(以下、キミナナ)です。

たくさんの人から温かい応援や感想をいただき「ゲーム制作って、こんなに楽しいんだ」とわかった私。「じゃあ、一番思い入れのあるきまぐれシャノワールをゲーム化できたら、どんなに楽しいだろう?」という思いが浮かぶのは、きっと自然な流れでした。
でもキミナナと比較するとシナリオのボリュームがすごすぎて実現できる気がせず、むかいかわずさんに立ち絵を頼み込んだエイプリルフールネタで、気を紛らわせたりしていました。まさか後に現実になるとは

タイトル画面。今とはだいぶ違いますね。
ネオロマンス(コーエーテクモの乙女ゲー)のタイトル画面をオマージュしました
背景/エフェクト:七三ゆきのアトリエ様
UI:空想曲線様
テキストをもっと調整した方がいいですね。笑

そしてTLでみなさんがゲーム制作をしているのを見ていると、いつしか私の頭の中に、ゲ制の魔物(なんだそれは!)が棲みつき始め、折に触れて「シャノワールをゲーム化すべき」とささやくようになります。
もちろん私もしたかったけど、ここには書ききれないいろんな問題があり、絶対に無理だと思っていました。
しかし、そう思いながらも毎日その方に気持ちが傾いている自分がいて、YouTubeでシャノワールに合いすぎなフリーBGM(※後の、魔人召喚のテーマ)を見つけてテンションが上がったり、何だろう……ちっぽけな分別(?)とは関係なく、私の運命が強い力で引っ張られていくような……そう感じました。
それに、手直し期間も含めると4~5年もかけて、試行錯誤しながら作ってきたものです。絶対に多くの人の心をつかめる。この作品ならそれができる。

きまぐれシャノワールは、面白いんだ!

そんな妙な自信だけは、揺らぎませんでした。

「どれだけ時間がかかっても、シャノワールをゲームにするぞ!!」

その8月。ティラノゲームフェス2023の参加申込〆切も間近になり、制作者仲間たちが続々ゲームを完成させていく中、私はついに腹をくくりました。「来年のTGF2024には、絶対ノベルゲームとして生まれ変わったきまぐれシャノワールで参加しよう」と。

そして、今があります。

ゲーム制作中思い出話

大変だった・印象に残っていること

2023年の9月頃から始まった、ゲーム版の制作は、正直簡単とはいえませんでした。まず単純に、シナリオが長い!!(笑)プレイしてくださった方ならおわかりかと思いますが、約1年間の物語を書いたシナリオです。
その分テキスト量も半端ないし、ゲーム映えするようにテキストそのものを書き換えたり、追加シーンやEDのシナリオ考案がとても大変でした。
テキストの編集って本当に地味な作業で、ひたすら「これは"ノベル"ゲームで、根幹になるノベル部分を作っているんだから、一番大事な作業なんだ!!」と自分に言い聞かせながら作っていました。

ただ、原案で導入している三人称視点地の文よりも、ゲーム版の一人称地の文の方が断然感情移入しやすく、書いていて楽しかったのも事実です。
何よりみのりやロダン、エリザベートさんたちが小説版とは比較にならないくらい生き生きと動き出し「まさかあなたたちもゲーム化を望んでいたの?」と思ってしまいました。

小説版での、みのりとロダンの出会い
かなり印象が違いますね。

またこの作品はもともとゲーム化することを考えずに書いていたものなので、理想の背景素材がなかなか見つかりませんでした。
たとえばカペラ王国の都、ひいては作品自体のシンボルである時計塔。ゲーム風の背景素材でイメージに近い時計塔がないか探していたのですが、どうしても見つからず、北欧に実在する時計塔の写真素材を加工の上お借りしています。

現代っぽいオブジェクトは消してもらいました。
やっぱり写真背景とはかなり雰囲気が異なりますね……

立ち絵・グラフィックデザインについて

上記のように、小説版ではむかいかわずさんにイラストをお願いしていました。が、小説とゲーム(それも長編)では圧倒的に作業量に差があることは目に見えています。しかも当時むかいかわずさんが個人制作に集中していたので、絶対に頼めないだろうと思っていました。懐かしい感じのシルエットサウンドノベルにしようか? と考えていた時期もありましたね(笑)

その後何やかんやで引き受けてもらえることになり、現在の形に落ち着きました。プレイしてくれた方はおわかりかと思いますが、主人公の立ち絵差分もそうですし、カットインの数が半端ないです。標榜ひょうぼうしている「女児向け風ファンタジー」のイメージにとことん寄り添っていただきました。

ワクワク感漂う宣伝画像

むかいかわずさんのイラストがなければ、このゲームの魅力は間違いなく半減していたでしょう。本当にありがとうございます

体験版について

2024年6月には、2章まで遊べる体験版を配信することができました。

ようやく「こういうゲームなんだ」ってお伝えすることが叶ってとてもうれしかったです。中には「実況したいので正式版を待ちます」と言ってくださる方もいて、早く完成させなきゃ!!という思いが強くなりました……

ボイス依頼について

もともと制作者が「シャノワールのキャラの声を聴いてみたい!」と思ったことから、メインキャラ3名(みのり・ロダン・エリザベート)のボイスを依頼したことがありました。詳しくは以下記事に経緯があります。

めちゃくちゃよかったので「ぜひゲーム版にも続投いただきたい」と強く思い、また真帆や翼などサブキャラにもボイスをつけたいと考えました。(キャスティングや起用理由などは後述)
メインキャラ以外は募集をかけるか悩んだのですが、当然ながら最後には絶対にどなたかおひとりを選ばなければいけないわけなので、それが心苦しいであろうことは目に見えていました。なので「この方なら!」と思ったボイスコさんに直接お声がけするスタイルを取りました。

長編かつ複数のキャラにボイスがあるゲームを制作するのは初めてで、何を用意すればスムーズに依頼が進むだろうかと考えたときに、非常に助けられたのがこちらの記事でした。

もうシナリオ自体はできあがっていたのでそこは問題なかったのですが「ボイスが必要な部分の個別台本とは別に、シナリオ全体の台本もあった方が良い」ということが書かれていました。お声がけしたキャストさんたちに確認したところ、みなさん「あると助かります」とのことだったため、さっそく用意することに。驚異の16万文字pdfが出来上がってしまいました(笑)

たくさんの方と同時進行で依頼のやりとりをすることが今までなかったので、非常に緊張しましたが、みなさん優しく丁寧にご対応くださって本当に安心しました。シナリオ全体の台本にもお目通しいただき「とてもよかった」とのお声をいただけた日にはときめきでいっぱいになりましたw
また納品されたボイスがどれもキャラのイメージに合いすぎで「〇〇さんにお声がけしてよかった!!」と毎回思ってましたね……

むかいかわずさんのグラフィックもですが、なければゲームの魅力が半減していたのはキャラクターボイスにもいえることだと思います。
ボイス組み込みは後からのアップデート分に回そうかな、と思っていた時期もあるのですが、こうして初公開時から搭載できて本当によかったです。

また、クリア後のボイスキャストさんによるフリートークも、ぜひやってみたかったことのひとつでした。ノベコレのゲームにも、少ないですがフリートークを導入しているゲームがあり「シャノワールでもやってみたいな……」と思ったのがきっかけです。みなさんそれぞれの個性が出ているトークで、とても楽しく聴けました! むかいかわずさんこだわりの再生画面も、ぜひチェックしてみてください

2023年9月から始まったゲーム版の制作。初めての長編ゲームということもあり、TGF2024参加申込〆切8/31に間に合うか本当に心配だったのですが、どうにか参加資格を得られたときは心から喜びました! 「ついにノベコレのラインナップにシャノワールが仲間入りできたんだ!」と……

ずっと見てた

長らく仮公開でしたが、TGF2024の開幕までに、無事正式公開することもできました。たくさんのお祝いをいただきとてもうれしかったです。ありがとうございました!!

余談:制作であきらめたこと

展開に関わるわけではないちょっとしたお遊び選択肢(おもしろい)が出てくるゲームが好きで、ぜひ自作でもやりたいと思っていました。
でも、そもそも私に笑いのセンスがなかったのか非常に難しく、序盤のこの選択肢が限界でした。以降はチュートリアル的選択肢か、シンプルにシナリオ分岐のための選択肢しか出てきません。いいアイデアが思いついていれば、もうちょっと選択肢で遊びたかったですね……

間違っても契約を迫ったりはしません
この選択肢ボタンは、処理が大変だと思いデフォルトのつもりでしたが
むかいかわずさんが素材をもとに作ってくれました! ありがとうございます

演出面では、魔法の存在する世界観ということもあり、表現の幅が広がる背景ムービー機能をもっと使いたかったのですが、ただでさえ長編なのに動画ガンガン入れたら容量が厳しくなるなと思いやめました。
他にも恋愛EDの最後に、魔法の光(?)で空に"THE END"と描くというデ○ズニー感あふれる演出をやってみたい! と思ったこともありますが、どうやればいいかわからなかったのでやめました……

また、これは自分で納得して決めたことなので、あきらめたのとは少し違いますが 原案ではロダンやエリザベートさんが使う魔法の呪文があって、エスペラント語を元にしていました。ハ〇ーポッターみたいな独自呪文に憧れて、そういうのが作れたら素敵だろうな、と思い……

でも気づいてしまったんです。そうするとボイスコさんとのアクセントすり合わせがめちゃくちゃ大変だということに。なので、日本語の呪文に変更することにしました。他の制作者さんのボイスありゲームをプレイしていて、独自用語がたくさんあると「これ大変だっただろうな……」とリスペクトを感じるようになりました

あとは、ロダンは感情で瞳の色が変わるという設定。原案ではかなり細かく色のパターンを決めていたのですが、それに忠実にするとむかいかわずさんの負担が激増なのでやめました。ちなみに当初は色が変わるのではなくオッドアイの設定だったと思います
立ち絵もそうですね。たとえば魔法アカデミーの他の先生や生徒たちなど、ビジュアルを見てみたかったけど「これ以上は負担をかけられない」と判断し、断念しました。なお立ち絵のないキャラの、想像でのFAは歓迎です!!!!!!(大声で叫ぶ)

システム面では、だいぶあとになって、ボイス個別音量設定のプラグインの存在を知ったりもしました……もう少し早く知ってたら導入していたかも。とても便利だと思うのですが、一括テーマUI変更適用しててもできるのでしょうか……

ご紹介いただきました!!

レビューを書いていただきました!

ノベルゲームレビューブログ、NaGISA.net様に準推薦枠をいただきました!ありがとうございます! キャッチコピーも可愛らしくてうれしいです。私の長年の思い入れやこだわったところを汲んでいただき光栄です……
NaGISA.net様では他にもたくさんのゲームが取り上げられていますので、きっとあなたのお気に入りゲームもあると思います。ぜひチェックしてみてください!!

実況していただきました!

ゲーム実況者さん、せりこさんに実況していただきました!
澄んだ癒しボイスで登場人物たちに感情移入していただきうれしかったです……現在part1なので、私もこれから最後まで一緒に楽しもうと思います!!
せりこさんには事前にご連絡いただいております。実況ご希望の方は、一度ご相談くださいませ。




※ここからネタバレです※

コンプリート後の閲覧をおすすめします!!




登場人物について

小説版の登場人物紹介。
今とはキャラデザが全然違う人がちらほら……
ゲーム版全身立ち絵①。みのり、ロダン、真帆、翼、エリザベートさんです。
バランスを考えエリザベートさんを一番右に配置したら、保護者みたいになりました
この5名が一堂に会するシーンも、一応終盤にあるんですよね。
ゲーム版全身立ち絵②。翔太、ほのか、お兄ちゃん、おじいちゃんです。
最初黒タイツ担当はみのりだったのですが、ほのかの方が似合いそうという提案を
むかいかわずさんから受け、交替しました。(何の話?)
右の2名も祖父と孫なわけなので、会話を見てみたかったです。
ゲーム版全身立ち絵③。ソフィー&エルフリーデ、魔王少年&青年、アンナさんのカペラ王国組。
年少者3人が並ぶと非常に可愛いですね。一緒に遊んでほしい!
因縁の宿敵同士が普通に隣にいるのはシュールですな……
そして最後は大人になったみのりと、人間になったロダン。
切っても切れない縁で結ばれたふたりです。

早川みのり(CV:真白かなさん)

その他プロフィール
年齢:16〜17歳
学年:高2
誕生日:2月28日(うお座)
身長:160cm
趣味:料理
家族構成:両親、兄、祖父
好物:しょうが焼き、卵焼き

W主人公のひとりでヒロイン。自分に自信がなく悩める毎日を送っている少女です。そしてもうひとりの主人公ロダンとともに、真っ先に生まれたキャラです。名前の由来は特にないです……雰囲気で決めました。

設定上は「内気でおとなしく、ネガティブな性格」としているものの、あまりにも内向的だと動かしにくかったのか「言うほどネガティブじゃなくない?」と思う瞬間が何度もありました。さらにゲーム版では結構ツッコミ気質になっていますね……でも、この方がプレイヤーさんも感情移入しやすくていいかなと思いました。

とにかく「自己肯定感低めの少女が、後の相棒となる存在に出会い、絆を深めながら自身の夢を見つけて成長する」ストーリーにする、というのは最初から決まっていたので、設定を固めるのには全くといっていいほど苦労せず、人物像も最初から最後までブレませんでした。いくらネガティブ設定でも、うじうじしすぎてプレイヤーさんの共感を得られないことだけは避けたくて、どこかに生来の素直さ・明るさが見えるよう心がけていました。

序盤は投げやりだったみのりが、ロダンとの交流を通じて、「うらやましがってるだけじゃ、何も変わらない」と気づき、最後には魔王に身ひとつで立ち向かう様子を見守るのは、私も楽しかったです。

序盤はいろんなことから逃げ出していたみのりが……
自ら「もう逃げない」と言い切った瞬間です。

料理が好きで、運動は苦手……制作者の経験を元にしている点も、大いにあります。特に後者については「あのとき自分がもう少し努力していれば、こんな未来もあり得たのかもしれないな」という思いをもとに書いたものです。私はみのりほど頑張れなかったので……(でも、後述しますが、もちろんみのりと対立した3人組のやり方を肯定するわけではありません!)

また「実は勇者の末裔まつえいだった」という設定は、最初はなかったものでした。でも、みのりとエーテルハートの間に切っても切れない関係を作らなければ、ロダンがみのりの元に現れた説得力がないだろうと思ったんです。

みのりは最初から最後まで一貫して「特別な力を持たない、普通の人間」として描写されていますが、実は終盤で「おばあちゃんから戦う力を得て、魔王とタイマン張る」という展開も考えていました。しかし、「この物語はみのりが普通の人間であることに意味があって、たとえ戦う力はなくても、誰にも負けない想いの強さだけで立ち向かう方がよくないか?」と思い断念しました。でも魔法少女になる展開も少し見てみたかったです。まあこのゲームの世界観は、魔法少女とはあまり馴染まない気もしますが……(笑)

キャラクターデザインについては、とにかく少女向けコンテンツの主人公感を意識しました。あざとくはなく、自然な可愛さがある感じですね。髪型がおさげなのは、エヴァンゲリオン新劇場版の真希波・マリ・イラストリアスが好きで、一時期自分の創作主人公をマリと同じ髪型にしていたという理由もあります……(笑)

そして、みのりは服装・髪型差分の数がすさまじいです!!
むかいかわずさんに描いてもらった全差分が以下です。

自分でオーダーしといて何ですが……数がすごすぎる

上述のように、シナリオが1年間あるため、夏服・冬服(制服と私服も)の差分、特別なシーンでの差分がありすぎて、むかいかわずさんにはめちゃくちゃ負担をかけただろうな……と思います。女性主人公のゲームを遊んでいて、主人公ちゃんがたまに着替えるととっても楽しいですが、「それを作る方は大変なんだな」と実感しました……ゲーム画面を華やかにしてくださり、本当にありがとうございました。

こんなやりとりがずっと続いてました。

みのりに声をあててくださったボイスキャストさんは、真白かなさんです。

Xで相互フォローだったのがきっかけでボイスサンプルを聞かせていただき、「可愛らしくて透明感ある響きのお声をお持ちだし、みのりのような少女漫画主人公系キャラは合ってるかも?」と思い、お願いしました。
メインキャラ3名のキャストさんは、上述のキャラボイス動画からのお付き合いであり、どのキャラもイメージにぴったりだったので、ご都合が合えばゲーム版でもぜひ続投いただきたいと考えていたんです。
真白かなさんに、ゲーム版へのご出演を打診しようと思ったところ、メディアに取り上げられたり、地上波アニメにご出演されていたりと大人気になっていたため「また依頼していいのかな!?」と少し思ったのですが、ありがたいことに無事お引き受けいただく流れとなりました。

私がさんざん「女児向け風」と紹介したせいかもしれませんが、真白かなさんの超絶ラブリーボイスのおかげで、みのりは本当に女児向けアニメの主人公になりました。(※それくらい可愛いってことです)女児向けアニメの主人公にはね……キラキラな夢と憧れが詰まっているんですよ
それだけでなく、最初は後ろ向きだったみのりの揺れ動く心、苦しみながらも前を向こうとする思い、ロダンへの親愛……そして彼を救いたいという強い気持ち。それらをすべて丁寧に表現してくださいました。おかげで、とても共感できるキャラになったと思います。

みのりは、私の創作キャラの中でも特に思い入れ深い主人公です。これからもみなさんに応援していただけるような子になっていれば、うれしく思います!!

ロダン(CV:伊達琉太さん)

その他プロフィール
年齢:21歳
誕生日:8月1日(しし座。猫なので)
身長:70cmくらい (二足歩行のとき)
趣味:あるかな!? 考えたけど思いつきません(笑)
家族構成:両親(故人)
好物:何でも好きだけど、みのりの作った卵焼きは特別
特記事項:そのときの感情で瞳の色が変わる

もうひとりの主人公。最初はみのりと犬猿の仲(猫だけど)だったものの、紆余曲折を経てかけがえのない相棒になる……という位置づけの存在です。

本当はケット・シーというファイナルファンタジーにも登場する妖精的な種族なのですが、みのりたちには猫扱いされており、本人(?)はそれを不満がっています。もちろん「猫にしか見えない」という状況を進んで利用しているのも彼なんですけどね。飼い猫モードのときは可愛い猫ちゃんを演じているのですが、ゲーム化にあたって猫の鳴き声効果音をお借りしたところめちゃくちゃ可愛くなって、楽しかったです。(笑)

いつかのゲ制デーでご紹介したスクショ。
人間ウケするしぐさをよく理解しているようです。
お気に入りの台詞です
実際の猫ちゃんは、人間と並んでこうはならんやろとは思いますが
こうしないとメッセージウインドウに埋もれてしまうのです……

名前については、きっと彫刻家のオーギュスト・ロダンを連想する人が多いんじゃないかなと思います。実際そうで、名前の響きが気に入ったので拝借しました。特に何か設定的なつながりがあるわけではないです。フルネームはロダン・クラウス・ベルシュタインといい、小説版ではそのように名乗っていたのですが、冗長になるかなと思いゲーム版では触れませんでした。

そして、こう見えて21歳。ケット・シーはファンタジー種族であり寿命も猫よりもずっと長いので、人間の21歳と同じと解釈してくれてかまいません。
たまにプレイヤーさんから「ロダンが21歳なのマジかよ」という感想をいただくのですが、それもめちゃくちゃわかります。(笑)
これは、ロダンが通っていた魔法学校が日本でいう大学に相当すると(制作者が)イメージしていたのが大きいです。みのりと同い年かちょっと年下くらいの方が自然だったかな、と今なら思いますが、結局変えずにここまできてしまった

上述しましたが、女児向けコンテンツによくある「人間の少女(主人公)と、しゃべる小動物マスコットキャラのコンビ」がもともと好きでした。でも、主人公が最終的に特別な関係になるのって、だいたい人間の男の子なんですよ! 主人公とマスコットキャラが特別な関係になる話があったっていいじゃないか!! この物語が生まれた背景には、そういった思いもあります。まあ人間同士の方が制約が少なく描きやすいのも今なら痛いほどわかります

ふたりの関係性、序盤はこんな感じですが……
(それでも心のどこかで、お互いを気にしている)
中盤以降こうなります。

お借りしました!


ロダンには、モデルになったキャラクターがいます。
児童向けファンタジー映画「コララインとボタンの魔女」に登場する黒猫です。

(猫ちゃんの魅力をすごくわかりやすく伝えてくださっている)

理想の世界(でも何かが変)な世界に迷い込んだ主人公コララインに警鐘を鳴らし、やがて頼もしい味方になってくれる存在です。CVはなんとあの劇団ひとりさんで、そのそこはかとなく大人の色気を感じるボイスに衝撃を受けました。主人公と猫ちゃんの関係性もとても好きで、ずっと心に残っている映画です。

前作「キミまで700km」の攻略対象である薫は、とても心優しく、人当たりのいい、穏やかな人物でした。

シャノワールの制作で得た知識をもとに、アップデートしました。

が、今回同じポジションに相当する(であろう)ロダンは、薫とは正反対。非常な自信家で物怖じせず、ズケズケとものを言うキャラです。目的のためには手段を選ばない強引なところもあり、みのりには当初本気で嫌われていましたね。
しかし、ロダンはW主人公のひとりなので、プレイヤーさんに心から応援してもらえるような人物にしないといけません。そのため、みのりと不仲な期間を長引かせず、2章終盤で早めに態度を軟化してもらいました。
何だかんだで危なっかしいみのりのことを放っておけず手を差し伸べてしまったり、 感謝されると照れずにいられない純な一面もあり 「なんだ、結構可愛いな」と思ってもらえるよう心がけました。(みのりもそう言ってますが)

このあとみのりにハグされて動揺する

プレイヤーさんから寄せられた感想で「ロダンはいきなりエーテルハートを要求してるけど、みのりを甘言で丸め込んで信じさせることもできたはず。特に今みのりはどん底の状況なのだから、理解者を装えばきっと効果はてきめんだっただろう。でもそういった小細工をせずあえて直球でいくところが好き」といったものがありました。確かにそういったやり方はロダンは好まなさそうですね(笑)プレイヤーさんって制作者が一生思いつかないような案を教えてくれてすごい

一見完璧に見えるロダンですが、幼少期は魔法が思うように使えずにいじめられた経験があり、鬱屈したものを抱えていました。つまり、正反対に見えるみのりとロダンは実は、合わせ鏡のような存在なんです。
エリザベートの励ましもあり、魔法アカデミーを首席で卒業するまでになった(ここはゲーム本編には書いていなかったかも……)ロダンも、いつしか「力こそすべて。強くなければ、自分の存在価値はない」という妄執に囚われ、とても不安定な精神状態になりつつありました。
そんな彼が、みのりからの叱咤を受け、自分を見つめ直し、やがてありのままの自分自身を受け入れる流れはとても気に入っています。

魔王の誘惑を、毅然と拒否します。
かつての彼なら、どう返していたのでしょうか。
可愛い!
でも両サイドの表情が……(笑)

故郷カペラ王国の食文化が全く発展していなかったということもあり、シナリオ中盤でみのりのお弁当を口にして以降、人間の(日本の?)食べ物の虜になったロダン。すっかり食いしん坊キャラに変貌してしまいます。
この辺りの描き方は、とても悩みました。ロダンはファンタジー種族なので割と何でもアリではあります。ただ表向きは飼い猫として生活させている以上「飼い猫モードのときは、猫ちゃんに対してやってはいけないことは、絶対に描写しない」と、小説版のときから決めていました。
注意書きに「ロダンは大丈夫だけど、実際の猫ちゃんには人間の食べ物をあげないでね」という文言を入れるのは、何か違う気がしました。「そんなんわかってるわ!」と思う人もいるかもと感じ……その代わり劇中で、みのりの家族がかなり注意喚起をしています。
私は家の方針でペットを飼ったことがないため、ほとんどGoogle検索情報ですが、かなり勉強になりました

ちなみにロダン曰く「キャットフードは割と美味しい」らしいですが、先日検索してみたところ、最近のキャットフードは人間が食べても美味しいくらいレベルが高いとのことでした。だからって試そうとは思いませんが(笑)

そして、プレイ中「やっぱり」と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、ロダンは劇中で人間になります。(一応readmeには記載済)
みのりがロダンのことをよく「ひとりで苦しまないで」とか「大切な」と表現しており、時折「この表現で本当にいいのか……」と思ったこともあるのですが、私にとってロダンはもはや人間だったので、これ以外の表現は思いつかなかったんです。

小説版での、あのシーン

ゲーム版の恋愛EDで人として生きていくことについては、描き方にとても悩みました……(後編にて解説)

猫モードのときと顔がよく似ていてすごいなと思いました……
(特に笑った顔)
初期のキャラデザ

一見不遜で自信満々ながらも傷つきやすく、シナリオ中盤では危うさとアンバランスさを見せていたロダン。そんな彼がみのりとの交流を通し、抱えていた闇を振り切っていく様子は、このゲームの最大の見どころといっていいと思います。

ロダンを演じてくださったのは、伊達琉太さんです。

ロダンの声をイメージするのは正直、制作者でも難しかったです。
上述の「コララインとボタンの魔女」に出てくる猫ちゃんみたいな声はどうかな? と思ったこともありました。(どんな声か気になる方はぜひ実際にごらんください。めちゃくちゃかっこいいので)
ただ、コララインの猫ちゃんはとても大人で、弱点もなさそうなキャラです。対して、ロダンは自信家だけど、未熟な面も多分にあるので、大人っぽい声は少し違うかなと……そう考えたときに、「まさに少年と青年の中間でしっくりくる!」と感じたのが伊達琉太さんでした。
強気だけど、どこか可愛くて憎めないロダンをイメージぴったりに演じてくださいました!!

エリザベート(CV:如月彩葉さん)

その他プロフィール
年齢:不明
誕生日:6月30日(かに座)
身長:172cm
職業:魔法協会副理事、魔法アカデミー教員
趣味:お酒を飲むこと、薬草を育てること
家族構成:両親、祖母、姉2人、夫(死別)、娘(死別)
愛称:リーザ(同僚や姉たちに呼ばれている)
好物:ワイン、ハーブティー
特記事項:魔法協会の次期代表と噂されているが、本人にそのつもりはない

カペラ王国の魔女で、ロダンの師匠です。私個人が、自創作キャラの中で一番好きな人物でもあります。この項目を書くのをとても楽しみにしていました   原案の小説版と比較すると、BADED2でみのりの後見人になったりとかなり出番が多くなっており、悲しい過去が明かされるなど人となりの掘り下げも増え……もはや第三の主人公といってもいいポジションになりました。

「ロダンがみのりの世界にやってくる際、力を貸した人物がいるのでは?」と考えたときに「ロダンの師匠キャラを作ろう」と決めたのが、エリザベートさんが生まれるきっかけでした。実は、最初はホグワーツの校長先生のような、テンプレ的魔法使いおじいちゃんをイメージしていたんです。でも「どうせなら私の好みの紫髪ロングおっとり魔女お姉さんにしよう!」と思い直し、おじいちゃん案は一瞬でなくなりました……(笑)

ハリー・ポッター:ホグワーツの謎より
ダンブルドア先生は、私も大好きです。

キャラクターデザインは、picrewの「ふわふわガールメーカー」さんで作った案が元になっています。

雰囲気はこの頃から変わりませんね。
小説版のキャラデザ。今より可愛い寄りです。
チェキ風
(背景は私の母校の建物です)

名前の由来は、ミュージカルでも有名な、オーストリアのエリザベート皇后(シシィ)です。こう書くとめちゃくちゃ恐れ多いですしファンに怒られそうな気もしますが、ロダンと同じく、設定に特別つながりがあるわけではありません……。本名はエリザベート・ステラ・シェーレンベルクという設定でした。が、ロダンと同じ理由で、ゲーム版ではお蔵入りにしました。
年齢は最初25歳前後を想定していましたが「それにしてはキャリアがありすぎでは?」と思ったためやめました。実年齢は制作者にもわかりません。永遠の謎です。

その優しさで王国の民や魔法学校の教え子みんなに慕われ、物語上の立ち位置としても W主人公に寄り添い導く頼れるメンターでありつつ、少女のようなピュアな心をいつまでも忘れない……それがエリザベートさんの魅力だと制作者は思っています。

仲のいい同僚との飲み会が決まり、喜ぶエリザベートさん。かわいいですね。

ロダンとは「師弟関係」と表現されていますが、将来的にふたりは仕事上のパートナーになるはずでした。エリザベートさんが副理事で、ロダンは助手的なポジションですね。ロダンは正式な契約(?)に備えて、卒業後もアカデミーに残り、エリザベートさんからより専門的な知識を学んでいました。
(そのあとエーテルハートを探しに旅立ってしまいますが)

最初はなかったけど、むかいかわずさんが「ここに絵がないのおかしい!」といって
描いてくれたスチルです。そしてこの火の鳥は終盤でも……

4章でロダンが見ていた悪夢の中で、エリザベートさんが苦言を呈するシーンがありますが、あれはエリザベートさんの言葉というよりもロダン自身の深層心理だと思います。後にみのりにも言っていますが、自分でも本当はわかっていて、でもどうにもできずにもがいていたのでしょう……

そんなロダンにみのりという良い仲間ができたことをエリザベートさんは心から喜んでいますが、実は小説版の頃から、エリザベートさんが不憫だと思う瞬間が何度もあったんですよ。
ロダンは「みのりに出会って初めて癒され、救われた」というようなことをたくさん言ってますが、エリザベートさんだってロダンのことを高く評価し、大切に思っているのには変わりがないはずなんです。
なのに、彼女ひとりの力ではロダンの心を本当に変えることはできなかった。なぜなら主人公はあくまでみのりであって、エリザベートさんはそうでないからという、完全に制作者側の事情ですね。まあロダンにとっては師匠であり、立場的にはずっと上の人なので、完全に対等な理解者という意味ではみのりが初めてだったのかもしれません……
後編で詳しく紹介しますがBADED2にてみのりとエリザベートさんが会話するシーンは「ロダンを大事にしていたのはみのりだけではなく、エリザベートさんだって同じなんだ」ということを改めて強調したかった……という意味合いを込めて作りました。

以下は本編にもっと入れたかった裏設定です。

①かなりの酒豪
いくつかのシーンで言及されてますが、エリザベートさんはお酒が大好きで、酒場の常連でもあります。(←このシーン描きたかった……)

②魔法なしでもつよい!!
協会の仕事でモンスターをハントしてたこともある。(魔法の杖が変化した)弓で戦うのは、ただの私の趣味です。もし何らかのトラブルが起きて魔法が使えなくても自力で戦えるよう、剣術の心得もあります。

③実は三姉妹の末っ子
「こう見えて妹属性だったら可愛くない?」という理由で考えた設定
BADED2で言及されますが魔女をやめた姉ふたりがいて、「リーザちゃん」と呼ばれ可愛がられているという設定まで見えました……エリザベートさんはそんなふたりのことを「自由奔放な人たち」と苦笑い気味に評しているので、ハ○ーポッターに登場する、フレッド&ジョージとロンみたいな関係かなと思っています。

④亡くなった夫について
エリザベートさんが実は未亡人なのはずっと前から決めていました。ゲーム中では詳しく語れませんでしたが、亡くなった旦那さんは、気弱ながらも優しい性格で、めちゃくちゃ一途だったんじゃないかなというイメージがあります。まあただの私の好みなんですけど
エリザベートさんが教職に誇りを持っているのは、いつか彼に言われた「未来の魔法使いたちの育成に頑張るあなたが好きだ」という言葉が忘れられないから、というのもある……という設定を考えたのですがどこにもねじ込めませんでした! 我ながらエモいと思ったのに!笑
「子どもが長く生きられなかったのは、異種族間で結ばれたからだとは思っていない」とエリザベートさんは発言しており、同じように魔女と人間の間に生まれたみのりの母と叔父が成人していることから、事実それは全く関係ないのですが、そういった言葉が出てきたということは、そのような心ない声をさんざん聞かされてきたからなのかもしれません……

エリザベートさんを演じてくださったのは、如月彩葉さんです。

いろんなところでさんざん語ってきた気がしますが(笑)、みのり役の真白かなさんと同じく相互フォローだったのがきっかけでボイスサンプルを聴くようになり、大人のお姉さんの演技がエリザベートさんのイメージに近すぎてぜひお願いしてみたいと思いました。
ゲーム版でも、優しく頼もしく、ちょっとお茶目なエリザベートさんを存分に表現してくださいました。如月彩葉さんは普段から、ご自身が演じたキャラクターをとても大切にされているのが伝わり、それは当サークルのゲームに対しても例外ではないので、とてもありがたいことです……

宮崎真帆(CV:如月彩葉さん)

その他プロフィール
年齢:16~17歳
学年:高2
誕生日:5月2日(おうし座)
身長:168cm
趣味:ショッピング、カラオケ
家族構成:父、姉
好物:チョコバナナクレープ

小説版での立ち絵

真帆はどんなことがあっても味方でいてくれる、素敵な親友です。
みのりが陰キャなら、真帆は完全な陽キャ。いつもニコニコしていてとても魅力的な真帆が友達であることに喜びを感じつつも、みのりは心のどこかで「なぜ、自分だけを特に気にかけてくれるのか?」という気持ちが拭えないようです。実は裏設定として、「かつて別の友人との仲がこじれて嫌な思いをしていたとき、出会ったばかりのみのりに優しくされ、それがずっと忘れられないため」というしっかりした理由があるのですが、残念ながら本編には落とし込めませんでした……

「どうしてあまりにもタイプの違うみのりと真帆がいつも一緒にいるのか」という疑問を持つ生徒は他にもいるようで、物語序盤ではそれがトラブルの種になったことも。しかし、真帆本人はみのりを友人としてとても大事に思っており、彼女を傷つける者は放っておけません。
そんな真帆のことを、みのりも非常に信頼しています。

みのりと対立する三人組に煽られても、この余裕。メンタルクソ強である

そして中盤でいろいろあって(雑)、ずっとそばにいた幼なじみ・翼と結ばれることになります。翼を意識した瞬間の真帆はめちゃくちゃ可愛いですね
かつて自身が恋愛相談に乗っていたみのりに励まされ、立場逆転した構図も好きです。10年後を描いた恋愛EDでも、みのりとの友情は変わらず続いている上、翼と結婚し新しい家族も授かっています。(制作時間の都合で断念しましたが、大人になった姿も含め詳しく見たかった……) 末永くお幸せに!!!!!!!

CVは、エリザベートさんと兼役で、如月彩葉さんが演じてくださいました。

どの方にお声がけすべきか難航しており、如月彩葉さんのボイスサンプルを聴いていたら「真帆も似合いそう」と思い至り、思い切って兼役をお願いすることになりました。えっこのゲーム自体そもそも二役のキャストさんが多いって?wそうですね
↑のボイスサンプルを聴いたとき、明るく世話焼きな真帆のイメージに合いすぎており「もしや彩葉さんってエリザベートさんより真帆の方がハマり役だった?」と思いました。エリザベートさんと真帆はかなり雰囲気の違うキャラではありますが、みのりのことを大事に思っている点はふたりとも同じだと思います

坂本翼(CV:みそ汁さん)

その他プロフィール
年齢:16~17歳
学年:高2
誕生日:11月9日(さそり座)
身長:180cm
趣味:筋トレ
家族構成:両親、祖父母
好物:牛丼、焼きそば
特記事項:猫が大好き

小説版

みのりのもうひとりの親友で、真帆の幼なじみ。
みのりからは当初怖がられていましたが、打ち解けたあとは、異性ながらお互いの恋を応援し合う不思議な友情を築いています。
クールでストイックという設定のキャラだったものの、ゲーム化してみるとなんかこう……普通の好青年って感じで、あまりそんな雰囲気なくなってしまいました。これはこれでいいかもですが(笑)

初期の真帆と翼
楽しそう(本編には存在しないシーンです)

翼は、物心ついた頃から真帆に好意を持っているものの、関係が壊れるのを恐れて気持ちを伝えるかどうか躊躇している状態です。
その男らしい雰囲気に惹かれる女子も少なからずいます(実際えらく強気な1年女子が、みのりと真帆を挑発していましたね)が、本人は真帆に一途なため全く相手にしていません。
そんな彼の一番好きなことは、トレーニング。無心で身体を鍛えることが好きで、真帆には「筋トレマニア」と揶揄されることも。シナリオ中盤では、みのりに教えを請われ、彼女の特訓に全力で付き合います。

真帆や翼が登場するシーンは、さわやかで書いていて背中を押されるような気分にさせてくれるため、大好きでした。学生時代こんな友達ほしかったですね……なお尺(?)の都合上あまり描けませんでしたが、翼には男子の友達もちゃんといるんですよ!

過去に書いた番外編より引用

友情EDでは、晴れて結ばれた翼と真帆の様子を見ることができます。そこでも語られていますが、翼は幼少期、病気がちで、真帆に助けられることが多かったようです。「もっと強くなりたい」という思いで始めた筋トレに予想以上にハマってしまい、気づけば超健康優良児になっていた、という裏設定があります。翼もある意味、みのりと似た者同士だったんですね。

4年前に書いた番外編の一部が最高すぎたので……
なお続きはありません。なぜなら私が書いていないから

そんな翼くんは、実は企画初期には存在しておらず、かなりあとになって生まれたキャラなんです。なかなか執筆が先に進まなくて「男子の友だちキャラがひとりいたらどうだろう」と考えたところ、軌道に乗ってきた思い出があります。彼がいなければきっとこの物語は成立しなかったであろう、大切な人物ですね……今では。
余談&意図したわけではないですが、彼はゲーム中、なぜか一度も真帆の名前を呼んでいません。おっかしーなー。みのりの名前は何度も呼んでいるのに……

翼を演じてくださったのは、みそ汁さんです。

前作をプレイしてくれた方にはピンとくるかもしれません。そうです、みそ汁さんは前作キミまで700kmにて薫の声もあててくださっています。

今回は高校生キャラということもあり、社会人の薫とはまた違ったフレッシュな好青年感を表現してくださいました!!

みのりの兄(CV:神宮泰知さん)

その他プロフィール
年齢:19~20歳
学年:大学2年
誕生日:1月30日(やぎ座)
身長:174cm
趣味:美術館・博物館めぐり
家族構成:両親、妹、祖父
好物:チキン南蛮
特記事項:海外文学オタク(みのり曰く)

みのりの実兄。非常に温厚で心優しい好人物。
妹であるみのりを常に気にかけており、ロダンの面倒もよく見ています。実際にはロダンの方が年上なんですけど   決して登場回数は多くないものの、みのりに「なりたい自分」について考えるきっかけを与えた人物ですね。
本名は「早川大地」といいますが、関わることの多いみのりには「お兄ちゃん」と呼ばれているため、あまり本名をお出しできませんでした……

「良い子」と言われ続け、理想的な優等生だったみのりの兄。妹には「完璧な兄」と思われ劣等感を持たれていますが、彼には彼なりの悩みがありました。「本当にこれでいいのか」と思うところがあったのかもしれませんね。
みのりの兄の夢は結局何だったのかについては、はっきり考えてはいません。身も蓋もないことを言ってしまえば、みのりにきっかけを与えるということが大事で、それ自体がシナリオ上重要な意味を持っているわけではないので。でも、芸術的なものが好きという設定は考えていたので、もしかするとその関係かもしれません。
10年後を描いた恋愛EDでは、直接登場はしないものの、夢を叶えたことが語られています。

実際に存在するフェリーのりばです。
松山に行った……のかは定かではありませんが、
ここの雰囲気が好きで(後編で解説)、背景に取り入れました。

みのりの兄を演じてくださったのは、神宮泰知さんです。

神宮さんを知ったのは、私の好きなゲーム「北限のアルバ~春の章~」にご出演されていたのがきっかけでした。

春の章のメイン攻略対象隼人さんがとても好きなのですが、同時に神宮さんの声自体もすごくいいなと感じ「ぜひうちのゲームにも出演いただきたい、みのりの兄とかなら絶対合ってる!!」と考えたのが、お声がけするきっかけでした。そしてその判断は正しかったと思っています。登場場面が少ないのが本当に残念なのですが、イメージ通りの優しいお兄ちゃんを表現してくださいました!!

七瀬翔太

その他プロフィール
年齢:16~17歳
学年:高2
誕生日:7月31日(しし座)
身長:178cm
趣味:何だろう、わからない(笑)
家族構成:両親
好物:カツカレー
特記事項:東京都港区出身。テニス部

小説版

東京からのイケメン転校生というベッタベタな設定を引っ下げて登場した、みのりの初恋の人です。女子からは大人気ですが、ロダン曰く「誰にでも調子よさそう」、翼からも「軽薄そうで好感が持てない」と同性である男子には辛口評価を受けています(笑)
みのりの失恋が確定して以降は、シナリオの本筋から退場するものの、その後思わぬ形で再登場することに……

翔太は、本当にキャラがブレまくりました。最初はもっと素朴で可愛い、普通にその辺にいそうな男子だったんです。その後なぜか気難しそうな男子になり、最終的には「実らない初恋の象徴的なキャラだし、テンプレ的王子様男子にしよう!」という結論に至り、こうなりました。

自分で書いといて何だけど、お約束すぎる!
ちなみにみのりが読みたがってた「あしたのごはん」の元ネタは
N○Kの超ご長寿お料理番組です。
2021年にむかいかわずさんが描いてくれたコミック。
みのりの衝撃が伝わりますね……

このゲームの登場人物のほとんどは、人間味があり共感できるキャラだと思うのですが(ロダンは厳密には人じゃないにしても)、ゲーム化してみて思いました。「翔太って何か、ひとりだけ別の世界に生きてるような、出演するゲームを間違えたような感じがするな」と。(制作者だけ?)この異質な感じはいったいどこから来ているのでしょうか。叶うなら、翔太にももう少し人間味を持たせたかったかもしれません……

ほのかとは誤解などが原因で一度破局してしまいますが、最終的には復縁します。実は、翔太やほのかは一度退場したあとは、登場しない予定でした。しかし、むかいかわずさんに「それではあんまりなので、もう一度よりを戻し、みのりはそれを心から喜べるようになったとかは?」と提案を受け「それ、いいな!!!」と思ったので採用しました。確かに、さわやかな幕引きになったと思います。

ここから本筋には全く関係ないお蔵入り裏話です。

①最初は沼らせダメ男だった・・・
はっきりとは描きませんでしたが、翔太は自分に魅力があることをよく理解していて、みのりからの好意にもおそらく気づいていたと思います。でも単純に、ほのかの方がタイプだったのでしょう。悲しい現実
途中まで浮かんでいた没プロットは「みのりが、翔太と別れて泣いているほのかを目撃し、話を聞いて仲良くなる→ひとりになった翔太、最近魅力的になったみのりに目をつけ、アプローチするも、ほのかの涙を見ているだけにがっかりしたみのりは、翔太に啖呵を切り……」というものでした。

こんな雰囲気のシナリオを考えていました。
これは生々しすぎて、さすがにここまでではないですが……

ただ「これ、誰得? 仮にも児童書風を標榜しているんだから」と考え、お蔵入りにしました。それでよかったと思います。

上記のエピソードをマイルドに書き換え、こうなりました。

②出身地の話
これは、正直広島出身の人にしか通じないネタだと思いますが、翔太が転校してきたときのあいさつで「東京の府中市から来ました。広島には府中という街が2つもあって、親しみを感じています」というのを考えていました。でも「何人に通じるんやこれ!」と思い、やめました
よくわからない方は、むかいかわずさんの描いたこちらを読んでみてください笑

何かちょっとかわいそうなことしか書いてない気もしますが、ある意味翔太がいないとこの物語は始まりませんでしたので、重要キャラには違いないです。欲を言えば、後述のほのかやカーバンクル姉妹にもいえることですが、ボイスをつけてみたかった……諸事情で断念しました。

伊藤ほのか

その他プロフィール
年齢:16~17歳
学年:高2
誕生日:9月1日(おとめ座)
身長:155cm
趣味:バレエ(やる方も、見る方も)
家族構成:両親、妹
好物:チーズケーキ
特記事項:父は市議会議員

小説版

翔太の交際相手であり、みのりにとっては恋敵のキャラです。実際には、みのりには出る幕もなかったので、恋敵ですらないかもしれません
可憐な容姿で学園のアイドル的ポジションではあるものの、本人はそれを鼻にかけたりもしないめちゃくちゃいい子であり、何なら努力家のみのりに好感を持ち「どんな子なんだろう?」と思ってすらいます。そのためみのりもほのかに態度を悪くはできず、2章の序盤で「もうちょっと嫌な子だったら、まだ……(よかったのに)」と複雑な本音を吐露していますね。

このふたりの絡みをもっと見てみたかった

物語が進んでもみのりへの対応は変わらず、球技大会直前で本番を恐れるみのりに「毎日練習を頑張っているのを見ていた」と、彼女を鼓舞する発言をしています。友情EDでは、失踪していたみのりを心配する発言も……
みのりとも気が合わないことはないだろうし、本編後友だちになれる可能性は大いにあるんじゃないかな、と思っています。

ちなみにむかいかわずさんは、ほのかをこう呼んでいます。まあ名前は同じだけど!w

ソフィーとエルフリーデ

その他プロフィール
年齢:10代半ば~後半くらい
学年:魔法アカデミー3年生
誕生日:5月29日(ふたご座)
身長:ふたりとも120cm(種族的に背が低い)
趣味:カフェテラスでおしゃべりすること
家族構成:両親、姉(妹)
好物:クッキー

小説版。童話にいそうで可愛い
ゲーム版の方が頭身高めですね。

「せっかくファンタジー世界なんだから、それっぽい種族のキャラがもっと必要だろう、しかも双子だったら最高」と思い、生まれた子たちです。

カーバンクル、ゲーム作品ではこんな小動物っぽい子をよく見かけますよね。この作品でも最初はその予定だったはずが、いつのまにかケモ耳少女になっていました。希少な種族というイメージが大きく、その辺にゴロゴロいるようなことはないだろうと思っていて 最初はカーバンクルの最後の生き残りとしてちょっとシリアスな設定も考えていたんです。結局活用しきれませんでしたが……

後編で解説しますが、私のイメージするおとぎの国の源流はドイツにあると思っていて、カペラ王国にはドイツ語風の名前の人物が多いです(全員ではない)。なのでこのふたりもその路線で名付けたつもりが、「エルフリーデはともかく、ソフィーはフランス語では?」と最近気がつきました……

ソフィーとエルフリーデは、もちろんむかいかわずさんがそのように描いてくれたのも大きいですが、とにかく可愛いし良い子たち。制作中の癒しでした。

みのりに同意しかないシーン
(ちらっと見える前歯が可愛い)

登場すると雰囲気が明るくなり、ふたりがいるシーンは私も書いていて楽しかったです。本編には書ききれませんでしたが、入学したばかりの頃困っているところをロダンに助けてもらい、それ以降勉強などもよく教えてもらっていたため、ふたりはロダンのことを先輩として非常に慕っています。
BADED2ではみのりの友人にもなり、良好な関係を築いているようです……

「ソフィーとエルフリーデが好き!」という方は、ぜひ、カペラ王国にフォーカスしたこちらの番外編を読んでみてください。ゲーム化する前に書いたものなので、ゲーム版の設定とは若干差異があるかもしれませんが、たくさん登場しています!

みのりの祖父(CV:みそ汁さん)

その他プロフィール
年齢:?歳(1953年生まれくらいをイメージ)
誕生日:考えてなかったことに今気づいた
身長:176cm
趣味:野球を観ること、昔のレコード収集
家族構成:妻(故人)、娘、息子、孫
好物:お好み焼き、みのりの作った卵焼き
特記事項:実の両親を知らず、施設で育った。予知能力がある

みのりの大好きなおじいちゃんであり、この物語のネタバレ担当者のひとり(?)ですね。1章の冒頭で、印象的な回想とともに存在が語られるものの、本格的に登場するのは6章からです。
本名は「坂井宗一郎」というのですが、劇中におじいちゃんのことを名前で呼べるような人物がいないため(おばあちゃんは故人だし)、最後まで名前不詳のままですね……せめてこの設定資料集では表明しておきます! ちなみにこの作品の男性陣の下の名前は、カープの選手から拝借しています(在籍時期を問わず)

おじいちゃんは、いろんなものを背負っていますが、過去の苦しみを全く感じさせない明るさを持った人物で、私も好きです。しかし7章にて、アンナに子どもたちを託されるシーンの回想では「自分が戦う力を持たないせいで、愛する人を守れない」ことへの絶望と悲しみを吐露しています。
その孫(みのり)もまた、カペラ王国から来た存在とかけがえのない関係になり、やがて祖父とほぼ同じ言葉を口にするのですから……因果ですね
彼が登場するシーンを書く際は、器の大きさ、家族への深い愛情、優しさを表現するのに苦心した思い出があります。やっぱりプレイヤーさんに「みのりが慕ってやまないのも納得だ」と思ってもらいたいですからね。

また、みのり以外にロダンの言葉を理解できる唯一の人物でもあり、彼が自分の本心に気づくきっかけを作ってもいます。

最初からロダンがしゃべれることを見抜いており、あえて声をかけていますが
みのりにとって大事な存在なのもわかっているため、それ以上追及しません。
初めてロダンと直接会話できたことを喜ぶおじいちゃん。
ロダンには、不信感をあらわにされていますが
おじいちゃんには全く他意はありません……

エーテルハートが何かを知ったロダンが「みのりやその家族を守る」と決意し、その想いを表明。そしておじいちゃんがロダンの背中を押すシーンは、私もとても気に入っています。

そのあとの一緒に花火を見ているスチルですが、むかいかわずさんが描いてくれた最初の案を見て「みのりはおじいちゃんとロダンが話したことを知らないんだから、ここでのロダンは本来の姿でなく飼い猫モードの方がいいんじゃないの?」と私が発言したことがあります。(小説版の挿絵がそうだった) そうすると「ロダンとおじいちゃんは腹を割って話して打ち解けたのだから、ロダンがおじいちゃんに心を許している証として、本来の姿でいる方が絶対いい」と力説され、確かにそうだな。と思いました

呼び方が「じいちゃん」に変わっています。
EDによっては、ふたりは義理の祖父と孫に……
従弟のユースケの帽子とみのりが持ってるうちわ、広島感がすごいですね。
小説版の挿絵

おじいちゃん絡みで私が一番気に入っているシーン、それは5章でみのりが見ている昔の夢です。もちろんシナリオ的にも大事な場面なのですが、おじいちゃんが大好きな幼いみのり、そんな孫を大切に思うおじいちゃんに、ほろりとさせられます……私自身の祖父はふたりとも早くに亡くなったため、みのりとおじいちゃんの絡みを書いていると、憧れのような気持ちが常にありましたね。

また、キーアイテムとなるみのりの祖母の形見のペンダントがここにきて登場しますが、あとで気づいたのが「このペンダントは、妻の遺品なわけだから、おじいちゃんにとっても大切なものだった」ということ。そうしないと話が進まないとはいえ、最後の戦いが終わったあとに返した方がよかったかな……と思ってしまいました。

でもこれじゃ返しにくいよね……
ちなみに5章での回想(夢)は……
7章の真相シーンと対になっています。
若い頃のおじいちゃん……めちゃくちゃ素敵ですね。
複雑な過去を明るく語るおじいちゃん……
(↓の番外編 #18より)

おじいちゃんやおばあちゃんの過去について気になる方は、番外編もありますので、よろしければどうぞ!


おじいちゃんを演じてくださったのは、みそ汁さん(翼と二役)です。

この作品は、一応舞台が広島ということもあり(詳しくは後編で)、最初はご当地もの要素を取り入れることを考えていました。
なので現代サイドの登場人物に広島弁をしゃべらせるつもりでいたのですが「これはそういう話じゃなくない?」とむかいかわずさんに突っ込まれ、確かに大変そうだなと思ったこともあってやめました。(その後広島にフォーカスした乙女ゲーを作りたくて生まれたのが、キミまで700kmだったりする)

その設定を唯一残したのが、おじいちゃんです。演じてくれたみそ汁さんが広島弁上手いのは、前作で薫役をお願いしたときによくわかっていたため「ゲーム版きまぐれシャノワールにボイス導入するなら、おじいちゃん役はみそ汁さんしかいないだろう」と思っていました。男子高生役も兼任してくれてるとはいえ、おじいちゃん役にしちゃってファンに怒られないかな?という気持ちも若干ありましたが

実際、収録済音声を聴いたときに「完璧すぎ!」とむかいかわずさんが絶賛しており(私もですが)、ボイスサンプルを聴いてくれた広島県民の方からも「一瞬、自分の親戚にいるかもと思った」というお声をいただきました(笑)
「いつも元気で若々しい感じの人物なので、おじいちゃん感は意識せず演じてくださって大丈夫です」とオーダーしたところ、私のイメージ通りのおじいちゃんがそこにいました!!

ロダンもこう言ってますしね

アンナ/みのりの祖母(CV:真白かなさん)

その他プロフィール
年齢:不明(まだ若いと思う)
誕生日:2月28日(うお座)
身長:163cm
家族構成:両親、夫、娘、息子
好物:プリンアラモード(みのりの祖父にごちそうしてもらった思い出がある)
特記事項:故郷に婚約者がいた

小説版。ゲーム版より可愛い寄りですね
同じ魔女のエリザベートさんとはまた違った魅力があります

みのりの亡くなった祖母で、カペラ王国の魔女。この物語最大のネタバレ人物であり、序章にて魔王と戦っていた勇者の末裔の娘、その人でもあります。なので、みのりは日本人とカペラ王国人(?)のクォーターということになりますね。

魔王やおじいちゃんにもいえることですが、実はアンナの存在が生まれたのは、企画が始まってかなり年月が経ってからでした。
なかなか「これ!」という真相が思いつかず悩んでいたところ「勇者一族と魔王の因縁の戦いを下敷きにし、一見全く関係なさそうな主人公(みのり)を勇者の末裔にすれば、壮大でドラマティックじゃないか?」という発想が生まれ、それをきっかけにどんどんイメージがふくらんでいった思い出があります。

劇中で語られているように、アンナは復活した魔王と戦いで命を落としてしまいますが、その魂は大切な人たちのそばに寄り添い続けており、7章の終盤では絶体絶命に追い込まれたみのりの前に姿を現します。
ここは私にとっても非常に印象深いシーンであり、ゲーム化の際は何度も見返してしまいました……BGMも私のこだわりで「アメージング・グレース」を選曲しています。

おじいちゃんが「そっくり」というだけあって、似ていますね。
もともと瞳の色はグリーンだったのですが、ロダンとかぶるよりは
みのりに寄せた方がいいのでは?という話になり、ブラウンにしました。

本編でははっきり書けなかったため、6章の最後に登場する、懺悔の手記について補足します。お察しの方もいらっしゃるとは思いますが、あの手記を書いたのは、かつてアンナが結婚の約束をしていた人物です。彼は魔王の襲撃に怯え、村(と、婚約者)を見捨てて逃げ出したのですが、ずっと悔恨を残しており、その思いを綴った手記が何百年も経ってエリザベートさんの目に触れることになりました。彼がそのあとどうなったのかは私も考えてません……ずっと後悔したまま一生を終えたのかもしれません。

そして禁断の魔法で、昭和中期頃の日本に逃れてきたアンナは、後のみのりの祖父になる人物と知り合うことになります。
婚約者の裏切りを経験していたアンナ。みのりの祖父にアプローチをされても、なかなか彼を信じることができませんでした。が、あきらめずに想いをぶつけ続ける彼の姿に、次第に心を動かされていきます。

仏壇に飾られている、おじいちゃんとおばあちゃんの結婚写真です。
残念ながらおじいちゃんが見切れてますね……

後にふたりの間にできた子どもたちはもちろん、みのりの母と叔父です。あまり掘り下げられなかったのですが、アンナが亡くなったあと、いったい一家はどんな思いでやってきたのでしょうか。みのりの母は立ち絵もないですしどうしても印象に残りにくい人物ですが、きっといろんなものを抱えて生きてきたんだろうなと思います。
(9章の病室のシーンで、みのりの母が涙ながらに"母さんのときみたいにみのりが死んじゃったら……"と言いますが、本心を吐き出す場面も必要だろう。と思い、この台詞を入れました)

10年後を描いた恋愛EDでは、幻としておじいちゃんの前に一瞬現れますが、ゲーム版ではふたりの再会シーンをどうしても描きたかったので、それが叶ってうれしく思っています。

ネタバレ人物につきボイスサンプルはありませんが、慈悲と愛情にあふれ、魂だけになっても家族のそばに寄り添い続けるアンナを演じてくださったのは、真白かなさんです。
「みのりはおばあちゃんに生き写し」という設定があったため、ボイスキャストさんも真白かなさんの二役になったのですが、納品いただいたボイスを合わせてみて「こんなにおばあちゃんにそっくりなら、そりゃおじいちゃんもみのりのことを可愛がるだろうな」「自分たちを守って命を落とした妻にどんどん似ていく孫娘を、おじいちゃんはどんな思いで見ているのだろう……」と思いました……

魔王チェーザレ/青年(CV:神宮泰知さん)

ラスボス。カペラ王国の伝承に残る、勇者と戦って倒された魔王です。
お約束だけど、ワクワクする設定ですね
名前はボルジア家のチェーザレ・ボルジアから拝借しましたが、例によって特に設定につながりがあるわけではありません……

実際には倒されたわけではなく、勇者が持っていた封印用アイテム・エーテルハートに封印されただけというのが真相でした。しかし自分を封印した勇者一族へのすさまじい執念で、何度も何度も蘇り、そのたびに勇者の末裔に封印されるといういたちごっこが何百年も続いていました。そのうちエーテルハートと完全に同化してしまい、劇中においてはエーテルハートとともにみのりの中で眠っているという設定になっています。サラッと語られてますがなかなかゾッとしますね

ちょっと!! あやしすぎるって!!!(笑)
上手い話には、裏があるということで……

エーテルハートはもともと、本当に願いを叶えてくれるアイテムを想定していた(こんなおそろしい正体は考えてなかった)ため、設定が変わった今「こんな可愛い名前を引き続き使って大丈夫かな?」とも思ったのですが、今更変えてもしっくりこないと思い、結局名前はそのままにしました。

こんな案もありました。
2章の最後では、本体はまだみのりの中にいたため、
遠隔?で幻を見せてます。私にも原理はよくわかりません……笑
自分で作っておいてツッコミたくなったシーンです。
ラスボス相手に「あのときの幽霊」と微妙にズレた表現をするみのりもですが、
魔王も復活できて気が大きくなってるのか、あまり気にしてないのがなんかシュールで……

物語上では青年の姿で登場しますが、真の姿は……

魔王チェーザレ/少年(CV:如月燎椰さん)

Xや公開前のnoteではネタバレ防止のために「謎の少年」としか表現できなかったのですが……実は魔王の正体でした!!!!笑

あの河原のシーンで「冒頭の魔王の真の姿じゃないの?」とすぐにピンときたプレイヤーさんもいれば、ラスボス戦でこの姿に戻ったときに「そういえば似てるのに気づかなかった!」というプレイヤーさんもいて、見ていて制作者は楽しかったです。笑

魔王、いやチェーザレは、由緒正しい魔法使いの名家に生まれたのですが、いくつになっても魔法の力が発現せず、悲しい思いをしていました。
真の姿でロダンにした発言「魔力を持たない魔法使いなんて、誰からも認めてもらえない」は、このことを指しています。

それでも「魔法が使えなくたって、あなた自身が尊く価値あることに変わりはない」という扱いを受けていれば、こうはならなかったのでしょうが……残念ながら血筋や力を重要視する一族たちにより「魔法が使えないなら、後天的に植え付けるだけ」と、魔改造(?)をされます。
それが人道に反する行為なのは明白ですし、大人たちの都合に翻弄されたチェーザレはきっと、痛くて苦しい思いをしたでしょう。

最終的に、チェーザレは求めていた力(それも他の魔法使いとは比べものにならない)を手に入れますが、禁忌の代償か魔力が暴走し、故郷の一族を皆殺しに。いつしか心が壊れてしまったチェーザレは、やがて魔王になり……という裏設定があります。そのため、ある意味被害者ではあると思います。だからといって罪もない人たちをひどい目に遭わせていい理由にはなりませんが……

いわゆる悪役を描くのは初めてで「人気のある悪役は、どういったところが魅力的なのか」というのをずっと考えており、ただ思いついたのがゼルダの伝説のガノンドロフだけだったため、ガノンドロフについて調べまくった思い出があります。でも結果得られたのは「ガノン様かっこいい」という結論だけでした(?) 圧倒的カリスマ性は感じますね……

こういった悪役は好きですね

原案では、最後に不死鳥に浄化され、チェーザレは退場しました。が、年月が経過し「どうにか魔王を救済できないだろうか?」と考えた結果……

恋愛EDで大人になったみのりの前に現れた少年。
ロダンのことで思い悩むみのりに助言します
ちなみにこの河川敷は、あの河原と同じ川だと思います

演じてくださったのは、神宮泰知さん(青年)/如月燎椰さん(少年)です。
神宮さんは、役柄がかなりかけ離れていますが、みのりの兄と二役です。私がプレイヤーだったら、魔王が復活したときに「お兄ちゃん闇堕ちした!?」って一瞬思っちゃうかも……(笑)
神宮さんを知ったきっかけは上述の北限のアルバ~春の章~ですが、そのだいぶ前にプレイしたよあけまえのキミへでは悪役だったということを知って「えっ!? 同じ人!?」と驚いた思い出があります……

魔王(青年)はゲーム化にあたってキャラデザをだいぶリファインしており(原案は結構怖かったw)、中性的かつ貴族的なイメージが強くなったため、悪そうながらも気品ある雰囲気で演じていただき、大満足でした!

また、魔王(少年)を演じてくださった如月燎椰さん。私にとってはゲ制の偉大な先輩ですが、声の活動もされていらっしゃいます。

信じられないボリューム

いつかXで、ボイス依頼のお話をしていたときに、「ちょっと待って!? 如月燎椰さんって魔王の真の姿にぴったりじゃない!?」と思ったのがきっかけで、お声がけすることになりました。というのも、以前プレイしたノベコレのゲームですばらしいショタキャラを演じられていたからです。

如月燎椰さんがメインでご出演されているため、こちらを載せましたが
本編からのプレイをおすすめします!!

予想通り、可愛くも闇を抱えた少年魔王を丁寧に演じていただきました!!
如月燎椰さんは、ご出演されたゲームにおけるクリア後フリートークのファンサービスに定評がある(と思ってる)ので、私のゲームでも聴けたのがめちゃくちゃうれしかったです!!  上述のように、ゲーム版では魔王への救済もできたので、そのこともあいまって感激でした……!!

みのりの両親

あまり語れることがない……! でも、優しいお父さんとお母さんだと思います。みのりの母については、「自分が父(みのりの祖父)や弟(みのりの叔父)を支えよう」ときっといろんな苦労をしてきたでしょうし、その辺りをもっと掘り下げてみたいなという気はします
ゲーム版では立ち絵はありませんが、小説版ではこんな感じでした!

お兄ちゃんが家を出ることを打ち明けるシーン

マナミ・ユカ・リコ

みのりと対立する、同級生女子3人組ですね。このゲームのセンシティブ部分を大幅に担っている3名ですが、彼女たちが登場するシーンの受け止め方って、人によってかなり違うと思うんです。

真帆にも謝罪しています

私なりの答えはああなりましたが、もちろん「みのりは許しても、私は絶対許さん!」というプレイヤーさんもいらっしゃるでしょう。実際そのような感想をくださった方もいました。そういった受け止め方も決して間違ってはいなくて、あなたが感じたことが正解であるということは言いたいと思います。

愛ちゃんと里奈ちゃん(みのりの友人のモブ)

愛ちゃんは5章の終盤から登場するみのりの新しい友人で、里奈ちゃんは7章の中庭のシーンにて、みのりと一緒に話している子ですね。

勇気を出して、みのりに話しかけたようです

実は、愛ちゃんに関しては、もともとビジュアルもきちんと設定されていて、正式なサブキャラとして、もっと出番があるはずの子でした。

かわいい

お借りしました

一応ゲーム中の地の文では「真帆とは違った意味で気持ちを共有できる友達」と語られており、この設定通りに登場自体はしています。
当初の予定では、もっとシナリオに絡んでくるキャラの予定でした。でも、本筋のテンポを損なわず、なおかつ活躍させるというのが難しく、せっかくむかいかわずさんに描いてもらった(しかも結構気に入ってくれてるようだった)のに私の力不足でモブに降格してしまったという、不遇なキャラです。

今も立ち絵があったらどんな感じだったかな……
小説版執筆時、7章の最後にみのりが「ロダンを絶対に助ける」と決意したあと
場面が飛んで、このようなエピソードを入れる予定でした。
愛ちゃんはここにも登場しています。
が、むかいかわずさんから「これを入れると本筋のテンポが損なわれる気がする」と
いう意見があり、確かにそうだなと思ってお蔵入りにしました……

先日、以前作った相関図を見ていて「あのときは、愛ちゃんに悪いことしたな」と改めて思ったので、せめてこのような形で残しておきます……

その相関図。Nolaさんで作りました。今とは結構違いますね。
この頃のチェーザレのキャラデザが、ホラーゲームにいそうな感じだったので
ゲーム版ではマイルドに調整してもらいました……

みのりの叔父夫婦と従弟

みのりの母の弟と、その妻、その息子の3人家族。夏休みの間みのり(と、ロダン)を温かく迎えてくれます。実は「猫(本物)を飼っていて、その子とロダンはしゃべれて、それがきっかけで新しい伏線が……」というのも考えていたのですが、没になりました……

キルフェゴール(闇の番人)

かっこいい!!
立ち絵は七三ゆきさんからお借りしました。

ロダンが召喚した、冥府の主である魔人です。(実は私もふわっとしたことしか考えていない)  その外見からみのりからは「ラスボス」「破壊神」呼ばわりされていますが、本人(?)はとても穏やかな性格なんですよ。実はw

名前の由来は、何となく浮かんだものを採用したら、実在の哲学者と悪魔が混ざったような感じになってしまったのですがそのふたりとは関係ありません!! ロダンとは気心知れた仲のようで、彼の真意を一瞬で察したり、「本来関わるはずのない世界に干渉しすぎるな」と意味深長な忠告をしていますね。8章で魔王の復活を感知し、アカデミーの校長に危機を知らせたりもしています。

そんなキルフェゴールさん、原案では「闇の巨人」という肩書であり、言葉も発しませんでした。完全に力を取り戻す前の魔王を退けるという役割は同じものの、身体が大きすぎて手しか見えないという設定でした。

こっちも好きです。

ただ「ゲーム版では、ちゃんと自我を持ったキャラにした方が映えるだろうな」と思い、設定をブラッシュアップしてもはや別キャラになりました……結果的に親しみの持てるサブキャラになり、気に入っています!

魔法アカデミーの人々

前述のソフィー・エルフリーデ以外にも、魔法アカデミーには個性豊かな先生、生徒、関係者がいます!! そのほとんどは、かなり前に書いた番外編のオリジナルキャラなのですが、今回のゲーム化にあたり、せっかくなのでサブキャラとして逆輸入することにしました。

ライオンの双子のガーゴイル。いわゆる門番さんです。
使命を大切にする兄、べリウスと……
明るくて軽い弟、ユリウス。
双子ながら性格は正反対ですが、このアカデミーのことを
大切に思っているのは、ふたりとも同じです。
番外編ではこんな感じで登場します。
ドラゴンの校長。
もっと登場させたかった……
ロダンが投げやりすぎるw

ときどき登場する、ソフィーとエルフリーデの友人である明るい関西弁男子サディーク毒舌少女ミッシェルも、ロダンのことを慕う後輩たちです。サディークが関西弁なのは実は、「ずっと広島弁の台詞ばかり書いていたので、今度は自分がわかる方言の台詞を書きたい」という理由からでした。(私は和歌山県民です)
ふたりとも良いキャラで、もっと活躍を見たいと思いました……

ゲーム版では容姿の説明を入れられなかったのですが
番外編ではこのような設定でした。

エリザベートさんと仲のいい同僚であるマイペース吸血鬼(?)カスパール先生自称エリザベートさんの好敵手マルグレーテ先生も気に入っています。

特にマルグレーテ先生の「学生時代、エリザベートさんと首席争いをし最終的に敗北したことを未だに根に持っているが、あくまで一方的にそう思っているだけであり、エリザベートさんの方には争った認識はない」「しかし何だかんだで仲が良く、あだ名で呼び合っている」という設定が好きで、もっと生かしたいと常々考えています(笑)
本当は彼らの立ち絵も見てみたかったのですが、イラスト担当さんの負担を考えて断念しました……

ロダンの両親

実は、原案である小説版では、ロダンの両親がなぜ亡くなったかは「不幸な事故」としか言及していませんでした。身も蓋もないことをいうと「ロダンの両親が故人である」という事実がシナリオの展開上必要だったからであって、経緯そのものはなくてもよかったんです。考えるのは大変! というのもありましたしね……正直

ただ、小説版完結から数年が過ぎ、だんだん「今なら、投げっぱなしにしていたロダンの両親の死にちゃんと向き合えるんじゃないか?そしてそれがうまくいけば、作品としてのクオリティがもっと上がるのでは?」と思うようになりました。

ではその真相とは何なのか? 実は以前から「素直に読めば、ロダンの両親は、魔法協会に消されたとしか思えない。協会の職員は、自分たちの罪がバレることを恐れていて、ロダンに冷たい態度をとっているのでは?」とぼんやり思っていました。
5章でロダンの打ち明け話を聞いたあと、みのりが「失った仲間の息子なら、優しくするのが道理」という意味のことを言っていますが……まだ若く純真なみのりは、そう受け止めたのでしょうね。

真相はプレイヤーさんがゲームでごらんになった通り、魔法協会側による過失致死でした。それだけでは飽き足らず、ふたりの遺体を守護魔法の原動力(死者への冒涜ですね……)にするという、平和な作風が得意な私にしては胸糞系のオチになってしまいました。
ただエリザベートさんを加担させることだけはどうしても避けたくて、彼女が魔法協会の上層部に入ったのはロダンの両親が亡くなったあとという設定にしました。

が、これで終わるのは後味がよくない!この物語はファンタジーですから、割と何でもアリです。ならばせめて、最後にロダンを両親と再会させてあげよう! と決めました。
この流れはイラスト担当のむかいかわずさんにも「あんな場面小説版にあったっけ!?すごくよかった!!」と好評でしたし、私も気に入っています。一番好きなのは、ロダンの母の台詞「生きてさえいれば、その子(みのりのこと)には、きっと会える」です。

原案ではその後、ロダンは「悪しき者に自ら近づき、王国を破壊した」という理由で、カペラ王国を追われてしまいます。しかし「魔法協会のとんでもない悪行が明らかになってこの展開はありえないな!!!」と考え、ゲーム版では、ロダンに一度下された追放処分命令は撤回されることになりました。でも、ずっとロダンが考えているのは、みのりのこと。それを感じ取ったエリザベートさんは、かつてロダンとした約束「仕事上のパートナーになる」を破棄。彼の心からの願いを聞こうとします。

そして、ロダンが願ったのは……

その他カペラ王国の人々

ノエル王子は、いかにも重要キャラ感が漂っていますが、残念ながらあまりお出しできませんでした……その後正式に国王になった姿とか見てみたかったですね。

他に印象深いのは、ロダンと不仲だった、慈善学校時代の同級生グレアムとトビアスです。悪堕ちしたロダンに一方的な恨みをぶつけたところ石にされてしまいますが、ハッピーエンド確定後には「本当はロダンのことがうらやましかった」と謝罪したり、BADED2でもロダンの墓標に花を手向けたりと、根っからの悪人ではないことが窺えます。なおこのふたりも番外編に出演しており、みのりに対してはとても好意的な様子が描かれています

これだけ見ると、ただの気のいい兄ちゃんたちですね……
めちゃくちゃ可愛いモブキャラ

前編のおわりに

まさかこんなに長くなるとは思いませんでした。
ここまで、全ての項目にお付き合いくださった方がいたら、私の特大の愛をお届けしたいです
後編では各EDの解説や、舞台について、その他こまごました裏話をお送りする予定です!!

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