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nekonosara
恋のまなざし
人が恋をした瞬間を目撃したことがある。
それは突然やってくる。そばにパートナーがいようとも、恋をするときはする。周りの目など一切忘れてしまい、運命の相手に全神経を注いでいるのが伝わる。不可抗力なのだ。
恋の相手に向けるまなざしは、目が眩むほど光が強い。愛のまなざしは穏やかに包み込むエネルギーだけれど、恋のまなざしは直線的なエネルギーを感じる。それは「本当の自分」に戻るためのサーチライトだから。
人は、本当の自分に戻るまでの道のりで恋をする。
地球に生まれた瞬間は本当の自分だけれど、この重たい地球で生き抜くために、成長の過程で様々な固定観念や罪悪感、自己否定などを身にまとい、本当の自分からどんどん遠ざかってゆく。
その激重で分厚い層を少しずつ剥がして、ど真ん中(0層)の本当の自分にたどり着くために恋をする。たとえば自分が3層にいたら、恋の相手も同じく3層にいることが多い。
恋をすると、自分では気づかなかった自分の一面を知ることができる。「私ってこんな人だったの?」と驚く。好きなことや大切にしたいことが見つかったりもする。自分の中のどろどろとした感情にも、否が応でも向き合うことになる。全部、本当の自分に戻る道しるべになる。
恋は旅であり学びだから、その恋の目的地に着いて学びが終わるとお別れすることになる(ただし、学びから目を背けると、また同じような相手と恋をするけれど)。
失恋は悲しいと思うけれど、次のステージでは、あなたの魂にもっと近い相手と出会えるから、大丈夫。もし相手に去られてしまったとしたら、それはあなたが本当の自分に近づいている証だよ。あなたがダメだからではない。「おめでとう、私! また前進してすごいね!」と褒めてあげてね。