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私とミュージックケア~ミュージックケアとの出会いと今までの活動~

今回は、私がミュージックケアを始めるまでのこと、始めてから今日までの出来事や思いを書こうと思います。

今回のお話*****************************

■音楽がコンプレックス

■特別支援学校での音楽と、初めての子育て

■ミュージックケア研修での衝撃

■ミュージックケアがやりたい!

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■音楽がコンプレックス

年中からピアノを始め、大学で声楽に出会いました。とにかく不器用な私。とにかく譜読みに時間がかかる。なかなか上達しない。楽しむよりなにより、ピアノにも歌にも自信がありませんでした。

大学を卒業してからは、仲間とオペラのグループを結成して歌を続けていました。仕事との両立は大変でしたが、歌を続けていたのは、仲間や先生に恵まれたのと、自信はないけどやっぱり音楽が好きだったんだと思います。でも、「私みたいな実力で、人前で歌っていいのかな」「こんな練習量でいいのかな」と、いつも考えていました。いつの間にか、音楽がコンプレックスになっていた気がします。

■特別支援学校での音楽と、初めての子育て

大学卒業後、3年間の会社員を経て、夢だった特別支援学校の教員になりました。生徒たちを前にいざ音楽の授業をしたとき、何もできない自分に愕然としました。ピアノを即興で弾きながら何かできるわけでもなく、生徒たちを夢中にできる楽しい歌を知っているわけでもない。面白い楽器を持っているわけでもなければ、踊れるわけでもない。周りの先生方はいろんな特技をもっていて、生徒たちを笑顔にしている。私も何か技が欲しい、何か身につけなくては、と焦りました。そんな時、一緒に授業に入っていた先生が教えてくださったのが「ミュージックケア」でした。私も勉強したい!と思いました。

結婚し、かわいい男の子に恵まれ、落ち着いたらミュージックケアの研修を受けよう、と決めていました。しかしその前に・・・子育てに大苦戦。一秒たりともじっとしていられない長男。子育てサークルの音楽遊びに連れて行っても、先生の「丸くなって座りましょうねー」を完全無視。とにかく走り回り、部屋から出ていく長男。結果、息子と外にいる私。「なんでうちの子はできないんだろう」「せっかく来たのに」正直へとへとでした。それでも長男が2歳の時、ミュージックケア初級研修を受けに行くことができました。子守をしてくれた家族には、本当に感謝しています。

初級研修を受けて、私の中に大きな衝撃が2つありました。

1つ目は、「音楽を心から楽しめたこと」。ミュージックケアがめちゃくちゃ楽しかったんです。うまくやろうとか、間違えないようにしようとか、そういったことより、とにかく楽しかった。あっという間にミュージックケアにハマりました。

2つ目は、「無理にさせない、したくなるまで待つ」。参加される方の気持ちを大切にする考え方と、自分の子育ての苦しいと感じている部分がフィットして、すごく救われました。「これなら息子と楽しめる!同じつらさを抱えているママたちにも伝えたい」すぐやりたい!と思いました。

■ミュージックケアがやりたい!

研修後、所属していた子育てグループでミュージックケアを始めました。先生がお休みの時、クリスマス会の時、機会があれば「やらせて!」を手をあげて、実践させてもらいました。100均やインターネットで楽器を集め、フラップバルーンは布を買ってきて、祖母に手伝ってもらい自作しました。息子は相変わらず走り回っていましたが、全く気にならなくなりました。よく見ていると、やりたい曲になると一緒に楽器を鳴らし、家に帰ってからミュージックケアの曲を口ずさんでいる。「無理にさせない、したくなるまで待つ」「見ているだけ、聴いているだけでOK。そこにいることが参加」と研修で教わった通り、息子は走りながら見ている、聴いている。自分のペースで参加している。研修で学んだことが自分の中にストンと入りました。

もっとミュージックケアがやりたい私は、次男出産後、月一回ミュージックケアのイベントを企画するようになりました。

次男をおんぶして、お友達を集めてミュージックケアをしました。毎回20組近い親子が集まってくれ、走り回って、楽器を鳴らして楽しみました。そうしているうちに、子育て支援センターや社会福祉協議会から声をかけていただくようになり、ありがたいことに依頼を受けてミュージックケアをするようになりました。

仕事復帰してからは、兼職兼業を申請してミュージックケアをしました。

実践の回数は減りましたが、仕事をしながらでも大好きなミュージックケアができる。ミュージックケアをしてほしいと言っていただける。すごくうれしかったです。

2020年~コロナウイルスの流行。依頼していただいていたイベントはすべて中止。みんなで集まって楽しむミュージックケアを実践することが難しくなりました。でも、せっかく続けてきたミュージックケアをやめたくない、そう思いました。

何かできないかと考えた結果、わが子や従妹たちとミュージックケアをすることにしました。休日に実家に帰ってきた従妹たちとのミュージックケア。少人数でも、家のリビングでも、ミュージックケアは楽しめます。

コロナ渦でしたが、ありがたいことに、子育て支援センターからイベントのお話をいただいていました。3か月後ならできますかね、もう少し先なら大丈夫ですかね、そう話しながら調整しても、結局中止になる。その繰り返し。このまま待ってもだめだな。やり方を変えようと思いました。

2021年9月 オンラインミュージックケアを始めました。zoomでみんなとつながって、画面の向こうの親子とミュージックケアを楽しむ。みんなで集まって、走り回って、家にはない楽しい楽器を鳴らして楽しむ。そんなミュージックケアはオンラインではできません。でもとにかくやってみようと思いました。

9月から初めて12月まで、10回のオンラインミュージックケアを実践しました。毎回参加者からフィードバックをいただいて、少しずつですが進化したオンラインミュージックケア。

オンラインではできないこともありますが、オンラインでもできることはたくさんありました。コロナ感染の不安なくできました。産後間もないママが赤ちゃんとお姉ちゃんと参加してくれました。家にある楽器を持ち寄って、時にはお皿やしゃもじを楽器にして楽しむことができました。パパやおじいちゃんも参加してくれました。遠く離れた、県外のお友達とも楽しむことができました。家から出ることが難しい、障がいのあるお子さんも参加できました。

たった10回ですが、たくさんの方とつながり、たくさんのお子さんの成長を感じることができました。オンラインでもミュージックケアは楽しめる。そう感じています。

とはいえ、オフラインでわいわいみんなと楽しみたい!というのが本音です。来年からは様子を見て、対策をしながらオフラインのイベントもやっていきたいと考えています。オンラインとオフライン、どっちがいいということはありません。どっちも楽しいから。参加しやすいほうに、参加したいほうに遊びに来てほしい。そう思っています。ぜひ、一緒にミュージックケアを楽しみましょう。

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