帝王切開入院記録〜手術当日〜
9時10分、ストレッチャーに乗って手術室へ行く。
眼鏡を外して付き添ってくれている看護師さんに渡すと、視界がぼやけて緊張が少し和らいだ。
手術室にて
手術室に入ると、リラックスした音楽が流れていた。
ベッドに寝ている状態で、沢山の人に囲まれながら血圧計、心電図、パルスオキシメーター、フットポンプなどが次々と装着される。
まず麻酔科の先生が来てくれて、麻酔をする。
今回は全身麻酔ではなく、下半身のみの麻酔。
できる限り丸まって横になる。
背中あたりに注射をされると、両足が少しずつピリピリしてきて、
冷たい飲み物を当てて感覚があるか確認されたけど、胸下あたりからはほとんど何も感じなくなっていた。
手術中の様子が私に見えないように、目の前には布が掛けられた。
あとは淡々と手術が行われる。
麻酔がしっかり効いていたので、痛みはほとんどなく、麻酔科の先生が
「今手術始まったからね」「順調に進んでいるからね」と言葉をかけてくれた。
お腹がちょっと引っ張られる感覚がすると共に、
「おぎゃ〜〜〜!」
という元気な声。
生まれた。
その瞬間、すごくホッとして涙が溢れてきた。
私のお腹はきっとパカっと開いた状態になっており、
子が生まれてからも手術はせわしなく行われていたようだけど、
そんなの関係なく涙が溢れてきた。
お医者さんや看護師さんが
「おめでとうございます!」「よかったね!」
と声をかけてくれたのがとても嬉しかった。
あっという間に手術、終了
麻酔やらなんやらで30分、子どもが生まれるまでは15分くらいだろうか。
生まれてからの母体の処置を入れても、2時間弱で手術は終了した。
前置胎盤だったので、大量の出血や他の臓器との癒着の心配をしていたが、
幸いにも出血はそれほど多くなく、
手術自体もとてもスムーズに終わったとのことだった。
よかった。
本当によかった。
よく、「心配ごとの9割は起こらない」というけれど、本当に起こらなくてよかった。
悪い想像ばかりして、不安になっていたから。
そして子どもが生まれた感動をかみしめながら、
帝王切開の本当の苦しみはこの後やってきた。
麻酔は徐々に切れてきて、
当日の夜は手術の傷の痛みと後陣痛との闘いになるのだった。