MFICUに入院して〜出産は命がけ
現在MFICUに入院している私。MFICU(母体胎児集中治療室)とは、妊娠から出産までに何らかのリスクを伴う妊婦、褥婦が入院する場所だ。
私は前置胎盤で入院しているが、他に重症妊娠高血圧症、糖尿病合併妊娠、双胎妊娠、胎児異常、切迫早産などのハイリスク出産の患者さんが入院するらしい。
私が入院しているMFICUはそれぞれの部屋が壁で仕切られており、入口はカーテンで目隠しされている。
個々のプライバシーは守られている中で、完全な個室ではなく、ナースステーションの中にベッドが並んでいるような状態だ。
お手洗いや洗面所は共同で、他の患者さんや、助産師さん、看護師さんのやりとりがすぐ近くで聞こえてくる。
入院して間もない頃、夜中の2時頃のこと。
私は夜中お手洗いで起きてしまったままなかなか寝つけず起きていた。
突然ナースステーションに電話が鳴り響く。
まだ妊娠27週の妊婦さんからの電話のようだ。
家にいて突然お腹が痛くなってしまったとのこと。急遽これから病院で診察を受けることになったらしい。
バタバタと助産師さん、看護師さんが集まってきて、
医者や病院の受付などに連絡をとり、これから来る妊婦さんの受け入れ準備をしている。
寝ている私たちを起こさぬよう静けさを保ちながらも、
せわしなく動く様子が伝わってくる。
このようなやりとりは珍しいことではなく、昼夜問わず救急搬送で運ばれてくる妊婦さんがいる。
もちろんMFICU内の患者さんが緊急で出産しなければいけないことも然り。
私が今まで知らなかった妊娠、出産の世界がここにあった。
妊娠は病気じゃないから、とよく言われるけれど、
人が産まれて来るということ、それはどれだけ医療が発達している現代においても、やはり特別で、それなりの危険も伴うということなんだと思う。
出産報告でよく使われる「お陰様で母子共に健康です」という言葉。
それがどれだけ有難いことなのか。
決して当たり前のことではない。
命の危険と隣り合わせになりながら、皆必死で我が子を産んでいるのだ。
数日後私も帝王切開で出産する予定だが、
大量の出血が予想されるし、胎盤が他の臓器に癒着している可能性だってゼロじゃない。
命に危険が及ぶ場合は子宮の摘出することもあると言われた。
心配すればキリがない。口には出さないが、正直怖い。
そんな中、昨日仲の良い友人から、
「子どもに会えるの楽しみだね!」
とメールが送られてきた。
はっとする。
そうだ、不安に怯えすぎて、大事なことを忘れかけていた。新しい家族がこれから産まれてくる。
とても楽しみで、幸せで、おめでたいことなのだ。
今お腹の中に赤ちゃんがいる妊婦さんみんな、どうか、母子共に健康に出産できますように。
きっと、大丈夫。一緒に頑張りましょう。
そう自分にもお腹の赤ちゃんにも言い聞かせて、
なんとか乗り越えたいと思う。
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