35.床暖房or無垢の床 床にまつわる木のハナシ vol.2
床材の打ち合わせでを「無垢の杉床を採用となると、床暖房は厳しい」と言われた我が家(前回のブログはコチラ)
今でこそ家づくりのことについて調べてるから分かるものの、全然木について深く考えたこともなかった私は当時「何で無垢床だと床暖が出来ないの!?床暖のフローリングって木の板じゃないの?」くらいに思ってました。
無垢材のフローリングで床暖房は出来るのか?
厳密にいうと、無垢材のフローリングで床暖房は出来ます。
床暖房と無垢フローリングは最強なのですが、お値段も最強クラスに跳ね上がるので、リヴさんでは勧められてないそうです。
前回のブログで無垢の床材の説明に書いたように、乾燥や熱により収縮や反り・割れなどが生じやすい特徴がある無垢の木材は、足元からじんわり温める=熱を加える仕組みの床暖房は木を痛める原因になり不向きなのです。
板の厚みも35㎜や熱処理をほどこしたフローリングなど、同じ無垢材でも安定した品質を保てる「床暖房専用に加工した板」が必要になってくるので、コストが上がってくるんじゃないかなと思います。
ブログを書くにあたり、板の構造について色々調べてたのですが、床暖対応の無垢床の施工だと、無垢の床、複合フローリング、どの位費用間に差がでるのか知りたいですね…
注文住宅といえど、できるだけ予算は抑えたいので床だけにこだわるわけにもいきません。
無垢で見た目や風合いにこだわるか、床暖房の機能性にこだわるか…
捨てがたい床暖房の魅力
でも床暖房も家づくり当初から絶対入れたいと思ってたのでかなり悩みました。というのも冬の室内の暖房、賃貸で住んでた頃から結構悩んでました。
賃貸で住んでいたときはエアコンとホットカーペットの生活をしていましたが、エアコンだけでは空気が乾燥するし、加湿器も必要。
またこの加湿器というのが我が家は嫌いで…。どうお手入れしても使う毎にカビ臭くなる匂いが逆に空気を汚してないか気になって、引越しの際に捨てました。
そんな時に床暖房を入れたお家に遊びに行ったことがあります。ポチッと壁のスイッチを入れるだけで、足下からじんわりポカポカ温まる床暖房。めっちゃ、快適やん…しかも暖房機器いらずとは!!
子どもが小さいうちは暖房機器を触る危険性もあるし、使わない季節はしまう場所も必要。まぁまぁ収納が少ない家なので、床暖房問題は最終段階までかなり迷いました。
一旦住んでしまうと、「やっぱり床暖房入れてください!」の工事はなかなか難しいですしね ^^;
でも散々悩んだ結果、我が家は床暖房設備を入れず、無垢の杉床を採用することにしました。
迷いに迷った上で選んだ杉床の魅力
床暖よりも杉床を選んだ一番の理由は、単純なのですが…
「杉床が好きだったから」です。笑
何と言っても、その存在感です。正直なところ、他の無垢材の床の家も見に行ったのですが、そこまでこの床にしたい!ほどの情熱はなくて、それだったら複合フローリングで床暖の方に軍配が上がってた気がするんですが、杉床のリビングの家にお邪魔した時は、なかなかのインパクトがありました。
杉床は針葉樹で柔らかい木材。無垢床の中でもちょっと物を落とすだけで傷がいってしまうのですが、木独特のサラサラの優しい手触り。
節のある模様も杉ならではの個性で、それが何より魅力的でした。
床暖房は冬しか出番がないけど、杉床は一年中その手触りを楽しめるし、夏場に素足でゴロンと寝転ぶのも気持ちいいだろうなぁ...と思いました。
床はどの空間にいても目に入ってくるものなので、床暖を入れないことよりも、杉床にしない方が後悔する!と思い、1階も2階も杉床を入れることにしました。
住宅見学会で無垢床のお宅を何軒か見学し、リビングに採用されてる方は個室は複合フローリング 等でコストを節約されてる方が多かったんですが、
杉床は無垢床の中でも割とコスト抑えめで入れられるのかな?
その代わり、他の木材に比べほんのちょっと物落とすだけで傷がつきやすいのでご注意ください!!
床暖房を入れていない我が家の冬の過ごし方
完成した家に住んで2回冬を越えましたが、結果的にはこの杉床を選んでよかったと思っています。
いや多分、床暖入れたら入れたらで床暖最高!と絶賛しているとは思うのですが、迷いに迷った上で選んだものなので、お迎えすると愛着が増しますね(^^)v
2階リビングは冬場、割と暖かいです。もちろん暖房機器要らずとまではならないので我が家はリビングに石油ストーブを置いて過ごしていますが、朝一番にストーブをつけて、2時間くらいで暑いぞ...となり消して数時間持ちます。
空気の流れで暖かい空気は上に、冷気は1階に下がるのと、日中は大開口の窓から日差しが差し込んでくるので、結構暖房を長時間使わず過ごせることが多いです。その代わり、夏は1階よりも圧倒的に暑いので、エアコンフル稼働です。笑
幸い我が家は太陽光発電で日中の電気は賄えているので、電気代はそこまで跳ね上がってませんが、二階リビングの夏はエアコン必須だと思うので…二階リビングで冬床暖を考える方は、夏のエアコン電気代も考慮したほうがいいかもしれません。
1階は冬場、特に寒いです。でも、賃貸で住んでいた頃はスリッパがないと冷たくて歩けない!というほど床が冷たかったのですが、杉床はそこまで冷たくて歩けないってほどではなく靴下で過ごせます。高気密高断熱のお家だからっていうのもあるのでしょうか…築50年以上の貸家生活からの引っ越しだったので、床が冷たくないという事実はなかなかの衝撃でした。
高気密高断熱の家に床暖房は贅沢?
このブログを書くにあたって鶴亀さんと改めて床暖房について話した時に「金子家はパッシブで考えたお家」だという話も伺いました。
パッシブハウスとは、簡単に言うと太陽の光や風の動きなど、自然の力を極力利用して、冷暖房設備に頼らない設計のお家です。
そもそも床暖房の始まりは、昭和時代のお家。以前の建物は、断熱がほとんどない隙間だらけのお家ばかりで、そんなお家の床に温水を流し輻射熱で温かさを利用することが始まりだそうです。
今の家は光熱費を削減する上で高気密・高断熱の時代になり、太陽の日差しを室内に取り入れ、無垢床に吸収され自然の力を利用して暖を作る家がパッシブなお家という時代になっているそうです。
コスト面でも、床暖房を入れると初期費用だけでなく、後々のメンテナンスも費用がかさみます。普通の給湯器であれば15万程で済むところ、ガスの床暖房であれば給湯器を熱源のあるものにしなければならないので、費用も30万程...つまり倍かかってくるわけです。
給湯器の寿命は10年ほどなので、10年毎に倍額の給湯器代がかかってくるので、30年経つと、給湯器の費用だけで45万円の差。それに加えてガス料金が上乗せになってくるので、まぁまぁな出費になるわけです。
この話を聞くと何となく高気密高断熱、加えて比較的暖かい二階リビングの家に床暖房はなかなか贅沢な選択だったかな…と思いました。
とはいえ、設備やメンテナンスのコストはかかれど、換気が必要なストーブのように空気を汚さないし空間も広々、有効な設備でもあります。ペットを購入されている方、気管の弱い方にはいいと思います。
私の家は1階に浴室と脱衣場兼洗面所があり、冬場は寒いので…
ダイソンの暖房ヒーター兼を使っているけど、温風だとお風呂上がりは暖まった体に対して、風が当たると体感的には寒く感じるんです。脱衣場に床暖房、欲しかったなー!とちょっと思っています。
この話を鶴亀さんに話してなるほど!と思ったのは、「床暖房は一箇所だけ入れたらいいってもんではない」という事です。逆に家の中で寒暖差が生まれてしまうことで、ヒートショックの危険性が高まるケースがあるようなので、単純に「床暖を入れたら安心」というわけではないのです。
某施工会社が「全館床暖房」を打ち出しているそうでが、ヒートショック予防には「どこの空間も暖かい」ということが理想なんだそう。リビングは暖かいのに廊下は寒い、お風呂につかって温まっても脱衣所で冷える、といった家の中の「寒暖の差」はヒートショックを引き起こす要因となりますのでご注意下さい!
「全空間暖かい」ということに着目して(というよりエアコン自体そもそも掃除が面倒ってためらってた気がする…)、別の施工会社さんで家づくりをしてた友だちの中に全館空調を検討している子もいました。
「全館」とある通り、リビング、キッチン、各居室、トイレ、洗面所、浴室に至るまで24時間365日同じ温度で過ごすことができます。
これだったら冬場の床暖だけでなく、ご高齢の方が冬場に起こしやすいヒートショックも、夏場の熱中症も防止できます。
リヴさんでもエアコンに代わる新しい選択肢として、F-CON(エフコン)/光冷暖という無風・無音の全館空調システムを採用されてるそうです。
風を出さないF-CONはウイルスやダニ、花粉を巻き上げることがなく、衛生的な空気環境をキープできるそうなので年中安心ですね。
ただF-CONにすると床暖入れる入れないに関わらず、パネルを設置する場所や、専用の壁や天井を入れる必要があるので、仕様面では制限がかかりそうです。
全館空調だと、初期費用が5、600万〜。床暖入れるか入れないかの問題じゃないですね。
詳しくはリヴさんまで!笑
床材・床暖房から家の空調の話になりましたね。
次回もお楽しみに!
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