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どこよりも詳しい1万字超ニュージーズレポ・感想

会場アナウンス 座長・京本大我さん
東京公演10/20 マチネ Les役 生出真太郎くん
大阪公演11/16 ソワレ Les役 西田理人くん

1幕
Overture
トランペットソロの演奏から始まり、これから始まる!というワクワク感は何回見ても慣れない。幕が上がるタイミングで曲のテンポが上がり、軽快なリズムになる。再び曲調がゆっくりになり、背中を向けてジャック登場。前回(10/20マチネ)より背中が逞しくなっていた。

Santa Fe
ジャックの父親はニューヨークのダウンタウンで、要らなくなった新聞のように扱われたと発言。ジャックの歌い出しから。サンタフェへの憧憬が歌い方に現れている、表情も期待や憧れから明るく、目も輝き、希望に満ちている。クラッチーとのデュエットになるときの鳥肌が凄い。お互いの声がとても良いハーモニーとなっていて、どちらの声か分からないくらい混ざり合っていて心地が良い。

Carrying the banner
ニュージーズ達登場。わちゃわちゃ感が若者達の青春を感じて良い、エネルギッシュさが観客にも伝わる。ダイナミックで迫力あるアクロバットや大人数での揃った振り付けのダンスは圧巻。途中(割と序盤)でジャックとクラッチーが合流。曲中の歌詞や英語版の曲名にあるように、彼らは新聞を売るのではなく、「banner(見出し)」を売っていることが見てとれる。号外!や最新版!、「見出しはエグくなるほど良い」等の発言からも彼らの投資の新聞の売り方を見出すことができた。曲中の「最新版♡」の振付がかわいい。ニュージーズ全員が、所謂両手の虫歯ポーズのような振りをするが、語尾に♡が見えちゃうくらいかわいい。この曲中にニュージーズ全員が振り向く振付があるが、ジャックが変顔してた、かわいい。みんなで一列に並んで胸張って歩く振付や、順番に座っていく振付とか一体感あって良い。
この曲の良いところは、まだ問題が起こる前なので大変だが明るく自分達の仕事に誇りを持って働いているニュージーズ達の日常を感じ取ることができるところだ。「イケてるぜ、新聞売りの人生」「堂々と新聞売り歩こう」「成功する、新聞売り続けて」
このとき、キャサリンと初対面。ジャックの女たらし、色男な部分が会話や表情から見てとれる。このときはまだキャサリンはジャックのことを見向きもしない、冷たくあしらう。
新聞買取の時間。初めにジャックが並び、購入をするが、ウィーゼルと呼び間違える。ワイゼルだ、と言われてからはちゃんと呼んでる。ここで、デイヴィとレス登場。他のニュージーズ達とは違い、服などは綺麗で、皺もない。売れ残った分だけ払い戻されると思っていたりと、まだニュージーズ達の労働環境は分かっていない。このことから、この2人がまだまだこの世界に入ったばかりで、良い生活ができていたということが伺える。この一連を、ジャックは新聞を数えながら聞いていて、ビジネスの取引が出来るかもと様子を伺っている。20部分の代金を支払ったのに、19部しか貰っていないとデイヴィは訴えたが、聞き入れてもらえなかったところに、ジャックが数え直し、言い分が正しいことを、「靴を履くと数が20まで数えられない」と小馬鹿にすることでことなきを得る。その後さらに新聞を買い、デイヴィ達に渡す。デイヴィはほどこしはいらないというが、レスが10歳と小さい子どもで新聞を売るセンス(悲しい顔をして同情してもらう)もあることから、ビジネスの取引をする。取り分は6:4、小さいからといって騙されないレス。聞かれたら7歳と答えるようにいう、小さいほど売れる(その後、この子もすぐ年を取っちまう!と発言)デイヴィはまだこの世界に慣れていない感があるが、レスは早くも新聞売りの才能を見せる、少しませた部分もある。

The bottom line
ピュリツァーの部屋。新聞全体の売上が減るばかりか、ジャーナル紙というライバルも現れ、どうにかして売上を上げられないか模索中。ピュリツァーが以前、ルーズベルトの票数を減らそうと新聞に載せたのが、フットボールの禁止って理由が髪を切られてるのにじっとしていられない様子や言い方も含めてちょっとかわいい。売上を増やしたい→労働者への不当な卸値値上げという考え方は経営者として行き過ぎたものではあるものの、ビジネスに熱を入れすぎた結果であり、現代でも見受けられそうな問題だと思った。

場所が変わり、仕事終わりのジャック、デイヴィ、レス。ジャックは、2人に両親がいることに驚き、動揺している。その後、スナイダーに襲われるが、なんとか回避しメッダの劇場に逃げる。

That’s Rich
メッダは、ジャックの絵の才能を評価しており、ジャックの良き理解者。メッダ役の霧矢大夢さんの声量と頼もしさを感じる歌声は飛び抜けてた。あと、パンフレットの対談にも書かれていたように、キャサリンとメッダは役として直接的な繋がりこそないものの、この時代に「働く女性」という共通点があることで、その大変さを分かり合っている同士のようなものを感じていることが、歌中の様子から見てとれた(記事を書くキャサリンに手を振る様子など)この歌中の演出(舞台の箱周りが点滅)が好き、本当にニューヨークの小劇場で見てる感じがする。

I never planned on you
キャサリンを見つけて話しかけに行くジャック。仕事中だとキャサリンは軽くあしらうが、ジャックは勝手に隣に座る。ジャック「やあ、また会ったね」キャサリン「ここは関係者席よ」ジャック「ワールドで働いてるんだぜ」キャサリン「それに興味がある人は外にいるかも。仕事中よ、出ていって」ジャック「仕事かぁ、働く女性ってか。賢い人って好きさ、自立してて」前回と比べて、2人の距離が近くなった気がする(ジャックがキャサリンの肩を抱くなど)それによってより、ジャックの女たらし感色男感が増して良かった。ジャックはこの時キャサリンに一目惚れをしたと思われる。(朝に会ったときから気になってはいたが、1日に2度会えた運命からこの時からかな、と)しかし、こんなに頭が良くて自立していてそのうえ美しい女の子が、自分みたいな男に振り向いてくれるはずないと思っている。一方、キャサリンは歌の初めは鬱陶しいやつだなあというくらいだったが、ジャックが書き残していった自分の似顔絵を見て、ジャックの才能と行動に興味を持ち始める。

次の日、ニュージーズたちに新聞の卸値の値上げが、皮肉なことに新聞の見出しによって言い渡される。ジャックはいつも通り100部50セント払おうとするが一蹴される。ジャック「60セントなんて払わない〜!」、ニュージーズたち「払わない〜!」の部分かアドリブ入ったりしてたらしい。しかし、それでは一向に新聞が買えず、ニュージーズ達はこれからどうするか会議を始める。ジャックは考える人のようなポーズで暫く考えた結果、ストライキを起こすことを提案する。しかし、両親を養う必要があるデイヴィとレスは抜けると言い出すが、それに対しジャックが俺たちはお遊びでやってる訳じゃないと説得する。デイヴィはストライキをするなら組合が必要だと言った。この会話の中でジャックが「もし組合がちゃんとしていればお前の父親はクビにならずに済んだはず」という言葉はデイヴィにかなり刺さっていたような感じがする。こうして、ニュージーズ達は組合を成立し、ストライキを決行する。ここのシーンで、ジャックが組合の目的?は?と聞かれた時に「家に置いてきた!」と言うところが戯けてて可愛かった。

The world will know
ニュージーズ達の団結感と熱い思いが伝わってくるナンバー。ワールドに知らしめよう、という題の通り、小さいながらも雇用者である自分達の権利を主張するために立ち上がる。自分達の会社であるワールド社だけではなく、ライバルであるジャーナル紙にも、と言っていることから…新聞社で働くニュージーズ達全体のことを言っていると思う。この歌の中で、ニュージーズ達が台を動かし、ジャックが登り、strikeと書くシーンが良かった。

結局ワールド社には閉め出しをくらい、デリカテッセンで水を飲むニュージーズ達。このストライキを他のニュージーズ達にも広げる必要性を感じ、声をかけに行くように言う。その中でブルックリンが強い勢力を持っていることが分かる。そこへ、キャサリンが現れ、ストライキの様子を記事に書かせてほしいという。ニュージーズ達は初めは反対していたが、ジャックが取材を認め、明日の朝来るように言う。キャサリンがジャックに「あなたのことを教えて」と言って質問しているのは、記者としての興味というのが1番ではあるが、劇場での一件でジャック自身の才能を見出し、興味を持ち始めている。ジャックに「君の名前は?」と聞かれ、キャサリンは「キャサリン……プラマーよ、ペンネームだけど」と、本名を言うことを躊躇う。キャサリンが「じゃあ明日の朝」と言うと、「もうこれで終わり?明日の朝のことより今日の夜何するかの方が興味があるなぁ〜」と、キャサリンにもたれ掛かりながら言うジャック、女たらし感が出てて良い。別れ際、ジャックはキャサリンに期待している旨を言う。

Watch what happens
この曲はテンポも速いし、タイプライターを打ちながらだし、喋り口調で歌わなきゃいけないしですごく難しい曲だと思う、咲妃みゆさん流石。細いのに、ポーンと抜けるような歌声。歌の初めは、ニュージーズ達の記事についてを歌っているが、途中からジャックについて歌う。「女たらし、生意気なやつ!(地団駄可愛い)でも、カリスマ性もあって、ハンサム」と、今回のストライキの内容ではなく、個人的な感情も溢れてきていることから、ただの対象者ではなくジャックのことが潜在的に気になり始めている様子が見受けられる。

次の日の朝、ニュージーズ達は少ししか集まっていない。新聞販売の時間になると、誰かにお金を渡されたのか、裏切り者が出てくる。しかし、ジャックが「最後に信じられるのは、こいつらか?それとも俺たちか?」と問い、皆でたちがることに決める。

Seize the day
立ち上がろう、今日こそ。これも、ニュージーズ達の団結感が見どころ。Strikeと新聞に赤字で書くシーンが良かった。最後に皆んなで集まって、写真を撮るシーンがあるが、「for one!」でシャッターを切られる。拳を突き上げたくなる。

ワイゼル達と揉め、警察が来るが、ニュージーズ達が追われる。そんな中、足の悪いクラッチーは、スナイダーに捕まってしまう。クラッチーが助けて!と叫ぶ中、ジャックは見過ごしてしまう。

Santa Fe
初めの希望に満ちたSanta Feとは打って変わって、「キャプテンジャックのせいで!」も悲しみとやるせなさが感じられる。「まだ17なんだ」と言う歌詞から、カリスマ性がありリーダーシップのあるジャックではなく、等身大の17歳の弱さが見られる。理想的な生活を求めて行きたいと思うSanta Feでなく、ここでは現実から逃避したいという思いで歌われている。大事な仲間を失ってしまった、しかも自分が計画したストライキのせいで.というのが歌い方にすごく現れていて、心に響いた。サビ付近で舞台が上昇する。Santa Fe―!の部分では会場が揺れてた。ここで幕間に入るが、衝撃で暫く動けなかった。Santa Feで始まり、Santa Feで終わる1幕、両者メロディーラインは同じだが、全く違う聞こえ方でとても良い。

2幕
気落ちするニュージーズ達の元に、キャサリンが新聞の記事になったことを伝える。ニュージーズ達のやる気が戻る。
King of New York
大人数でのタップダンスが見どころ。前回見たときは、正直、ディズニーのショーで見慣れてしまっているせいか、音も小さくあまり揃っていなかったので、全員初心者だと聞いていたし、難しいか〜と思っていたが、11/16の公演では、音も大きく、すごく揃っていたので、今回の中で1番成長を感じられた曲でもあった。途中でキャサリンがタップダンスをするよう促される部分があるが、最初は可愛らしいステップを踏んで、ニュージーズ達に呆れられるが、「もう!」(可愛い)と言って、スカートを捲り上げ、本気でステップを踏むのがすごく可愛かった。チラッと見えた感じだと、ヒールのある靴に見えたので、これでタップダンスをする咲妃みゆさん凄いな、と思った。(他のニュージーズ達は、ローファーっぽい靴)レスも踊ってて、小さいのにすごいと思ったし、可愛かった。

Letter from the refugee
所変わって、感化院にいるクラッチーのナンバー。この曲も手紙を書いているように、喋り口調で歌う曲なので、感情を乗せながら歌うのが難しいと思う。

Watch what happens
所変わってメッダの劇場で憧れのサンタフェの絵を描くジャック。ジャックは帽子をとり、髪も乱れ憔悴している。そこへ、デイヴィとレスとキャサリンが現れる。メッダが気を遣って、デイヴィと2人にしてくれる。少年労働者達が権力者に踏みつけられる絵を見せる。ジャックは仲間を失い、逃げたいと言うが、確実にストライキはピュリツァー達に効いていることを伝える。ジャックはもう一度、仲間達と力を合わせてストライキを行うことを決意する。

The bottom line
所変わってワールド社のオフィス。ピュリツァー達は、ニュージーズ達のストライキを受けて焦り始めている。そこで、ストライキのリーダーであるジャックに目をつけ、スナイダーの入れ知恵で、彼がかつて感化院の脱走犯であり、洋服や食べ物を盗んでいたことを利用しようとする。そこへタイミング悪くジャックが登場し、自信満々で乗り込んでくる。そこで、キャサリンがピュリツァーの娘だということを知り、信頼していた人に裏切られ動揺する。キャサリンは弁明しようと試みるが、聞く耳を持ってもらえない。さらに、ピュリツァーからニュージーズ達の結集会でストライキ反対に投票しサンタフェ行きの資金を受け取るか、感化院に入るかの決断を迫られる。ジャックは地下に連れて行かれ、古い印刷機の上で寝るように言われ、クラッチーの残したストライキの旗を握りしめる。

Brooklyn’s here
所変わって、ニュージーズ達がメッダの劇場に集結する。ブルックリンがニュージーズたちの中でも力を持っていることが、この曲の特別感と自信有り気な振る舞い方からも分かる。ニュージーズ達の出身によって、服装など特徴が少しずつ違うのが細かくて良い。
皆が集まったが、肝心のジャックがいない。そこで、メッダに推薦され、デイヴィが皆の前で演説を行う(ここで、少し難しい言葉を使って演説を行う様子が知性派な一面を表している、ニュージーズたちは途中よくわからなかったけど分かったふりして掛け声を上げていた)。そこへ真打ジャック登場。しかし、このままストライキを続けても水掛け論になるだけだと言い、ピュリツァーに掛け合いこのままストライキをやめれば値上げしない保証つきでまた仕事に戻れることを約束したと言いストライキ反対を言い渡す。周りが困惑する中、ジャックは黙って立ち去る。その後、ピュリツァーから金を受け取り、自省の念に駆られる。

ジャックの家にキャサリンが訪れている。ポストに入っていた一枚の絵を見つける。ジャックは、キャサリンが家に来ていることに驚き、キャサリンは教えてもらった旨を伝える。絵に書かれている感化院は、1つのベッドに男の子が3人も寝ており、ネズミもウロウロしている。キャサリンは、盗みを働いたのは感化院の子供たちのためではないか、と問う。ジャックは答えなかったが、自分を責め立てる。その上、キャサリンがプラマーとペンネームを名乗り、ピュリツァーの娘であったことを黙っていたことを責め、騙しされていたという。キャサリンは確かにそう言ったが、ニューヨークサン社に勤めているのは本当だし、プラマーというペンネームも本当で、何も嘘は言っていないと言い、ピュリツァーはこの町に目を光らせているため、私にスパイをさせる必要はないという。ジャックは、まさか本名を聞く必要があったとは思わなかったという。言い合いの末、ジャックが「君が男だったら殴ってる所だった!」「やってみろよ!殴ったことあんのか?!」とキャサリンを煽る。それに対し、キャサリンは「ない!」といい、腕を勢いよくぐるぐる回し、殴る…かと思いきやジャックにキスをする。ここのやりとりが、大阪公演では長めにアドリブ取っていて、会場もクスクスしてた。可愛かった。(大阪公演:ジャック「殴ったことあんのか?!やってみろよ!さては殴ったことないな?」キャサリン「ないけど〜!」ジャックの太ももあたりを殴る振りをしながら、「いくわよ」「こいよ!」ジャックめっちゃ煽り顔(可愛い)で、姿勢を低くし手で来いよみたいなポーズで煽る。最後はキャサリンが腕を勢いよく回し、「もう!」と言いながら、キスをする。キャサリンの嫌なやつ!だったけど愛おしい感じがよく出ていた。)キャサリンにキスされた後ジャックは放心状態で、(何が起こった…?夢か…?)とも言いたげな顔をしていて、終始上の空。一方キャサリンは、早々に切り替え、ジャックが書いた感化院の絵を新聞に載せ、ニューヨーク中の子供の労働者たちにストライキを起こすことを提案する。そうすれば、ニュージーズたちだけではなく、虐げられている労働者たち皆のためのストライキになり、影響力が大きくなるという。その中で、キャサリンは「真のリーダーとは、皆んなの意見を聞ける人(ニュアンス)」と言う。しかし、ジャックはキスが頭から離れず、上の空だったため、キャサリンに「聞いてるの?」と言われる。ジャックは、新聞を刷る術がないといい、キャサリンはどこかに一台くらい父が管理していない印刷機があるはず、といい、ジャックはピュリツァーに捕まった際、地下に古い印刷機があったことを思い出す。キャサリンがさあ行こうとするのを止め、ジャックは「これ(自分たちを交互に指差す)は何?」と先ほどのキスの件を掘り返す。ジャック「分かってるんだ、君みたいな女の子が俺みたいな男に惹かれるはずがないって。じゃあこれは何?」キャサリン「あなたはいつの間にか私の心の中に入ってきていたわ」ジャック「本当に?」キャサリン「本当よ」
Something to believe in
手すりに2人で寄り添い、向かい合って歌う。大阪公演では、キャサリンが、長くなったジャックの前髪を表情がよく見えるように手で避けていて、胸が苦しくなった。このときの距離が東京公演のときは少し離れていたが、大阪公演ではぴったりくっついていた。サビ付近で舞台が上昇する。キャサリンから歌い出し、something to believe in(信じられるもの)と歌うことで、ジャックが「ここに何かある?」の答えをもらい、表情が明るくなる。続いて、ジャックのターン、もしかしたら出会うことのなかった2人が出会えた奇跡を歌う。その後、2人でデュエットし、思いを伝え合ってキスをする。ジャック「もし状況が違ったら」キャサリン「もしあなたがサンタフェに行こうとしていなかったら」ジャック「もし君がピュリツァーの娘でなかったら。もし俺がピュリツァーに追われていなかったら」キャサリン「父のこと、恐れていないでしょう?」ジャック「(はにかみ、ちょっと意地悪な顔で)でも、君のことはちょっとこわい」キャサリン「(ジャックの肩あたりを押しながら、はにかみ)やめてよ!」再びデュエットし、ハグをしてキスをしながら暗転する。

所変わって、ワールド社の地下室。ジャックとキャサリンが先に到着し、新聞王の息子らが古い印刷機を直し、ジャックの絵が載った新聞を印刷する。ニュージーズたちも到着し、一人一人にジャックはグータッチをしていき、新聞を配る。
Once and for all
時はきた、と言う歌詞からも分かるようにニュージーズたちの決意表明と、ついにこの時がきたという強い意志が他の曲と比べても特に感じられる。ジャックが「インクで書くか血で書くか」の部分で、自身の腕を引っ掻くような動作をしていたらしい。
キャサリンは、重要な人(メッダ、ルーズベルト)に新聞を届ける。キャサリンは、ピュリツァーの娘でありながら、正しいと思うことなら例え父親でも歯向かう姿は、カッコいいけど、「でも、君のことはちょっとこわい」とジャックに言わせたように、敵に回したくない人物である。

所変わって、ワールド社のオフィス。ニュージーズたちの新聞が広まり、町中の労働者たちがストライキを起こし、働いている人は誰もいない。ニューヨーク中が操業停止し、非難の電話が殺到している。そこへ得意げなジャックが登場し、ワールド社はニュージーズたちが全面包囲し、seize the dayをハミングで歌っている。ジャックは、ピュリツァーの椅子に座り、口に手を持っていき、得意げな顔をしてキャサリンのことや新聞の印刷について話す。さらに、キャサリンが、メッダ、ルーズベルトを連れてきたことで、ピュリツァーの立場が悪くなり、狼狽える。ピュリツァーは、ジャックと2人で話がしたいと言い、悪いが新聞の卸値を戻すことはできないと伝える。それに対し、ジャックは「俺だって馬鹿じゃない。面子を保たなきゃいけないんだろ?」(ニュアンス)と答える。そこで、ジャックは売れ残った新聞を元の値段で買い取ってもらえるよう提案する。ピュリツァーは、「もしニュージーズたちがたくさん売れ残らせたらどうするんだ」と言うが、ジャックは「売れない新聞を持って歩くニュージーズがどこにいるんだ?もし、売れ残るリスクが無かったら、今よりちょっと多く新聞を買って、今より少し多く売ることができるかもしれない。これが、俺たちにどちらにとっても良い提案だ。」(ニュアンス)(人差し指を立ててピュリツァーに向ける)と言う。ピュリツァーは渋々承諾する。ジャックは「契約成立だ」と言い、唾を手のひらに吐き、握手を求める。ピュリツァー「不潔だな…」ジャック「ビジネスの代償さ」ピュリツァーも同様に手のひらに唾を吐き、握手をする(めちゃくちゃ嫌そうな顔)。ここのシーンが大阪公演では、ピュリツァーは手のひらに優しく息を吹きかけるだけになっていて、会場に笑いが起きていた。ここで、自分たちはワールド社の社員で、他の新聞社の物は使わない、や僕たちに相談してくれれば良かったのに、と言う発言からも、生活のためだけではなく、会社の一員であるもいう意識、誇り、忠誠心が強いし、だからこそ自分達の権利を認めてもらいたいという思いも強かったと思われる。

いつもの新聞購入場所。ジャックの隣には、ルーズベルトがいる。ジャック「紹介しよう、友人のルーズベルトだ!」ルーズベルトはニュージーズたちに演説をする、その中で「目を星に向け、足を地につけよ」という有名なセリフがある。この演説も小難しいので、ニュージーズたちは分かったような振りをして話を聞いている。そして、ジャックの絵のおかげで感化院の酷い有様が判明し、閉鎖される。クラッチーは釈放され、スナイダーは捕まった。クラッチーが、自分にやらせてくれといい、自分が捕まったときのスナイダーのセリフをそのまま返し、逮捕する。ピュリツァーは、ジャックに政府の内情について新聞に絵を書いたらどうかと提案する(ルーズベルトへの皮肉)。
Final
デイヴィに、ジャックはこれからどうするのか聞かれる。デイヴィ「君がいつも歌っているSanta Fe〜♪ももう飽きたんじゃないか?サンタフェにあって、ニューヨークに無いものって何?」キャサリン「っていうか、ニューヨークにあって、サンタフェに無いものは?」デイヴィ「ニューヨークには僕たちがいる。僕たちは家族だ。」キャサリン「それに、あなたはもう一つエースのカードを持っているわ」ジャック「何?」キャサリン「私よ!(腕を広げながら)あなたがどこへいっても、私はそばにいる」ジャック「本当に?」キャサリン「本当よ」(ここのやりとりがsomething to believe inの始まりと同じ)ニュージーズたちに冷やかされながら、キスをする。ジャックは「それで、どうするの?」と聞かれ、言葉では答えずに、帽子をキュッと持ち、フッと笑いながら、新聞を買いに行き、いつもの新聞売りの日常が戻る。ラストシーンでは、ニュージーズたちは楽しげに踊り、ジャックはキャサリンとも踊りながら、キスを交わす。ラストは東京公演では「NEWSIES of Tokyo!」大阪公演では「NEWSIES of Osaka!」で締める。

Curtain call
音楽に合わせ、出演者が順番に礼をする。観客は、音楽に合わせて手を叩きながら、礼のタイミングで拍手をしていた。最後に、両サイドに一列に出演者が並び、手を中央に向けて座長・京本大我を迎える。日生劇場0番に立つ座長を見ていたら、開幕できて本当に良かったと泣きそうになった。その後、皆で一列に並び礼をしたタイミングで観客全員がスタオベ。会場全体も、周りの様子を見て立った訳ではなく、本当に自然と全員が立ち上がっていて、キャストだけではなく、観客も含め全員で一体感のあるすごく良い空間だった。その後、オーケストラの皆さんが映像に映り、キャストは後ろを向き「ヤー!ヤー!ヤー!」と拳を突き上げる。京本大我は、今まで骨の髄までジャック!仲間思いのリーダー、色男!という感じで、完全に役として舞台に生きていたが、最後の三方礼で客席に手を振ってくれたときは、キラキラしていて、オーラが凄かった、流石アイドル…。
東京公演のカテコは、お得意の(?)バク転するフリしてしないやつからの規制退場の案内、捌けるときに綱引きのパントマイム。大阪公演のカテコは、同じくバク転フリからの規制退場案内、ムーンウォークをしながら捌けていった。

・全体感想
この演目の何が良いって、若者のエネルギーを感じられるところ。勿論始まったばかりの頃も素晴らしかったけど、公演が進むにつれての成長・熱気・勢いがすごい、圧倒される。完成されていないからこそ、毎公演どう熟成さていくかが楽しみ。ニュージーズ達のフレッシュさを、暖かく見守ってくれているようなベテラン勢とのバランスも良かったと思う。演者同士の仲の良さがすごく伝わってきた。演出、道具、衣装、オーケストラ、キャスト、そして観客、みんなで作り上げた舞台という感じがして、会場全体の一体感があったのが見ていてすごく楽しかった。心の中では、ニュージーズ達と一緒に掛け声してたし、口笛鳴らしてた。ストーリーとしては、ディズニーにありがちの友情あり、ロマンスありの勧善懲悪もので初心者でも分かりやすい。とはいえ、ヴィランズにあたるピュリツァーは憎めない部分もあるし、最後はお互いに和解して終わるところに良さがある。ジャック役の京本大我、ヒロイン役の咲妃みゆは、まるで本当にディズニーの中から出てきたようなプリンスとプリンセスだった。ジャックは、アラジンとフリンライダーを合わせたようなキャラクター。自分より大変な仕事をしている子どもたちのために、洋服を盗んだり、色男で女たらし的な面を持つ一方で、自分みたいな男が釣り合う訳ないと思って少し恋に臆病なところとか。ジャックは周りのニュージーズ達には、頼りになるリーダー!って思われてるけど、人間的に弱くなる面もあるし、傷つくし、でもそれは仲間のためを思って…っていうところが等身大17歳って感じがして良かった。あとそう言う姿をキャサリンには見せれるんだなぁ…そしてそこから救ってくれるのはキャサリンなんだなぁってところが良かった。

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