夜の仕事

私が夜の世界を知ったのは16歳の時でした。
中型の免許をとり自分のバイクも買って毎日のように夜みんなで走りに行ってました。
ある日に走りに行っていて一度自分のバイクを乗りたいと言ってきた友達に貸していて私は友達と話ししていました。
しばらくするとガシャーンとものすごい音が自分たちの後ろで響きました。
何が起きたかわからなくてみんなが叫んで駆け寄って行くのが見え、私たちも急いでそっちへ向かうと貸した友達じゃない友達が思いっきり転けて事故してしまっていました。
受け答えできないほどひどく転んでしまっていてすぐに救急車を呼びました。
私はもうどうしていいか何が起きたか全然理解できずただ泣くことしかできず救急車で運ばれていく友達をなんとも言えない気持ちで見ていました。
病院で私たちは手術が終わるのをただ待っていました。
ローンで買った自分のバイクの方にしか頭が回らなくて手術が終わってからも1人だけ泣き止むことができませんでした。
朝の6時に帰って8時からは仕事でそんな状態で仕事に行きました。

親からは、人の命をなんだと思ってるだとか私が全て悪いと決めつけられ責められ事故の費用は全て自分でどうにかしなさい。なんなら病院代も慰謝料として払え。と言われました。私は納得がいきませんでした。
その人が無免許だったので保険はもちろん降りなくて、事故の損傷もすごく廃車寸前で直せば多額の修理費が発生します。
私は実際その本人には貸してないし、何故私が全ての責任を負わないといけないの。と病んで病んで、インスタグラムのストーリーでその気持ちを綴っていたら、1人の女性からメッセージが来ました。
知らない人には基本返さなかったのですがその女性は次の日も次の日も全てのストーリーに心配のメッセージを送ってきて、私も気になり始めてメッセージを返していました。
事故で、お金の話になるとその女性は1日で3〜5万以上稼げる仕事があると言ってきて,私はその時支払いに追われていて話でもいいからと言われたので聞くことにしました。
その仕事内容は伝えられず、一度見学に来ませんか?と言われ迷った挙句行くことにしました。
夕方の時間に駅のロータリーで待ち合わせてその女性が来ました。
車に乗せられてどこかわからないアパートにつきました。
そのアパートに入ると自分の他に3人の女の子と2人の男性がいました。
私はまだ内容を知らなくて、取り敢えず時間が来るまで待っててねと言われました。
そして1人の男性からAちゃん行くよ!と言われました。
アパートの階段を降りているときに全て話されました。
今からやることは売春っていって男の人にお金をもらって行為をすることだよ。Aちゃんは普通にそのお客さんの車にのって一緒にホテルに行って先にお金をもらってね。何かあったらすぐ駆けつけるから連絡をしてねとそれ用のアプリと位置情報を入れられて、車に乗らされました。

そこで全てを話されて、車に乗ってしまってさっきの女性もいない状況でもうどうしたらいいかわからなくて、ただ言われるがままに指定された場所について車はこれだよといわれて降ろされていってらっしゃい。といわれました。

そのコンビニに止まっている車に恐る恐る近づきノックするとおじさんがどうぞと手で合図しました。
その土地のことも全く知らないし逃げようにももう後戻りできない状況で、恐怖で震えながらその人の車にのりホテルに向かいました。
私は何も知らなくて、こういうのが初めてなんですと裏に男の人がついていることも全て話してしまって、そうすると相手はそれは怖かったよねといって色々話を聞いてくれて何もすることなく1万5千だけをくれて帰らせてくれました。
私はこんなのでこんな大金をもらっていいのか、と思い込んでしまいました。
しかし次の人がすぐに着き、さっきのような話をしても聞いてはくれるのですが最初の人のように何もしないで帰るとはいきませんでした。
ひたすら痛い、怖い、辛い帰りたいとその場に耐えました。
その日は3人の人と会いました。
色々な意味で疲れ果てて、もうかなり限界でした。
しかし、給料を受け取るとそのもらった額が嬉しくて嬉しくて疲れが消えました。
始発での帰り道、3個上の女の人と一緒に帰っていたのですがその人はすごくて私の何倍かの金額を稼いでいて、私が今日の事やお金に困っていることを話したら優しく慰めてくれて、アドバイスや色々なことを教えてくれました。
その後はまた来て欲しいと言われて、でもお昼の仕事は掛け持ちしていたし、この行為自体もピンチな状況にならないとやっぱり行くことができず月1〜2ほどのペースで行きました。

ローンも修理費も全て返済して就職を機に全て断ち切りました。

でも私過去に性被害に遭ってるのに、なぜこんなことができちゃうんだ。ずっと思ってました。

もちろん会うのもホテルに入るのも油断はできず怖い気持ちは変わりません。
こんな事してる自分も気持ち悪くて気持ち悪くてしょうがないのに
なぜか安心してしまう自分がいました。
むしろ、一緒にいて落ち着くしもっと自分のことを知ってほしいという感覚に陥りました。

その理由を探ったとき、それは多分自分自身の親とあまり上手くやっていけないのに対し、自分の親と同じくらいの年齢の大人の男性という共通点から他人に優しくされることで親と築けなかった温かみを感じているんだと思いました。

お金を貰うことが全てじゃないと気づいてお話をするためにご飯に行ったりなど、自分の親とはできなかった家族の普通のことを沢山しました。
私にとってはそれがすごく嬉しくて色々な話をしてくれたり話を聞いてくれるその相手に、こんな親だったら、一緒にいる空間も嫌じゃなく緊張感もなく、会うたびにいつも思っていました。
偽りの空間でも楽しかったって。

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