【空港にて】忘れられないおばあちゃん
前にもこんな記事を書いたことがあるのですが、私は10年弱空港で働いていた経験があります。
日々老若男女たくさんの人を見かけるし、たくさんのお客さまと接するのですがやはり印象に残る方、というのはいらっしゃいます。
ふとした瞬間に思い出すんですよ、あのお客さまはお元気かなって。
もうすぐ敬老の日でもありますので今日はかわいいあの方のことを書いてみようかと思います。
どこまで書いて良いのかちょっと迷うところもあるので、
ぼかしてぼかして書きますね。ご容赦ください。
そして今回も大部分無料で読めますので、よければ立ち読みして行ってくださいませ。
私はいわゆる【おばあちゃん】くらいの高齢の女性に弱いです。80代以降かな?
弱いというのはつい優しくしてしまうというか。年上の方に言って良いのかわかりませんが【かわいいおばあちゃんだなあ】ってほっこりしちゃうんですよね。
自分がおばあちゃんっ子だったからですかね。
もちろんみんながみんな可愛いおばあちゃんでは無いと思うんですけれど。
そんな私がとっても可愛いあのおばあちゃん、ではなくてお客さまに出会ったのは、母方の祖母を亡くした後でしょうか。
同じくらい・・80代くらいの女性を見かけると自分の祖母を思い出してなんとも苦しく寂しい思いをしてしまい、半泣きになることもありました。
特にカウンターにいらっしゃるお客さまには
【自分の祖母もこんな風に故郷に連れて行ってあげればよかった】などど思ったり。。。完全におばあちゃんロスですね。
そんな祖母ロスが続いていたある日そのお客さまはやってきました。
その日私は搭乗ロビー内の空席待ち受付カウンターにて勤務しており、
出発便の空席待ちを案内したり乗り継ぎのチェックインをしたり、その他諸々働いていたのです。
小柄で可愛らしい島のおばあちゃんといった感じのお客さまがカートにいっぱいボストンバッグやら何やらを載せてこちらへ向かってきます。
その手に黄色の空席待ち整理券。
おや、こっちのカウンターへご用かなと思いお客さまに整理券を見せてくださるよう声をかけました。
すると離島行きの空席待ち整理券。
まいったな。
この日は確か旧正月だったか十六日といってあの世の正月(旧暦の一月十六日)だったか忘れてしまったのですが、どちらかの先祖供養を行う日であったためおばあちゃんが行きたい離島便は終日満席だったのです。
南の島はいくつも離島があり、島によっては今も旧暦の行事を盛んに行うところがあります。(もちろん本島にもありますが、地域によって差があります)
そのためその日に合わせて移動するお客さまも多く、飛行機も満席となることも多々ありました。
加えておばあちゃんが持っていたチケットは空席待ちの優先順位が下の方の種類だったので私はあらま・・・となってしまったのです。
おばあちゃんはおそらく旅慣れている方ではなく、
『ここに行きなさい、と上のカウンターで言われたの』と和やかに仰いました。
はい、こちらで間違いございません。次の便のお呼び出し時間まで少しありますので、お近くでお待ちくださいね。とお伝えしてその島行きの状況を確認すると・・・
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