人生初手術が尻⑧ 〜入院6日目・心躍るもの探し〜
※本記事では筆者実体験の痔の手術について出来る限りおもしろおかしくレポをしておりますが、経験者の方やこれから経験する方を貶める目的のものでは決してありません。また、上記のような目的としての記事の流用は決して容認致しません。
朝、6時頃起床。特にイチお通じに悩まされることなし。昨日の頓服薬がよかったような気がする!
お風呂にいき、湯船に浸かるのみで帰還。段々ルーティーンができてきたような感じがする。
朝6:00起き→お風呂(湯船のみ)→朝食→検温など→診察→12:00昼食→お風呂(洗髪洗顔込み)→15:00から売店→のんびり→18:00夕食→検温など→お風呂→22:00就寝
これだな。
さてそんな訳で朝ごはんです。
本当に心の底からのガッツポーズ出たよね。
朝食:食パン2枚、りんごジャム、スクランブルエッグ、ほうれん草とベーコンのマヨ和え…?、低脂肪牛乳、お茶
パンがね…あったかくしてあったの…トーストじゃないんだけど、ほんのりあったかいの…それでね、スクランブルエッグを乗せるとね…すっごくすっごく美味しいの…牛乳にもとても合うの……。ほうれん草もいい感じの塩気でとっても美味しいの…。
最後、食パン一枚の半分にりんごジャムをたーーーぷりかけて食べたんだけど…甘くてね…甘くて…おいしかった……パンって、パンっておいしいね…??パンって、すごくおいしいね…??
完食できると心が躍ります。うれし〜!
昨夜来てくれたりょうさんが検温に来てくれて、成果をおはなししつつちょっと雑談。
不思議なんだけどまじでこの方と話していると流れが自然すぎて楽しくおしゃべりしたなー!て気持ちにはなるんだけどあんま具体的に喋った内容が思い出せない。どういうスキルなんだこれ?
りょうさんの当番はおしまい。
このタイミングでお別れです。また会えるといいなぁ。
割とすぐあとに診察のお時間。今日は亀ちゃんは不在とのことでしたので別の先生でしたが、お顔を拝見するより前にまず診察台に横になった。多分先生も私の顔ほぼ見てないと思うので、私たちは言わば"お尻会い"程度の関係、ということに………いやなんでもないですごめんなさい尻裂いてお詫びします。
しかしそのお尻会い先生ですごいびっくりしたんだけど
「頓服薬飲んでますか?」
「夜とか痛くなくても飲んで、夜中痛くならないように調整するのも大事ですよ」
「傷が多いからまだ痛いと思うけど、お風呂にもしっかり入ってね」
まとも………!!!!!!!
あ、やっぱりあれじゃない?亀ちゃんてちょっと変わり者なんじゃないの…!?頓服薬の注意事項、昨日りょうさんに聞いた内容があっさりお尻会い先生との会話では出てきて本当に衝撃。そうだよこれが本来の診察ってやつじゃん…。
「それじゃ、座薬入れます」
「え、あ、ふぎッ………!!!!」
座薬の痛さは変わらなかった。10段階14。
そんでこの後やっちゃったのが、せっかく痛さレベル14の座薬に耐えたのに、部屋戻って数分で催してしまって全部排出してしまったのである。めちゃくちゃもったいないことしたし、その後10分激痛で悶えまくった。
そういえば、お通じに少し形ができてきている。これがいいことなのかどうか、まだ棚卸さんには分からなかった。
昼食。
天丼とかアリ!?
昼食:野菜かき揚げと白身魚の天丼、味噌汁、わかめとカニカマの酢の物、オレンジ
ここに来てようやく、ちょっとだけ「食事がつらいな」と思い始めた理由に気づいたんだけど、とにかく、とにかくとにかく白身魚だよね!?タンパク質はほぼ全て白身魚から摂取させようとしていると言っても過言ではない気がする。
要するに、筆者。
白身魚に猛烈に飽きを感じ始めた。
今回も「てんどん〜!!!」となった直後に「白身魚か…」と肩を落としてしまった。食器のふたを開ける時、白身魚が入っていない事を割と真剣に願っている自分がいる。あと豆とホクホクの芋類と漬物……。
初日は喜び勇んで食べていたというのに…人間てなんて愚かで贅沢なんだろうか……。
ほぼ全部食べましたが、とにかく米がとんでもない量で米のみ断念。あとやっぱり味がとても薄いもので…。
ここで初めて米の量を減らしてもらおうと決意する。確か前ちらっと看護師さんがそんなこと言ってたはず。
あと今回のMVPはダントツでオレンジでした。
甘すぎ。うますぎ。30個ください。
15:00。お風呂も済ませて売店訪問可能なお時間がやってまいりました。
昨日、せっかく初の売店だったのにクソおもんない買い物をしてしまった棚卸さん。
今日は目標がありました。
何か心躍るものを一つ、見つけてくるぞ!!
売店は本当に小さくて、棚は一つ。全長5歩くらいしかない。しかも半分以上が医療品の販売である。Siriに当てているパッドもここで購入しているし、手術に必要な簡易着替えみたいなのもここで買った。隣に小さなカフェのようなものがあるが、感染対策から入院患者は使用を禁じられている。
あとはほんの少し、駄菓子や飲料、雑貨を販売しているのみ。
一日の水分摂取目安が1.5リットルなので、とにかく水分は大量に買わなければならない。重いので650mlの麦茶を3本しか買ってないけど、結果として毎日買うハメにはなっている。
病室付近の自販機でも購入は可能だが、この売店で買うと同じ麦茶が10円安い。ささやかだけど昨日気づいた時は裏技見つけたみたいでちょっと嬉しかった。
さて、麦茶は3本確保し、あとは心躍るものを何か……。
そういえばクシがほしかったんだよな〜と探す。一応見つけた、が、簡易ではなく結構大きいブラシだった。しかも値札がついてない。高そうなので却下。
あと、耳かきがほしかったんだ!と思い出す。これは事前に他の方の入院レポであった方がいいと書いてあったのにもかかわらず、うっかり忘れて本当に後悔していたものだった。探すが、こちらは綿棒100本入りのでかいケースしかない。ウーーーーンそこまでじゃなくていいんだよなぁ。却下。
流せるおしり拭き的なものは欲しかったけど最近なんか安定してきちゃったしそもそも置いてないし…そうなるとお菓子かなぁ。
でもお菓子、買っていいもんなのかな。なんかすごくお通じが全てを左右してるような気もするし、菓子パンとかは流石にまずいだろうな…。
アルフォート…めっっっっっっっっちゃ食べたいけど、これ多分開けたら最後全部なくなるまで食べ続ける自信しかない。絶対にお通じに影響が出てしまう…。
キャンディ…は無難だけどなんか心躍らないな。おばあちゃんちみたいな飴ちゃんしかないし…。
グミ…ウーン……やっぱりすぐ食べきってしまいそう…いっそのこと炭酸飲料とかにしちゃう?いやそれこそ一瞬だし………。
あ、
その時、視界に懐かしいパッケージが入り込んできた。見た瞬間、口の中にあの味が蘇ってきた。
これだ、と思った。
心に任せて手にとり、レジへと持っていった。
大事に食べよ………。
部屋に戻ってから、第一章を読んだきりさして進んでいなかった、書籍「変な絵」の続きを読む。
非常に読みやすくていい感じに怖い。あるシーンでは結構ゾゾゾッとしてしまった〜いいねいいね。俺は山なんて絶対に行かねぇぞ。
無事読了!満足です。
晩ごはんのお時間。
事前にお願いしておいたのが通ったらしく、お米が3分の2程度に減っていた!これなら完食しやすくなるぞ!
と、それはさておき
夕食:豆腐ハンバーグ、ブロッコリー、白菜のお吸い物、かぼちゃの味噌漬け、甘い豆
うぐうううううう………
豆腐ハンバーグ:うまい!米進む!(一勝)
ブロッコリー:やわらかすぎる!食べるが!(引き分け)
白菜のお吸い物:うまい!こういうのでいいんだよ!(一勝)
かぼちゃの味噌漬け:今までで最も無理。(一敗)
またしても勝敗は甘い豆に委ねられた。
元々そんなに好きではないものの、豆をしょっぱく煮たやつに比べれば割といける方ではある!勝敗はいかに…!!!!
「………意外にイケる!!」
勝った!!!!!!!
食事中、サッカーサッカーサッカーサッカーサッカーサッカーサッカーサッカーサッカーサッカーサッカーの世界の中で唯一、テレ東だけが孤独のグルメを放送していて本当に助かった。愛してるよテレ東。
恒例のお通じ後のSiri爆発したんじゃないかっていう痛みの中、松重豊演じる井頭五郎を見つめつつ歯を食いしばり、手すりをギリギリ握りしめる。
いいなぁ五郎さんは好きなもの食べて…辛いものも食べて…おSiri痛くないのかな…。健康かな…健康だといいな…五郎さんはおSiriの悩み、なんもないといいな…。ずっと…好きなもの食べられるといいね…。
なんか限界ギリギリの思考にハッとした。
あるじゃん、私も、
好きなもの食べられるじゃん!!!!
口の中でとろけて、甘くて、痛くないよって言ってくれてるみたいだった。
ちょっと泣いた。