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11月文楽公演「心中宵庚申(しんじゅうよいごうしん)」@国立文楽劇場 2022年11月20日

大阪の国立文楽劇場まで遠征してきました。

夫婦なのに、なぜか心中してしまうというお話。
現代に住んでる立場からすると「どういうこと?」と思ってしまうわけですが…

話をよくよく読んでみると、嫁姑問題とか養子とか家業とか、家という社会でがんじがらめになっている夫婦が、追い詰められて死を選んだ、ということでしょうか。

文楽や歌舞伎は、その時代に起こった事件を即座に演劇に仕立てて上演したものらしいので、私達がインターネットで、凄惨な事件や芸能人のゴシップなどをエンタメとして消費するのと同じようなものなのかもしれません。

私もかつては桐野夏生の大ファンで、東電OL事件などを題材に小説化した作品を貪るように読んでました。

事件の背景に謎があるほど、創作の面白さが際立つので、「夫婦なのになぜ心中?」という疑問が注目された所以なのかもしれません。

ストーリーはこちらに載ってます。

主人公のお千代ちゃんは桐竹勘十郎師匠。そして夫役の八百屋半兵衛は吉田玉男師匠。同い年の鉄板コンビです。

お千代ちゃんの素直さ甲斐甲斐しさに癒されました。こんな感じなのに姑に何回も離縁されてしまうのがよくわからなかったのですが、農家から嫁いできた素直な女性だから、都会の商家に馴染めなかったのでしょうかね…

半兵衛がなぜに死を選ぶのかも、よくわからないですが、そもそも死を選ぶ理由なんて他人にはわからないもんですし。

私の座右の銘「文楽は、わからないくらいがちょうど良い」ではないですが、ストーリーの余白があるからこそ、あれこれ妄想するのが善き時間だなぁと。

そんなこんなに思いを馳せながらの観劇でした。

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