私の好きなセックス
セックスについて考える時、私の心はいつも迷路に迷い込む。
例えば、「快楽」。セックスは、もちろん気持ちいい方がいい。でも、ただ気持ちいいだけじゃ物足りない。体だけじゃなく、心も満たされるような、魂が震えるような感覚…。そんな、言葉ではうまく表現できない何かを求めている自分がいる。
それは、初めて夜景が見えるホテルのバルコニーでキスをしたあの時のような、心が飛び上がるようなスリル? それとも、海辺で手を繋ぎながら、ただ静かに寄り添って感じた安らぎ? いや、違う。もっと、心の奥底から込み上げてくるような、熱い何か…。まるで、暗闇の中に光が差し込むような、そんな感覚。
「ロマンチックなシチュエーション」への憧れも強い。夜景がきらめくホテルのスイートルーム、波の音が優しく響く海辺のコテージ…。そんな非日常的な空間で愛し合えたら、それはきっと、かけがえのない時間になる。
普段は仕事も大変だし、余裕のない毎日を送っているからこそ、たまにはドラマのヒロインみたいに、ロマンチックなシチュエーションに浸ってみたい。そうすることで、日々のストレスから解放されて、本当の自分に戻れる気がするんだ。
それに、美しい景色や音、香り…五感を刺激するものは、セックスの快感をさらに高めてくれる。シャンパンの泡が弾ける音、キャンドルの揺らめく炎、バラの花束の甘い香り…。そんな、ちょっとした演出が、心をときめかせてくれる。
「ランジェリー」へのこだわりも、女ならではの心理なのかもしれない。普段はOLとして、制服を着て、きちんとメイクをして…でも、彼の前では、もっと違う私を見せたい。レースやシフォンの繊細なランジェリーを身につければ、彼もドキッとしてくれるはず。
ある時、彼が私のランジェリー姿を見て、こう呟いた。「普段はがんばって仕事してるのに、こういう時は子猫みたいやな」。そんな何気ない一言に、私はドキドキした。それは、自信のない自分を隠してもっと魅力的に見られたいという気持ちの裏返しだったのかもしれない。だけど同時に、もっと愛されたい、彼に喜んでもらいたいという純粋な気持ちもあったんだと思う。
そして、私にとって「言葉」もすごく大切。セックス中だけじゃなく、普段から愛情表現をたくさんしてほしい。「好きだよ」とか「愛してる」なんて言葉を囁き合って、彼の愛情を確かめたい。愛されている実感がないと、不安になってしまう。
特に、「綺麗だよ」とか「可愛いね」なんて言われると、すごく嬉しい。女は、褒め言葉に弱い生き物だから。疲れた日は、「お疲れ様、頑張ったね」と優しく抱きしめてほしい。不安な時は、「大丈夫だよ、いつもそばにいるよ」と耳元で囁いてほしい。
彼の優しい声、甘い囁き…それは、私にとって最高の媚薬。言葉は、心を溶かし、体を熱くしてくれる。
こうして自分の気持ちを分析してみても、心の中に湧き上がる感情は本当に複雑で、すべてを言葉にするのは難しい。でも、一つだけ確かなことがある。セックスは私にとって、自分自身と向き合うための、大切な時間だということ。
セックスを通して、私は何を求めているんだろう? 理想の自分、理想の愛…?
それはまだ、はっきりとわからない。だけど、過去の経験やこれまで感じてきた思いを振り返りながら、少しずつその答えに近づいている気がする。
まだ私の物語は途中だけど、心から愛する人と、心から満たされる時間を分かち合える日がきっと来る。そんな未来を想像するだけで、今の私の一歩一歩が、きっとその未来に繋がっているんだと信じられる。