都合のいい女、だった私。

「ねえ、私たちって…一体何なの?」

 夜の静けさの中、勇気を振り絞って彼に問いかけた。返ってきたのは、曖昧な微笑みと、沈黙。その瞬間、胸の奥底に積もっていた黒い感情が、一気に噴き出した。ああ、やっぱり、そうなんだ。私は、ただの都合のいい女。カラダだけの関係。そう思われているんだ。

 初めて彼と出会ったのは、27歳の頃参加した、いわゆる合コンだった。周りの友達は、彼を「イケメン」「ハイスペック」と持ち上げた。確かに、彼は魅力的だった。整った顔立ち、スマートな立ち振る舞い、そして、私だけに向けられる甘い言葉。すぐに惹かれた。その夜、私たちはホテルに行った。こんな「軽い女」になったのは初めてだった。少し怖かったけど、それ以上に、彼と繋がりたい、という気持ちが強かった。

ここから先は

1,141字

¥ 100

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる

奈菜を応援してくれるあなたへ💖 いつも温かい応援をありがとうございます🙇‍♀️✨ 頂いたチップは、今後の活動の資金として大切に使わせていただきます💰✨ これからも、読者さんに楽しんでもらえるような記事を、心を込めて書いていきます✍️💕 応援よろしくお願いします📣😊