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水樹奈々 LIVE GRACE_OPUSⅢ 小ネタ集

今日から令和が始まる。改元の瞬間をこんな晴れやかな気分で迎えられることになるとは。「令和」と一発変換できるようになっているのに驚きつつ始めていこう。

ちなみに、2002年の5月1日は、5枚目のシングル「POWER GATE」が発売された日なのだそうだ。水樹奈々記念日bot(@nana_specialday)さんが言っていたので間違いない。

「僕らで時代とか変えてやろうぜ」

やはりこの水樹奈々。もっている。伏線は17年前から張られていたのだ。


そろそろ本題に入ろう。

私は昨日、歴史的改元の瞬間をどう過ごそうか悩んだ結果、アルコール片手に水樹奈々 LIVE GRACE_OPUS Ⅲ をフルで再生することを選んだ。

そうして初めて、この記事を書かせるまでに至った、問題のメイキング映像を見てしまったのである。

もう水樹奈々ガチ勢は発売初日に見ていて当然だと思うので、今更なにをwと石を投げられ嘲笑されても仕方ないのだが、それでも私は、昨日気づいたこの面白さを諸兄らと分かち合いたくて仕方がない。どこぞのななしさんも、オタクはもっと言語化しろと言ってたし。


① 1日目 Wアンコール「粋恋」 ~裏切りのヴァイオリン。大パニック☆奈々嬢 編~(ONE PIECE風に)

本題に小ネタ「集」と書いたな? あれは嘘・・ではないが、今回の記事ではこの①をとにかく突き詰めていきたい。長くなると思うが、どうか最後まで読んでほしい。できる限りわかりやすく解説するから。

諸兄らは、スペシャル枠の「粋恋」を聞いただろうか。

コンサートマスターである室屋光一郎さんことムッシュと一対一で演奏した、あの粋恋である。

大前提として、粋恋はとてもよかった。私は両日参戦していたので現地で聞いたのだが、未だに冒頭のヴァイオリンの第一声を思い出して震えている。あの始まりのヴァイオリンは、多くのオタクたちを切り裂いた。格の違いをわからせてきた。だが対する奈々嬢も、伴奏一本しかないとは思えない圧倒的安定感で、重厚な世界観を見事に歌い切ったのだ。正直、泣いた。

だがこの直後、現地にいたオタク達は奈々嬢の衝撃的な一言を聞いたはずだ。

「練習と全ッッッ然違う・・・(震え声)」

そう、何を隠そうこのムッシュ、冒頭のヴァイオリンソロを、練習と全く違う形で披露したらしいのだ。完全な「アドリブ」を仕掛けたのである。恐ろしいことに、本番中に。

当然私たちはそんなことに気づかない。だが奈々嬢は心底慌てふためいたことだろう。「どのタイミングで歌い始めればいいのこれ・・?」いや正確にどう思ったかは知らないが、心中察するに余りありすぎて涙が出てきそうだ。いや、もう泣いた。私がそんなことをされたら、舞台上で相手をどつきまわしている。

前置きが長くなってしまったが、今回の「粋恋」では、冒頭のヴァイオリンソロに裏切られた水樹奈々の表情に注目しながら見てほしいのだ。

さあ、DVDの再生準備は整っただろうか。問題のシーンを冒頭から振り返っていこう。

青のペンライトで埋め尽くされた会場に、厳かに響き渡るヴァイオリンの音色。弓の影から見えるムッシュの、なんと穏やかな微笑みか。この男、一人の女性を裏切りながらノリッノリである。完全に粋恋の世界に浸っている。

そして、ソロの終わりと同時に画面が引き、水樹奈々が現れた、そう!そこだ!その表情!困惑&大パニック&ドン引き水樹奈々!これこそまさに水樹奈々の素の表情だろう!永久保存版だ!そして、大パニック水樹奈々がムッシュの方をチラッと向くと「おやどうしました?」と言わんばかりのお惚けムッシュのアイコンタクト!一体あの瞬間にどれほどの情報が二人の間で行き来したことだろうか!そしてよく歌いだせたな水樹奈々!

いや失礼、気持ち悪いな。許してほしい。でもかなりレアなシーンだと思うのだが、いかがだろうか。

ちなみにこの件の本編はこれで終わりだが、メイキング映像の方に、この件の「舞台裏」がある。アドリブの事実を念頭に置いたうえで見ると、さらに面白いのではないだろうか。

メイキング映像は主に二つ。

一つは、粋恋のリハーサル。二つめは本番直後の楽屋裏だ。

ちなみにここから先は、メイキング映像のネタバレしかない。まだ初見ですらない諸兄らは今すぐ家に帰って画面の前に座ってほしい。初見の感動を奪う権利は誰にも無いのだが、事故はある。本番直後の演者が、緊張感から解放されて興奮しながら本番を振り返る貴重なホームビデオ風のシーンだ。なかなか見れるものではないのだから。



ムッシュの名誉を守る意味でもあえて強調して書かせていただくが、楽屋裏での奈々嬢によると、ムッシュはリハの時点から毎回、冒頭を変えて演奏していたらしい。だがベースとなる部分は一緒なのでそれほどでもなかったようなのだが、本番の粋恋はこれらのリハとも全く違う「アドリブ」だったようなのだ。まさに「アドリブ」。何しとんねんムッシュ。

ここからは私の勝手な考察だが、メイキング映像には一回分だが粋恋のリハーサルが含まれているので、簡単に比較してみようと思う。与えられた手札で勝負するしかないってスヌーピーも言ってた。なお、事実と違っても責任はとれない。リハに参加したことなどないのだから。これが俗にいう邪推である。

さて、リハーサルでは水樹奈々が歌いだす直前は、ミ♭(二拍)レ♭(二拍)ド(四拍)となっており、次に入る水樹奈々にもわかりやすい構成となっている。恐らく、水樹奈々が「ベースは一緒」と発言したのはこの部分ではないだろうか。どんなに前半遊んでいても、この3音が聞こえたら歌えばよかったのである。多分。

だが本番はどうだろうか。まさかのミ♭(二拍)ド(四拍)である。これには水樹奈々じゃなくてもビビる。いや、実際に「この音・拍数で動く」なんて取り決めがあったのかは知らないが、少なくともメイキングと本番でこうも違うのだ。当事者たちの衝撃たるや計り知れないだろう。なお、この場面について、楽屋裏で門Dが「キーがわかんない・・・(奈々さん)どうするんだろう・・?」と発言しており、内容はともかく関係者陣にも衝撃的な終わりだったことがうかがえる。更にムッシュもソロ終わりの一瞬の間と、奈々嬢の横顔で「もしかして終わりがわからなかった…?」と奈々嬢の状態に気づいていたらしく、弦を弾いて「入り」のきっかけを作ろうとしていたらしい。(ムッシュが奈々嬢の方を向いたのは煽っていたわけではなかったのだ。失礼いたしました。)

もうこれだけでも、あの一瞬の間にどれほどの緊張感があったか、推して知るまでもないだろう。ドが3拍過ぎたあたりでかなり焦ったに違いない。なにせ次は自分の番なのだ。あの時、きっと水樹奈々は来るはずのないもう一音を待っていた。だが、思いもよらないタイミングでソロが終わってしまった。さらにキーもわからない。絶体絶命の大ピンチだ。アニメでさえ来週に持ち越す場面だろう。

だが、そこからの立て直しは、諸兄らのご存知の通りだ。まさに見事としか言いようがない。この時、奈々嬢は「自分のCD絶対音感を信じた」と発言しており、まさに自分の人生で培ってきたスキルをフルに使ってあの難局を乗り切ったのだ。こんな大局を私は平成の終わりに見つけたのかと、自画自賛の嵐だ。これは令和に続く私への、水樹奈々からのメッセージに違いない。

何があっても、自分を信じろと。


と、いい感じに文章を締めつつ、最後の楽屋裏の門D・ムッシュ・水樹奈々の会話はマジで面白いのでぜひ見てみてほしい。「我々素人はわかんないよ・・プロじゃないから・・」のくだりは何回聞いても面白い。そして、今回のムッシュの、水樹奈々を信頼してのアドリブの嵐は、誰が焚きつけた(笑)黒幕だったかわかることだろう。そして感想を語り合いたい。

最後に、今回の LIVE GRACE_OPUS Ⅲ に最大級の感謝を捧げたい。いつか、一曲ずつ感想を綴ったのを運営に送り付けるつもりだ。本当に最高の時間だった。いろいろと書いてしまったが、私はムッシュのことが大好きだ。Ⅰからのファンだ。今回の件など、まさにプロとプロの意地のぶつかり合いだ。あなたがいなければこの伝説は生まれなかった。今後とも水樹奈々との共演を楽しみに生きていこうと思います。

(ところで、 LIVE GRACE_OPUS Ⅲ のCD音源、みんな欲しくない?)




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