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夢が終わったあなたへ——その先にあるもの

夢が終わった日、私は空っぽになった


7歳で決めた。私は女優になるって。
20歳で芝居の門を叩き、芸能事務所に所属した。
夢が叶った瞬間だった。

でも、その夢を叶えてから想像もしなかった地獄があった。

オーディションで落ちるたびに自信を削られ、双極性障害を患い、鬱と躁状態を繰り返しながらも「やめたくない、まだやれる」と限界まで走り続けた。
けれど、気づいたら東京で独り。もう続けられなかった。

そして、夢は終わった。

あんなに望んでいた世界から降りた瞬間、私は空っぽになった。
「何者でもない自分」に耐えられなくて、興味のない資格を取ったり、適当に仕事を変えたりして埋めようとした。必死で3年間もがいた。
でも、何をやっても満たされない。

夢が終わると、人生はこんなにも虚しくなるの?

何者でもない不安と戦い続けた日々


夢を失ったあとの私は、ひたすら「肩書き」を求めた。
「これさえ手に入れたら、自信が持てるかも」
そう思って、興味もない資格の勉強をしたり、収入や安定を理由に仕事を選んだりした。

でも、どれも続かなかった。
心が動かないことをやるのは、女優を辞めたとき以上に辛かった。
自分で自分の人生を選んでいない感覚が、余計に私を無力にさせた。

「私、本当は何がしたいんだろう?」

「好きなことだけ」やると決めたら、世界が変わった


そんなとき、ふと「お金や肩書きのためじゃなくて、本当にやりたいことをやってみたら?」と思った。

もう失うものってなくない?今の私、むしろ最強じゃない?
こうして興味のある仕事を選んでみた。好きなことに時間を使ってみた。

すると、驚くほど人生がスムーズに進みだした。
もちろん新しい世界は慣れなくて「こんなことも知らなかったのか」と自分にがっかりすることもあった。

でもやりがいがあるから続く。続くから成長する。成長するから評価される。
その流れの中で、私は気づいた。

——夢は終わったんじゃない。形を変えて続いているんだ、と。


夢で培った「コミュニケーション力」「想像力」「自分を表現する力」は、まったく別の業界でも必要とされた。
私は新しい世界で、生き生きと輝いていた。

そして、ある日ふと思った。
「OLとして働く私、めっちゃ楽しい!」

かつては「華やかな人生しかいらない」と思っていた。
でも、まったく違う世界にいる自分が、こんなにも刺激的で楽しいなんて知らなかった。

結論:あなたの夢も、終わっていない


「夢が終わる」という言葉は、ある意味で嘘だと思う。

夢は、終わらない。形を変えて、これからの人生に溶け込んでいく。

あなたが夢に懸けた情熱や努力、そこで培った力は、すべて未来のあなたの糧になる。
むしろ、夢に全力を注いだからこそ、どんな人生でも輝ける能力を手に入れたのだと思う。

夢を失ったと思うなら、それは新しい人生の始まり。
知らなかった世界の幸せを、これから何度でも知ることができる。

人生って、そんな特権が与えられた人だけが味わえる刺激的な旅なんだ。

だから、夢が終わっても大丈夫。
あなたの未来は、今からもっと面白くなるから。

その夢は、発想次第で持続可能な形で再利用し続けられる。

夢が終わったあなたへ、夢の途中にいるあなたへ、これから夢への道を歩むあなたへ。

人生はいつだって何度だって輝く。

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