名刺を使い分けるということ。
高校生の時に「名刺は用途によって使い分けた方が良い」と言われた。
当時の自分はその言葉を咀嚼しきれていなかったが、大学に入学して様々な経験を重ねていくうちにようやくその意味が分かった気がする。
いやまだ君は大学生じゃないかと思われるかもしれないが、芸大生というものはちょっと特殊である。
学生のうちから先生の仕事に同行してお手伝いさせてもらったり、個展を開いてみたり…
業界人といつどんなタイミングで出会うか分からない中で日々を過ごしている。
そんなご縁とタイミングで偶然出会った人から道が広がっていくことも少なくはない。
というかむしろそうやって広がっていく業界であると言っても過言ではない。
だからこそ貪欲に「出会い」と「繋がり」を求めているのである。
学生のこちらが名刺を差し出せば、先方も出してくださることが多い。
今すぐに何かアクションを起こすために受け取るというよりかは、未来の自分のためにコネクトを作っていると言った方が良いかもしれない。
海外のファッションウィークに参加した際も、ショーやアフターパーティで親しくなった業界の方に必ずお渡しする。
今回は芸術大学でファッションを学んでいる学生が、名刺をどうやって使い分けているのかシェアしようと思う。
まず今手元にある名刺は大きく分けて2種類
①日本語表記/自分のアトリエの住所/使えるアドビソフト/仕事用Eメールアドレス/作品用垢のインスタ
②英語表記/仕事用Gメールアドレス/個人と作品用垢のインスタ
(共通項目は、所属大学・学科・コース/自身はどんなデザインができるのか)
結論から言うと、その人と今後どのような関係を築きたいかを瞬時に判断して使い分けている。
①を渡す時 日本国内で今後自分の仕事に繋がりそうな場合、既にお仕事の話が進んでいる企業様、発送にて納品があるお取引先様
②を渡す時 海外で出会ってもっと親しくなりたい方、海外関係の仕事の場合
ここでひとつ、学生ならではの特権を紹介する
「まだ学生で名刺持っていなくて…」
魔法の言葉である。
社会人で顔合わせの際に名刺を持ち合わせていなければ礼儀としていかがなものかと思うが、学生のうちはこの魔法の言葉が使える。
学生というだけで安く案件を提示されたり、未熟な立場を利用して交渉されたり、全てが前向きなわけではない。
自分を守るためにも魔法の言葉を使いながら、今後の自分にプラスになる期待を込めてお渡しするのである。