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「お菓子作り的アプローチ」と       「おかず作り的アプローチ」

スコンが食べたい。
急に思い立つことが多い。夕食後、キッチンが片付いたとき、朝、起きたとき、あと、スコンの写真やイラストを目にしたときなんかに。
粉とバター、ベーキングパウダーは切らすことがないので、面倒くささと欲求とを天秤にかけて、たいていは作ることになる。

考えてみると、これは食べたいというより、スコンを作るときの小麦粉とバターが混ざっていくときの手触りとか、スコンの抜き型の形や大きさとか、焼けるときの香りとか、完成へのプロセスのイメージが楽しいのだと思う。

このあいだ、もうちょっと込み入ったお菓子を作っていて、何かに取り組むとき「お菓子作り的アプローチ」と「おかず作り的アプローチ」があるなぁと思った。

「お菓子作り的アプローチ」では初めに材料を測って、レシピ通りの順番で手順通りに作ることで完成していく。書いてある通りに測って、指定された温度を設定すれば、焼き時間は多少、前後するにしても完成する。
完成後には、本体に塩味を足すとか、甘みを加えるとかは難しい。生クリームを横に置くとか、ジャムを塗る、みたいな形でなら可能だけど。

「おかず作り的アプローチ」にはおおよその目安としての分量がある。にんじん1本、と書いてあってもモウナファームの4センチくらいのミニにんじんも、スーパーで売ってる25センチのにんじんもにんじんだ。
野菜本体の味も甘みが強いこともあれば、スカスカなこともある。水分が多かったり、萎びてたり。にんじん1本の大きさも味もその時々。

だから、味付けも目安として醤油や砂糖の量がレシピに載っているけれど、その通りでOKかどうかが変わってくる。体調や気候によって、しょっぱ目がおいしかったり、甘めがおいしかったりと人間側も変わる。
おかず作成プロセスでは、味付けは最後のところでこれが美味しいね、というところに持っていく。レシピ通りに測って、同じ味にはならない。多大な応用力、あるいはいい加減力が必要とされるのだ。

生活の中でもこの両方のアプローチを使ってる。チームで動くときのプランはお菓子的だし、実際に動き始めてからはかなりおかず的。子育てはひたすらおかず的で、プランが無に帰することが前提で、最後にお醤油やお砂糖やごま油とかで調整しまくるような、そんな感じ。
案外、素材のまま、塩だけでみたいな方がいいのかもしれない。


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