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もの喜びする
坂口恭平氏の「cook」をパラパラ見て、あとがきを読み返し、Kindleで土井善晴氏の「暮らしのための料理学」(NHK出版)を読んでいたら「もの喜びする」という言葉が出てきた。
〜日本人は、毎日同じ変わりばえのない暮らしを
していても、自然の移ろいに表れる小さな変化
に美を見つけるのです。…
そういうちょっとした変化に気づいて、うれしく
なることを「もの喜びする」と言います。「もの
喜びする人」はおのずからしあわせになる人です〜
そして「周囲にいる人をも、幸せな気分にさせるのです」と続く。
このふるまいに言葉があったのですね。
若かりしころ、母親がどこぞで梅が咲き始めたと言ってはほくほくし、あけびが売ってたと言っては驚いたりしているのを見て、「そんなこと、なんでいちいち」と思っていたが、元気に喜寿を迎え、シャキシャキ買い物に行き、留守にする日は夫の昼の用意をして出かけ、毎日3食、手作りしている(らしい)のを見ると、おのずからしあわせになる秘訣をどこかでゲットしていたのかもしれない。
そうそう、読み始めたこの本の中に数日前に「お菓子作り的アプローチ」と「ご飯作り的アプローチ」で思ったことについて、しっかりと解説してあった。一汁一菜が一汁三菜になったいきさつや、「和える」を英語でどう伝えるかについての話もとても面白い。
食事作りや手仕事という人生の前半では無縁だったものが、ここにきて急に中心的課題になっている。