保健師のタイムマネジメントについて考えてみた話【保健師伴走活動】
こんにちは。ななと申します。
育休中の保健師で、現在グラフィックレコーディング(グラレコ)をはじめとする「見える化」で保健師に伴走する活動をしています。
育休から復帰まで、あと半年を切りました。
復帰後は、保育園の迎えなどもあるため、より効率的に仕事を進めねばと思い、タイムマネジメントに真剣に向き合おうと考え始めました。
これまでも、いろんな時間管理術の考え方を保健師の仕事に落とし込んで考えてみようとしてきたんですが、なかなか難しい。
なぜだろう。どうすればいいんだろう。
今回は、私なりに保健師のタイムマネジメントについて考えてみました。
結論:保健師の仕事は突発的なものが結構あるので、スケジュールに余白を作っておくことが必要そう。スケジュール貯金ができるよう、現状を見える化することから始めてみよう。
保健師がタイムマネジメントを難しいと感じる理由
タイムマネジメントを考えるきっかけ
私がタイムマネジメントに真剣に向き合おうと思ったきっかけをくれた本がこちら。
平成の人気番組「マネーの虎」にも出演されていた臼井由妃社長さんの「やりたいことを全部やる!時間術」。
夫がたまたま読んでいた本をちらっと読ませてもらったら、とても読みやすく、すいすい読み進めました。
臼井社長さん自身が実践されている時間術がまとまっており、いろんな気づきをもらった本でした。
保健師の仕事は突発的なものが多い
この本の中に「仕事終わりに明日しなければいけないことをすべて紙に書きだし、3色のマーカーで分類する」という方法が出てきます。
3色は、赤は相手があって時間が固定されている用件、青は自分ひとりでもできるもの、緑はスキマ時間にできるものに分類。そして、優先順位をつける。
ただ、保健所や保健センターで対人支援をしていると、「やろうと思っていた仕事」と「実際にやった仕事」にすごくギャップを感じるときがあると思うんです。
例えば、前日の段階で、明日は午前中に○○さんの家庭訪問に行って、午後にじっくり事業の企画を練り、家庭訪問の記録も書こう、時間あるときに来週の研修の旅費の申請をしよう、というような計画を立てたとします。
この時点では、赤、青、緑に分類できそうです。
しかし、実際には午前中に家庭訪問から帰ってきたら、自分の担当ケースが急変していた。あるいは、緊急の連絡が入っていた。
もしくは、自分の担当地区で新規ケースが出ていた。
または、出た電話が相談電話で気づいたら1時間対応していた。
あれ、私の午後の時間はどこに行ったんだろう。もともと計画していた青や緑まで全然たどり着けなかった…。むしろ仕事が増えた…。
このように、1日を振り返ったときに、前日につけた赤、青、緑以外の仕事で大半の時間が持ってかれていたということが、保健師にはかなりあると思うのです。
つまり、突発的な仕事の割合が結構あるがゆえに、計画を立てていてもそれ通りにはいかず、さらに仕事は増え、時間がなくなってタイムオーバーしてしまう。
かといって、事業の企画調整や記録といった”青”の仕事や、事務処理を始めとする”緑”の仕事も結構あるし、それをどんどん先延ばすと大変なことになる。
ここに保健師がタイムマネジメントを難しいと感じる理由がある気がします。
タイムマネジメントの鍵は、スケジュール貯金
突発案件にも対応しつつ、”青”や”緑”の仕事も確実に進めていかなければならない保健師のお仕事。
となると、あらかじめ突発案件に備えて、スケジュールの余白を作っておく必要がありそうです。
ここで、私なりに「スケジュール貯金作戦」を考えてみたので、共有させてください。
時間の管理はお金の管理と似ているかも
臼井社長さんの本には、時間を「出費」と表現されており、私的にはこの表現がとてもしっくりきました。
この表現からヒントを得て、時間管理も家計管理のように考えてみると良いのかなと考えました。ザ・主婦の発想です。笑
手順①支出(=仕事時間の内訳)の把握
家計(=スケジュール)を整えるためには、まずは支出の把握。
まずは、1~2週間、自分の仕事を記録してみて、何にどのくらい時間がかかったのか、それは計画通りだったのか突発的だったのか、時間の「支出」の内訳をメモしてみようと思います。
これを思いついたきっかけは、育休中の友人のnote。
友人が育児疲労の軽減のため、平日のワンオペ育児時間を詳細に記録し、きめ細やかに問題点を分析し解決策を考えていたので、私もそれを仕事に置き換えてやってみたいと思いました。
試しに、復帰前の仕事を思い出しながら、架空の時間支出簿を作ってみました。
15分を1マスにして、かかった時間の分だけ色を塗ってみました。
色は、先ほどの赤、青、緑ルールに加え、突発案件は黄色で塗ってみます。
(上司や後輩から話しかけられるのも、突発っちゃ突発ですよね。)
こんなふうに見える化してみると、自分の1日の時間の動きが客観視ができると思います。
手順②貯金(=生み出すべき時間)がどのくらい必要そうか確認
現状を把握できたら、どのくらい余白を作っておくべきなのか概算を捉えます。
もちろん突発案件は、時期によっては全然なくて平和なときもあるし、立て続けに起こることもあります。
突発案件が続いたとしても、他が落ち着いていればスケジュールの余裕は保たれるかもしれません。
そのため、一概に「1週間で〇時間確保できれば絶対OK」ということはないと思います。
ただ、どのくらいの余白があれば、自分の心の余裕は保たれるだろうと客観的に捉えておく必要がある気がします。
こうしておけば、平和な日でも突発案件に備えてスケジュール貯金をしておこうというモチベーションにもつながると思います。
手順③節約(=効率化)できそうなものは取り入れる
必要なスケジュール貯金がわかったら、その時間を生み出すための方策を練ります。
実は、現状を把握してみると、意外と突発案件はそんなになくて、実際は無駄が多かったということも、私の場合はありそうです…。(最初の話と違う。笑)
「いきなりケースが急変したから対応に追われて、今週は何も進められなかったな~」と思っていても、実際にその対応にかかっていた時間はわずかだったという現実にも直面しそうだと感じています。
では、何も進められなかった真の原因はなんなのか。
計画の見通しが甘かったから?もともとの仕事の進め方に問題があったから?ケース急変によってマインドが乱れたから?うっかり夜更かしして眠かったから?
原因を分析しながら、時間の節約を試み、手順②で概算したスケジュール貯金を生み出せるようにしたいです。
そのためには、ぜひとも他の保健師さんがやっているお仕事ハックを取り入れたい。
やはり保健師の仕事のことは、保健師に聞くのが1番だと思うのです。
保健師のお仕事ハックを共有する保健師タイムマネジメントハック会とかあったらいいな、と最近は考えています。笑
手順④それでもだめなら上司に相談
いろいろやってみてもだめなら、もともとの業務量が多かったり、人手不足だったり、自分ではどうにもできないことが考えられます。
業務量の調整や人員については、管理職のお仕事なので、上司に相談しようと思います。
そのときに手順①~③を記録してあれば、「大変なんです!」という主観的な訴えではなく、客観的な事実とともに相談できるので、上司も一緒に考えやすい気がします。
(それで、一緒に考えてもらえない環境だったら、環境自体を変えることも考える必要があります)
タイムマネジメントにおいても、見える化は大事
保健師と一括りにしても、配属先やスキル、周囲の環境によって、突発案件の発生頻度や所要時間はかなり違ってくると思います。
まずは、いったん現状を把握してみる。
そのためにも「見える化」してみることが大事だと感じています。
最初に紹介した臼井社長さんの3色マーカー活用法も、まさに見える化。
見える化することで、必要なことや問題点が具体的に浮かび上がってきますし、見える化したものを周囲に見せることで、相談しやすくなるのではないでしょうか?
私は常々、グラレコを始めとするビジュアルシンキングの可能性を多方面で語っていますが、タイムマネジメントにおいても活きてきそうだなと実感しました。
ということで、今回は保健師のタイムマネジメント攻略法を私なりに考え、「スケジュール貯金のために、現状を見える化して、ハックをどんどん取り入れる」ことから始めようと思いました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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