隣人 p.2
最近、隣人が怖い。
歳は一回りは上だろうか。直接聞いたことは無いけれど、恐らくそのくらい。
引っ越しの挨拶をした時は気さくな印象で、しかも美人だったから正直浮かれていた。
親切な人で、部屋の鍵を失くして冷や汗をかいていた時は、一緒に探してくれたし、好物の話をすれば作って持って来てくれた。学生の一人暮らしは大変だろうと、なにかと気にかけてくれた。
初めての一人暮らしで不安も多く、ついつい甘えてしまっていた。
それが間違いだった。
そのうち、女友達を部屋に呼ぶのはどうかと思うとか、ゴミの分別がどうのとか、私生活に口を出してくるようになった。
世話を焼いてもらったこともあり、最初はヘラヘラ謝っていたけど、次第に鬱陶しくなってきた。
__ある日、アルバイトで帰りが随分遅くなってしまった。家に着くと部屋の鍵が開いている。
締め忘れたかな?と思い部屋の中に入ると
「お帰り」
隣人が笑顔で立っていた。