#42 イスカンダル湖自力での行き方
昨日宿であったパミール帰りのイギリス君がイスカンダル湖に行こうか考えていると言うので、行き方調べてあるよ!一緒に行く?と誘ってみた。土日は地元の人も観光に行くため、ヒッチハイクが拾いやすい反面、それなりに混んでいる。と聞いていたので、私の体調の完全復活も待つ意味も含めて、月曜日出発する事にした。
月曜日の朝、6時半にホステルにタクシーを呼んで、イスカンダル湖周辺の町、Sarvoda(サルヴォダ)行きのシェアタクシー乗り場であるChorbogh(チョルボー)ミニバスターミナルへ向かう。メーター制で35ソモニ(489円)
チョルボーミニバスターミナルに着くなり、シェアタク、白タクのおじさん達にタクシーが凄まじい勢いで取り囲まれる。こんなに取り囲まれたのはタンザニア以来かもしれない…落ち着け!とイギリス君がおいちゃん達に声をかける。サルヴォダ行きを探していると伝えると、600ソモニで行ってやるよ〜とか交渉が始まる。いや、シェアタク探しているんで!と言うものの、オフィシャルのサルヴォダ行きのシェアタクはないか、車のサイズが10人乗りぐらいなので、集まるのに時間がかかりそうな感じだった。ひとりのおっちゃんが、4人+運転手乗れる車だから俺の方が人数集まるの早いはずだ。と言ってくる。交渉すると、ひとり70ソモニ(975円)との事。まぁ妥当な値段だ。オッケーをだして、他の乗客を待っているとすぐに集まって出発となった。車がターミナルを出発してから気がついたのだけれども、ターミナルの裏側にはカフェやレストランが沢山あった。対して待つ必要がなかったからいずれにせよ食べられなかったけど、朝ごはん食べたかったな〜。
サルヴォダに行くまでの道も絶景の連続。タジキスタンは壮大な岩山だらけ。途中の峠に長そうなトンネルがでてきたな〜と思ったら、なんと明かりもなければ、換気システムもない。ところどころ水が漏っており超怖い。土煙がトンネル内立ち込め、視界が悪い中、突然前方に故障車。絶対私だったらこんな中止まりたくない!粉塵爆発とか起きないよね?と思うほどの土埃と排気ガス。早く出たい〜と思うが、なんとこのトンネル5kmもあるらしい。運転手もこのトンネルめっちゃ危ないよな〜とか言いながら、凄まじいスピードで飛ばす飛ばす…
ようやくトンネルを抜け、しばらく走るとイスカンダル湖に行く分岐点に到着。サルヴォダまで行くと行き過ぎてしまうのと、そこからのイスカンダル湖への白タクはぼったくり価格でしか走ってくれないと聞いていたので、分岐点で降ろしてもらい、ヒッチハイクで向かう事に。分岐点の村の名前はZarafshon-2。橋を渡って右に曲がったところにバス停のような建物があり、そこでヒッチハイクをする事に。
何台か車は通るものの、大体満車で乗せてあげられない〜ごめ〜ん!と通り過ぎていく。日差しが強くなって来た…ヒッチハイク作戦を始めて30分ほど、ガラスを荷台に積んだ小さなトラックが通りかかって止まってくれた。イスカンダル湖に行きますか?と聞くと、イスカンダル湖には行かないけど、◯◯には行くよ。乗るかい?とのこと。その◯◯がどこを指しているのかわからない。地図を見ながら、イスカンダル湖に行く途中の村の名前を呼び上げていく。うんうんと頷きながら聞いている運転手さん。途中で道が分かれる村があり、その村の名前を読み上げると、その村まで行く?と聞いてくれた。日陰でちゃっかり携帯でチェスをしてサボっていたイギリス君に、途中までなら行ってくれると言うけど、どうする?と確認する。まぁ行くか。という事になり、おじ様のトラックにお邪魔する。
途中何個かの可愛らしい村を経由して、トラックは坂を上がっていく。30分ほどすると、さっき地図で見た分岐のある村に到着した。おいくらですか?と尋ねると、おじ様はそんないいよいいよ。と左胸に手を当てながら首を振って去っていった。しかも分かれ道をイスカンダル湖じゃない方に進むのかと思いきや、Uターンして戻っていくではないか!?おじ様の目的地を超えて送ってくださったらしい。ありがたや…ありがたや…
小屋の前の日陰に腰掛けて、次の車を探すも、皆満車。ひとりなら乗せてあげられるけど〜と言ってくれた車もあったが、私達はふたり…湖まではあと8km。待ってても仕方がないから歩く?とイギリス君に提案し、炎天下の中歩き始める。距離は全然歩ける距離なのだが、登り坂である事と、日陰がない事が辛い。また数台車が走っていくが、満車。歩き始めて15分ぐらい経った頃、またジープが一台通りかかる。運転手が手を広げて肩をすくめる仕草(無理という意味)をして通り過ぎて行ったから、また満車なのかと思ったら、ちょうど2人座れる席が後部座席に空いているではないか!なんだよ〜!乗せてよ〜!とイギリス君と今の車空いてたよね?と言っていたら、車が停まり、バックで戻ってくるではないか。
車に近寄ってみると、外国人女性が助手席に乗っているではないか。どうやら車は彼女のプライベートツアー車のようだ。乗せてもらってお礼を言うと、彼女はこんな炎天下の中歩くなんて死んじゃうわ〜と思ったのよ。グループツアーに参加したはずが、蓋を開けてみたら私しかいなくて、スタンの国4カ国をそれぞれの国にガイドとドライバーが付いてひとりで回っているのよ〜。との事。元々はイギリス人だが、アメリカ、ニューヨークに住んで長いと言う。
それにしても拾ってもらえて良かった…車はかなりの山道を進んでいく。これは歩けない。絶景の連続。運転手さんは滝の前で写真ストップを撮ってくれた。イギリス人のおば様が少し丘の下に下った私の写真を撮ってくださった。至れり尽くせり。ありがとうございます。
あっという間に車は湖の入口に到着。自然保護区へ入るのに登録が必要との事で、ここで車を降ろしてもらい、お礼を言って別れた。自然保護区への保護管理費?は外国人の場合1人あたり25ソモニ(348円)謎だったのは25.26ソモニと、記載されている料金が細かい金額だったこと。25ソモニで大丈夫だったけど。また、入場者リストのようなものがあり、そこにパスポート番号とかを書き留められるので、パスポートは持って行った方が無難。2人のうちイギリス君が先にパスポートを出したら、私は出さなくていいと言われたので、代表者でいいみたいではあった。
お店で砂糖の入ったジュースを買い、Maps.meに掲載されているトレッキングルートを歩き始める。(湖向かって左手側の鉄塔がある方へ上がっていく)
歩き始めて速攻急坂な上に、砂地に小石だらけの滑りやすい道で、すでに先が思いやられる。鉄塔まで登り、写真撮影。どこまでも蒼いイスカンダル湖が一望できる。イスカンダルとは、ペルシャ語でアレキサンダーのことで、かのアレクサンドロス大王が、東方遠征の際、インドに下る前にこの湖で馬と兵を休ませたと言う伝承が湖の名前になっている。実際タジキスタンの人の中にはこの湖のように真っ青な瞳をした人も多く、アレクサンドロス大王の瞳の色に思いを馳せながら、絶景を堪能する。
その後少し戻ってObservation point pass を目指す。これが意外と遠い。登りが続くことと足場が悪いこと、高度が上がって来て風は涼しくなって来たものの、日差しは相変わらず強いままであることの三重苦でなかなか思うように進めない。なんとかObservation point pass についたものの、特段景観が変わるわけでもなく、森に向かって坂道を降りる事にした。
これまたなかなかのガレ場。私ヤギじゃないんですけど?と思うような滑り落ちそうな場所もあって、慎重に歩みを進める。イギリス君はトレッキングシューズじゃないこともあって私の3倍ぐらい時間がかかる。本当になかなか進まない。
ようやく森に入り日陰でほっと一息。2.5L持って来た水も底をつきたので、氷山が溶け出た川の水を簡易フィルターを使って飲む事に。川の水をペットボトルに汲んでいると、大量の虫が手足に張り付いているのが目に入った。ん?なんだこの虫?!蚊だ!!マダラシマ蚊とは違う、茶色の大きめの蚊。刺すのかわからないけど、肌に近づいてくるということは刺すのだろう。逃げろ〜!!すごい勢いで蚊を叩き落としながら走って逃げる。こんな大量の蚊見た事ない!!
日陰を早々に追われ、意気消沈する私たち。まだ今晩宿泊予定の村までは9kmほどある。歩けないことはないが、山を降りて来てしまったのでまた気温が上がっている。イギリス君が、今日泊まる民泊のオーナーに事前に連絡してくれてあったのだが、迎えに来てもらえるか聞いてみる?と提案してくれる。そうだね、歩くの辛いよね…もう少し歩けば電波が戻ると思うから、電波が戻り次第連絡してみるよ。とイギリス君。太陽が傾いて来たので、日陰がところどころできていてありがたい。のんびり歩いているうちに、電波が戻った。オーナーが30分ぐらいで車で迎えに来てくれると言う。値段は130ソモニ(1,800円)良かった!
タジキスタン政府所有で、ラフモン大統領も滞在した事があるという別荘を見ながら歩いていると、オーナーが迎えに来てくれた!クーラーの効いた新車のトヨタ車は快適。途中滝の写真撮影に止まりながら、宿泊予定の村Sarytag(サリタグ)を目指す。この道もそれなりに登りだったので、やっぱり迎えに来てもらって良かった!
29/June/2024
【チョルボー・ミニバスターミナル】
https://maps.app.goo.gl/tZjizUu4fxDW7FG58?g_st=com.google.maps.preview.copy