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#68 ワハーン渓谷、パミールハイウェイ旅 ホログからムルガブへ

朝7時目覚ましで目が覚める。久しぶりによく寝た。が、お腹が痛い。昨日調子に乗ってソフトクリーム、ビール、カレーなんか一気に食べたから胃がびっくりしちゃったんだな…私のバカ。

熱いシャワーで気合を入れて、Bidurbのムルガブ行きシェアタク乗り場へ向かう。宿の女将さんにタクシーを呼んでもらい42ソモニ(575円)だった。場所はMaps.meでShared Taxis to Murghob (new location)と検索。

シェアタク乗り場には8時半に到着。タクシーのおじちゃんがムルガブ行きのシェアタクを探してくれるが見つからない。するとベッカム似のイケメンのおじちゃんが近づいてきてムルガブ行く?と聞いてきた。シェアタクの運転手さんですか?と聞くと、違う違う、俺もムルガブに行きたいんだけど、シェアタク1時間ぐらい前に出発したらしくて、今日はもうないって他の運転手が言うんだよ〜。どうしようかな〜と思ってさ〜。と言うドゥシャンベの人だった。ムルガブへは中国産の電気自動車を買いに行くらしい。おじさん曰く、タジキスタンは産油国じゃないのでガソリンが高い。だから最近では中国産の電気自動車が流行っているとの事。なるほど、これでドゥシャンベ→ホログのオフロードを中国産と思われる電気自動車が走っていた訳だ。めちゃくちゃな悪路なので、ドゥシャンベに辿り着く頃には新車じゃ無くなっちゃって売れなくなるんじゃ?と心配していたけど、あの車たちは自分で購入した車を自ら運転して帰っている人達の車だった訳だ。

どうしようなぁ…というおじ様を横目にベンチに座らせてもらう。疲れと腹痛でげっそりな上に、ムルガブまではホログからは簡単にシェアタクで行けると思っていたのでショック。大丈夫?と声をかけてくれるおじ様に、いやちょっとお腹が痛くて…と伝えると、ちょっと待ってろ!とどこかへ消えるおじ様。戻ってきたおじ様の手には腹痛の薬と水のペットボトルが…これ、胃腸の調子を整えるサプリのようなもので、赤ちゃんから飲めるやつだから!俺もいつも飲んでるんだ。俺もちょっとお腹の調子が良くないから、数個飲んでっと…あとはあげる!とりあえず今2個飲みなよとおじ様。ありがたや…

おじ様が買ってくれたビオフェルミンみたいな
胃腸のサプリ。

タジク語ができるおじ様がシェアタク乗り場で情報収集して来てくれた情報によると、ここから25kmほど離れた先のNavobod(ナヴォボッド)という村は、パミールを走るトラックの休憩地点になっており、そこまでシェアタクで行けばトラックをヒッチハイク出来るかもとの事だった。ナヴォボッド村へのシェアタクはもう間も無く満員で出発。これでとりあえずナヴォボッド村まで行こうか?というおじ様と連れ立って移動することに。シェアタクの代金はひとり25ソモニ。おじ様が私の分も払ってくれちゃった。ありがたや…

ナヴォボッド村行きシェアタク。

ナヴォボッド村に到着すると、確かに路上に沢山のトラックが停っている。おじ様はひとりのトラック運転手にお〜!と親しげに手を振った。同じ村出身のトラック運転手さんとの事。その運転手さん曰く、ちょっと遅かったね!ムルガブ行きのトラックはつい30分ぐらい前に2台出発してしまったよ!との事。ショック…トラック運転手御用達のチャイハナに入って聞いて回るも、今日出発するトラックはなし…同村の運転手さんも、ムルガブ経由で中国に向かうのは明日だと言う…宿もなさそうなこの村で体調不良の中一泊は辛い…もちろんおじ様が泊まるところは探してくれるだろうけれども…南京虫……

トラック運ちゃん御用達のチャイハナ。

心身ともにボロボロの私を気遣って、車は俺が探すから、ナナは俺の同村の運転手のトラックで寝てなよ!とトラックに案内してくれるおじ様。どこまでも優しい…頼りっぱなしで申し訳ないが、体は限界。一眠りさせてもらう事に。

同村の運転手さんのトラック内。

どれくらい時間が経っただろう。おじ様とトラック運転手さんの声で目が覚める。ガチャっとドアがあいて、満面の笑みのおじ様が顔を覗かせた。車、見つかったぞ!やったぁ!ありがとうございます!車を降りると黒いトヨタのランクルが停っていた。私とおじ様が乗ると大人8人+子供2人+運転手で定員オーバーだが、ビビファトマ→ホログの運転手+大人9人+子供6人の15人に比べれば余裕余裕。また、途中でひと家族降りる予定だから安心して!と気を遣ってくれるおじ様。ムルガブまでは6〜7時間程度の行程。出発前にトイレに行っておかなければ。

ありがとうおじ様!

トイレはチャイハナの裏に建てられた小屋の中の地面に穴が掘ってあるぼっとん便所。扉も地面も歪んでしまっていて、うまく閉まらない。男女別れていないので、入ってますよ〜というアピールのため手を扉の隙間から出した状態で用を足していたら、外で男性2人が話す声がして、足音が近づいて来るではないか。いやいやだから!入ってますってば!と手をひらひらさせてアピールするも、どんどん足音は近づいてくる。どうしよう!?覗かれる?!と焦った私の手に、そっと何かが渡される。ん?と思って見てみると、なんとトイレットペーパー!つまり2人の男性の会話は…なんか手が出てるぞ?トイレットペーパーがきれているんじゃないか?お前渡してやれよ。だったのね!そういう意味ではなかったけど、タジキスタンの人みんな優しい!ありがとう!

そっと手渡されたトイレットペーパー。

背が高く、足が長いのに、おじ様はまだ余裕のある真ん中の席を私に譲ってくれ、いざ車は出発。トラックの中の昼寝のお陰でかなり体調は回復したものの、まだまだ強烈な睡魔が襲って来る。爆睡しているうちに、いつの間にか車はパミール高原の村に到着していた。どうやらここで家族が降りるらしい。車を降りてみると、めちゃくちゃ寒い。重く雲のかかる曇り空であることも相まって、村は暗く廃墟のようだ。失礼だけど、よくここに暮らそうと思ったな…おじ様がそばのパイプから湧き出る水を触ってあっちぃ!と声を上げる。パイプが赤茶けた色に錆び付いている。どうやら温泉らしい。入浴施設はあるのかな?なかったら暮らしていけないな…いや、あってもここには暮らさないけど。

車は大人6人+運転手となり、快適快適。四駆だし、それなりにいい道(想像よりは悪い、ワハーンと比べりゃマシってだけ)をぶっ飛ばし、気がついたら夕方。アリチュールがどこだったのかもわからないまま、日暮と同時にムルガブに到着。宿泊予定だったゲストハウス、Guest House Arufに降ろしてもらった。

ランクルの運転手さんが、お前この先はどこに行くんだ?キルギスに行くなら、俺明日国境に行くぜ?と言ってきた。なんと!渡りに船。が、この運転手さん、悪い人ではないんだけど、なんかちょっと雰囲気が良くない。(バイブが良くない。)この人しかいないなら背に腹はかえられないけど、他にオプションがあるならこの運転手さん以外で国境を越えたいような。行くなら6時出発だけどどうする?と言うので、WhatsAppの連絡先だけ貰って、行くなら連絡する!と伝えた。実はインドネシアちゃんから貰った国境越え運転手の連絡先数件に連絡したところ、ひとりから明日国境を越えるよ!と返信をもらっていたのだ。そっちの運転手とどちらがいいのか…とりあえずゲストハウスにチェックインして考えよう。

お世話になったおじ様ともここでお別れ。本当にありがとうございました!またドゥシャンベに行く時には連絡します!

ホステルに入ると、女将さんが笑顔で迎えてくれた。あれ?!日本人?!と一瞬思って気がついた。そうだムルガブはキルギス人が住む村なのだ。久しぶりの顔平たい族系の顔にホッとする。部屋は3〜4人泊まれるドミで夕飯と朝ごはんがついて100ソモニ(1,348円)女将さんすごいホスピタリティに溢れる人で、料理なんて食べきれないぐらいだった。

ゲストハウス・アルーフ
ツインルーム
朝食。なんと卵ひとり3個!
夕飯。プロフとラグマン。サラダも付きました!


夕飯の席で色んな国の人と一緒になった。ムルガブは色々な方向から人が来るので、さすがに旅行者が多い。そのうちのひとりが、あれ?君ロバと歩いてたよね?と言ってきた。知らぬ間に色んな人に目撃されている私とミシュカ!

イタリア人の旅行者ふたりが、明日キルギスに向かうと言う。運転手は誰かと聞くと、インドネシアちゃんが教えてくれた運転手だという。出発は8時半でゆっくりだし、他の旅行者と一緒の方が心強い。やはりバイブの良くない運転手さんではなく、インドネシアちゃんが教えてくれた運転手にしよっと!早速インドネシアちゃんが教えてくれた運転手に私もお願いします!と連絡する。この運転手さん信頼できるんだけど、その分モノポリーなのか、オシュまで150ドル、サリ・タシュまで100ドル取る。通常、オシュまで100ドルで、サリ・タシュまででも同じく100ドルなのが一般的な料金なはず。私はいずれにせよサリ・タシュで降りる予定だから料金は100ドルと変わらず問題ないけど、オシュいくならちょっと高く着いちゃうな。

無事明日出国できる手筈が整い安心したら眠くなってきた。今日こそ本当によく眠れそう!おやすみなさい。

21/Aug/2024

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