#52 ナマドグッド・ボロ村でロバ探し
イシュコシムは町であり、毎週土曜日に行われているアフガンマーケット以外には特段魅力のない場所なので、1泊だけして隣村のナマドグッドにロバを探しに行く事に。
朝食後、ゲストハウス・レンのオーナーのおじいちゃんがメイン道路まで付き合ってくれて、ナマドグッド方面に行きそうな車を一緒に探してくれた。通りに出て5分もせずに、一台のバスが通りかかる。あれ?ズグヴァンドで土砂崩れがあって、ぎり四駆なら通れる道路状況だと聞いていたけど、こんな普通のバス、観光客?どうやって災害現場渡るの?と疑問に思っていたら、停まってくれた。ナマドグッド方面に行くから乗ってけ〜と言う事で乗り込むと、なんとこのバス男性しか乗ってない。え?!何観光?と面食らっていると、唐突に渡されるサムサ。パンも食べるよな!とパンも手渡される。
まだ温かいサムサを齧っていると、英語が微妙にできるお兄さんが近づいて来て、これを直しに行くんだと動画を見せてくれた。その動画は土砂崩れの動画。わかった!お兄さん達海外後の支援でズグヴァンド村に行くのね!それで車が四駆でなくても良い訳だ。3ヶ月も滞在予定とのこと。お疲れ様でございます。お兄さん、ノーマニーと言うので、給料が悪いのかと思ったら、お前はお金を払わず降りて良いと言う意味だった。通常イシュコシムーナマドグッド間は20ソモニほど。またまた無料にして頂いちゃっとよろしいんですか?ありがとうございます。
ナマドグッド村にはゲストハウスがひとつあって、そこの道路沿いで降ろしてもらう。頑張ってね〜ありがとう〜と伝えバスを降り、ゲストハウスに入るとお母さんと思われる人が英語が出来る娘さんを呼んでくれた。娘さんによると、今晩23人もの予約が入っていて、なんと満室という!嘘でしょ?!こんな田舎で?!娘さんは申し訳ないと言いながら、私にイシュコシムに戻る事を促してくる。が、イシュコシムにはロバがいない。今来たばかりのイシュコシムに戻る気もない。仕方がないので、4kmほど離れたナマドグッド・ボロ村に歩いて向かう事に。ナマドグッド・ボロ村にはゲストハウスがないけど、とりあえず行ってみよう。
道は平坦だけど、約20kgの荷物を背負っての4kmはなかなか堪える。途中の日陰で荷物を降ろして休んでいると、おば様が近くの茂みから出て来た。大量のアプリコットの入ったバケツを肩に担いでいる。おば様私の姿を認めると、アプリコットのバケツを降ろし、ビニール袋にせっせと詰めて渡してくれた。ほんと皆優しい。ちなみにアプリコットはゲストハウスレンでも出がけにリュックに詰め入れられたので、食べきれないほどすでに持っている。
おば様はナマドグッド・ボロ村の方だと言う。お礼を言って別れ、しばらくアプリコット食べながら休憩後、後を追う様にナマドグッド・ボロ村を目指す。
ナマドグッド・ボロ村に到着し、再び日陰でひと休み。さてどうしたものか…目的地となるゲストハウスもないし、13時ぐらいの時間だと皆暑いから外にあまり人がいない。ロバ、見つかるかな…と考えていたら、村の中からロバのいななきが聞こえて来た。ロバ〜!!少なくともロバいる〜!!!その声に勇気づけられるように立ち上がると、村の内部へと歩いて進む。昼下がりの村は本当に誰もいない。どうしたものかと思っていると、子供が家から出て来て、私を見て固まった。3秒の空白の後その後が叫んだ。お〜い!ツーリトだぞぉ〜!!すると、どこから湧いて出て来たのか、わらわらと一気に6人ほどの子供に囲まれてしまった。寝るというジェスチャーで泊まるところを探しているんだけど…と伝えてみるものの、全く通じず。仕方がないので子供達を引き連れてもう少し村の内部に入ってみることに。すると小川沿いで車の整備をしている大人を発見。アッサラーム・アレイコムと挨拶して、翻訳アプリで寝るところを探していますと伝えると、その場にいたおばあちゃんが、うちに来な!と言ってくれ、小川の目の前の家を案内してくれた。案内された部屋はキングサイズベッドが置かれた部屋。さっきまで誰かが寝ていた風だけど、シーツとか替えてあげるから!とジェスチャーで伝えられ、もちろんありがたく滞在させてもらうことにした。
お嫁さんが出て来て、チャイ用意するね!と言ってくれた。そして出て来たチャイが噂のシルチャイ!塩の入ったミルクティー。大体の外国人はまっず!となると聞いていたが、私は平気だった。むしろ暑さで汗をかいた体に塩分が染み渡る感じで最高。
家の娘ちゃん、弟くんもなんか日本人うちに泊まるらしいぜ!という噂を聞きつけて、最初に遭遇した男の子に連れられ帰宅。私が家に泊まる事をめっちゃ喜んでくれてありがたい。
ロバ探すまでの間数日お世話になります。
08/Aug/2024