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#50 ガラムシャチュマ温泉

ホログを出発してガラムシャチュマ温泉へ。先を急ぐセルビア君とはここでお別れ。ロシア語の通訳等大変お世話になりました。

朝7時、ホステル・シンプルの道路挟んで反対側にある24時間営業のシャワルマやポリッジ出しているお店で朝食を頂き、その足でミニバス乗り場へ。シャワルマはかなりマヨネーズが効いていて朝から超重め。シャワルマ14ソモニ、インスタントコーヒー2ソモニ(217円)

ミニバス乗り場には様々な行き先のバスが停まっており、ガラムシャチュマ行きも発見。地元客のおじ様がロシア語はできる?と聞いてくる。ニェット…と答えると、ドイツ語は⁈と質問。ごめん、それもできない…私が喋れるのは日本語、英語、スペイン語…6カ国語もあるのに共通の言語が見つけられず…ガラムシャチュマ行きミニバンなかなか一杯にならず、待っている間にトイレに行く事に。おじ様にお金いるかな?と聞いたらいらないよ!との事だったので意気揚々とミニバス乗り場の隣にあるマーケットのトイレに行ったが、やはり掃除婦の人がいて地元民はお金を払っていた。お金…ない…と顔で訴えると、いいよいいよと通してくれたが申し訳ない。トイレベグパッカーになってしまった…そしてこのトイレ、なんと初めてのニーハオトイレ。しかも最近建てられたばっかりっぽい。誰もいなかったので普通に使用。真っ暗なトイレの穴の下からは小川が流れるような水の音がした。

最新式ニーハオトイレ。

ミニバンに戻ってみると、まだ人数が集まっていない。ドイツ語ができるおじ様が、通常30〜40ソモニだが、60ソモニ支払ってもう出発しよう!とみんなに提案する。異存はでず、私を含めて5人+運転手で出発。本当だったらあと2〜4人乗れるはず。時刻は9時半。

出発に際し、運転手がタジキスタンで1番オススメの料理、でっかい丸いパンを5枚ほど買って戻って来た。ダッシュボードに置かれたそのパンに2列目に座っていた湯治客と思われる地元のおばあさま達が手を伸ばし、がっつりちぎってむしゃむしゃと食べ始めた。当たり前のようにそのパンは私にも回ってくる。食べろ食べろと促され、私もむしゃむしゃ。焼きたてのパンはまだあったかい。地元の人達の気遣いも温かくて、温泉に着く前から心がぽかぽかした。

焼きたてパンとみんなの優しさで心ポカポカ


山道を走る事1時間半ほど、車は峠の墓地で止まった。何かな?と思っていると、ドイツ語ができるおじ様がちょっとだけ待ってて!と私に告げて、運転手と後部座席に座っていたおじ様と一緒にミニバンを降り、墓地に入って行った。3人は入口にほど近い墓地の前に跪く。空いた窓から祈る声が聞こえてくる。

車に戻って来たおじ様は、時間をくれてありがとう。俺の息子の墓なんだ。と言った。フランス、バングラデシュ、アフガニスタン…と国の名前だけは聞き取れたが、なぜおじ様が息子さんに先立たれる事になったのかは理解できなかった。

そうこう言っているうちにガラムシャチュマ到着。車のドアが開くと、中学生ぐらいの男の子と3歳ぐらいの女の子を引き連れたおじさんが40ソモニから部屋あるけど見ない?と客引き。いずれにせよ1泊しようと思っていたので,見せてもらおうと着いていくと、なんだか大きな建物を指差し、中に入ってレジストレーションをしろと言うではないか。滞在登録は終わっているよ!と伝えるも、いまいち伝わらず、別の男性に連れられるまま、建物内のオフィスへ。

オフィスに入ると、係りの男性から、サナトリウムへの宿泊は100ソモニです。と伝えられる。ん?ここサナトリウムなの?さっきの部屋40ソモニからありますって言って来た男性は何者なの?さっき別の男の人から40ソモニの部屋がなんちゃらかんちゃらって言われたんだけど?と伝えると、どの男性?と聞かれる。窓の外、ゲートのセキュリティ付近でウロウロしている男性を指差しあの人。と伝えるも、あ〜彼ね〜ぐらいの感じで、結局彼とサナトリウムの関係性はわからぬまま。100ソモニで温泉入り放題なんだけど高いかな?と聞かれ、別に値段がどうとかじゃなく、おじさんの家に泊まりに行かなきゃならないんじゃないかという点だけが気がかりだったので、サナトリウム個室、温泉入り放題100ソモニ(1,355円)で宿泊を決定。

100ソモニの個室。
川の奥に見えるのはホテル。
バブル感すごいけどまだ営業してるんだって。
奥の白い建物がサナトリウムの受付および
一部宿泊部屋のある建物。
サナトリウムは国立でかなり広い。
何個も建物がある。
川沿いのガゼボでリラックス。

ガラムシャチュマ一番の名物である、何千年にも渡って湧き出し続けている温泉成分が凝固して、鍾乳洞のような見かけになっている外湯は男女入れ替え制。特に男性はサナトリウム宿泊客専用時間でない時間はかなり混み合うみたいなので、余裕があればサナトリウムに宿泊した方がゆっくり入れそう。

男女入れ替えスケジュールと泉質表示。
真っ青な温泉。
打たせ湯熱すぎて浴びれず。
何千年もの月日をかけて凝固した温泉成分。
源泉。服を着て登りましょう。
凄すぎ。

泉質はナトリウム硫黄泉?のようで、皮膚病に効果があると言う事で、かなりの数の白斑の患者さんが湯治にきていた。男湯に入ったイタリア人男性によると90%ぐらいの人が白斑患者だったとの事。女性も60%ぐらいはそうだったかも。それよりも、私はタジキスタンの女性のほぼ全員が下の毛ゼロな事にびっくり。インドではお医者さんが下の毛を全処理してしまう事を男女ともに推奨していて、下の毛がある人は少ないのだが、タジキスタンもそうみたい。男性もツルツルらしい。

ガラムシャチュマのサナトリウムには内湯の貸切風呂もあり、空いていればいつでも鍵をもらい入る事ができる。素晴らしい…まるで日本にいるようだ…内湯は特に温度が高い。多分45度ぐらいありそう。外湯も時間帯によるのだろうけど40〜42度ほどありそうで、日本人にありがちな、ぬるすぎるわ!これじゃ温水プールだろ!って事もなければ、水着の着用が義務づけられている訳でもなく全裸で入れて、温泉を満喫できる。ありがたやありがたや。

雰囲気最高の貸切内湯。

ガラムシャチュマの外湯から村の中を坂を登って行くと、湧き水があるとMaps.meに乗っていたので、温泉を頂いた後ちょっと歩いて行ってみる事に。1.5ℓのペットボトル片手に緩やかな坂を登っていくと、あった。でもコレか〜!鉄分凄いっすよ!と露骨に主張してくる赤錆色の噴出口。覗き込むとボコボコしている。触ってみるとめっちゃ冷たい。炭酸泉か〜!日本でも九州の方にある、胃腸に良い系の温泉だなこれは〜!効能はすごくありそう。だけど1日に200ml以上飲んじゃいけない系の温泉でしょこれ。と言う事で、その場で100mlほど飲んで、ペットボトルは空のまま戻る事に…

効能は高そうだけど、美味しくはない系温泉。

帰り道、沢山のペットボトルを抱えた地元民の親子に遭遇。11歳ぐらいの娘さんが必死に問いかけてくるが、私はロシア語ができない…と思ったが、ワダと言っているのは聞き取れる。水ね。そして大量のペットボトル。ロシア語ができなくても質問の内容は明らか!あぁ!水ね!お腹にいい水ね!ここを真っ直ぐ!もうちょっと先!左側!こんな感じの噴出口!と写真を見せながら説明。やべぇ、私ロシア語できるようになってきてるじゃん…(なってない)ロシア語出来るようになって来ている幻想と人助けした感に酔いながら坂を降っていると、温泉の外湯の前でチキンが焼かれている。う〜んいい匂い。サナトリウムには食堂もあるんだけど、このチキンが食べたい。ワハーン、パミールで最も怖いのは食中毒とのことで、肉を避ける人が多いらしいけど、美味しそうだから食べちゃえ食べちゃえ!

食べちゃえ鶏肉。

あ〜体もお腹も心もポカポカ。
温泉最高!

06/Aug/2024

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