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私の旅路 part10
旅人のこころは、式神さまに見破られたことをきっかけに霧のかかった湖に沈んだ。自分の口から湧き上がる泡を眺めるように、下へと落ちていく感覚でいっぱいだ。
旅人は、言葉を失った。自分は、やはり違うのだと実感せざるを得ない。何を間違えた。どこの道を見逃した。と、辿ってきた記憶を逆さにしては悩み続けた。式神さまの言葉が正しいと決まったわけではないと、しがみつく思いで回想した。
お主がどんなに悩んで考え
私の旅路 part9
旅人は夢の中へと潜った。そして、いつもと違う感覚が沸き上がった。 今までの夢は、幽体離脱のような客観的体験に比べ「今日は」リアルだと実感する。
足元から上がってくるヒヤッと凍るような寒気。
目の前は、暗がり。足元の悪い木々の根。深い海のような緑の森。
チクッと、刺さる針のような視線。周りには誰もいない。どこから見ている。
旅人は、竦みそうになりながら歩いた。歩くたびに視線は集まるようだ。