朝と夜の電車で起こった出来事
通学の朝と夜の電車で印象的なことが起きた。
朝の電車では、左側の女性が私の肩を使って爆睡していた。まるで付き合ってるいるかのように私の肩を使う。この場合どうするのが正解なのかわからない。起こすべきなのか、無理やり押すべきなのか、交わすべきなのか。この日は遅延していて席は立ちたくなかった。最初は起きるだろうと思いながら寝かせてあげていたが、それから10分くらい経っても起きなかったため、慣性の法則を利用して反対側へ少し押した。やっと私の肩が自由になったと思った瞬間、今度は右側の女性が私の肩を使って寝てしまった。また同じように慣性の法則を利用して反対側へ少し押した。この女性も8分ほど私の肩を使っていた。私の肩がやっと私のものになった。安心するのも束の間、今度は両側の女性、2人ともが私の肩を使い始め、2人とも寝てしまった。時間にして25分ほど私の肩は奪われていた。私は諦めて絶望に浸り、静かに正面を見て座っていた。前に座っていたおじさんがこちらを少し笑った顔で見ていた。
帰りの電車で、YouTubeを見ていると隣の女性がちらちら見てきた。動画を見られるのが恥ずかしかったため見えないように角度を変えたり手で覆い隠した。なぜ見ているのだろうか。ひょっとして知り合いなのか。直視はしたくなかった私は反対の窓の反射で女性の顔を確認すると、女性も窓を見ていたため目が合ってしまった。アジア系の外国人女性だった。そのまま無視して動画を見ていると腕にぽんぽんと触ってきた。イヤホンをとって、「なんですか。」と言うと「どこでおりますか?」そう尋ねてきた。それを聞いた時、私はこの女性に何かされるという恐怖が最初に出てきた。「◯◯でおります。」というと「私は△△でおります。」と言ってきた。彼女は私を誘っているのだろうか。こんな経験は初めてだと動揺してしまった。とりあえず私は「そうなんですか。」と軽く受け流した。すると彼女は「今から寝るので△△で起こしてください。」といってきた。◯◯駅は△△駅よりもはやく着いてしまう。「◯◯で降りるので起こせませんよ。」「このように伝えても「起こしてください。」の一点張り。どうにかして起こせないことを伝えると、彼女はただ頷きそのまま眠った。無視すればよかったものをなぜこんなに会話してしまったのだろうか。海外ではそのような文化があるのだろうか。前に座っていたおばさんがこちらを少し強張った顔で見ていた。