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アートシンキングで常識を相対化する
#日経COMEMO の #アートシンキングの学校 第二回を視聴しました。
アートシンキングに興味があると言う人でも、実はアートに触れない人が多いので、あえてアーティストのパフォーマンスを見るのがメインディッシュになっている講座です。
現代アートやパフォーマンスは難解なので敬遠する人が多く、一般的に、視覚で愛でる系のわかりやすい古典的作品が人気があります。実は印象派や、さらにその昔の古典的芸術であっても当時は常識破りだったのですが、現代からみるとそういう革新性は感じづらくなってます。なので、アートシンキングを学ぼうとすると、現代アートの方がフィットするわけです。
今回の高嶺さんの作品は、いわゆる難解な現代アートっぽいもので、作品の意図や文脈を含めて楽しむ類いの作品だと思います。象徴的なのは、ドガ展の設備をそのまま残して、額縁の中に一般家庭の毛布を飾った作品。高尚な美術品鑑賞という行為を揶揄するようないたずら心から生まれた作品とのことでした。(「ジャブをかました」とおっしゃってました)
私自身は現代アートは結構好きで、一時期は一人で海外の美術館に行くくらい熱狂してた時もあるのですが、こういう常識や固定概念を揺さぶる作品は現代アートらしいなぁと思います。着想を楽しむという楽しみ方ですね。無意識に持ってる枠組みや定義など、ものごとの境界線を浮き出させて、あらわする、という行為が、さらに絵やインスタレーションなどの物体の形に変換されている妙味が面白いのです。
こういう作品の楽しみ方を知ると、「常識って実は相対的なもの」と、境界線の柔らかさや拡張性を感じたり、「常識の境界線の外側に出てみるのって、ワクワクするな」という解放的な感覚が養われます。
<アート・シンキングの学校>
— 日経COMEMO (@comemo_io) August 25, 2020
~#02 常識を揺らす、アートのいたずら~
『常識』は、いい悪いではなく、それは違うっていうこと。相手の『常識』を理解してアダプトしていく方が全然生きやすくなる。『常識』とはそもそもそんなものだと思う。
-高嶺格さん#日経COMEMO #アートシンキング pic.twitter.com/TRLGAlz6bd
自分の仕事のやり方を振り返っても「いわゆるビジネスの定石の外側に出てみる」とか「定義の解釈を変えてみる」ということをやると、物事がいい方向に回り始めたりすることがあります。ビジネス界って、業界の常識やベストプラクティス、前例や慣習、仕事術の流行りなんかで形作られた(都市伝説的な)常識にガチガチに縛られてます。なので、縛りを緩めることで、他にはできない付加価値が出せたり、スピードや質が上がることは多いです。これをやるのは、着想の楽しさや、縛りのない解放感という体感があってできるので、いわゆる思考法というものとは違う次元のものだと思います。
もちろんアートシンキングというものを学ぶのは入口として良いことなのですが、それをきっかけにして、アート作品に触れること、着想の面白さを味わってこそです。そういう逆説っぽいところもアートシンキングらしいな、とも感じました。
***表題の写真は東京都写真美術館の以下の展覧会のものです。アートシンキングに興味がある方にはとってもお勧めです。身近なデジタルデバイスを使ったアート作品で楽しいものばかりでした。
エキソニモ UN-DEAD-LINK アン・デッド・リンク
インターネットアートへの再接続
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![小原ナナエ(奈名絵)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/149009907/profile_b723ee8ecf2da289160fecc076f9538b.jpg?width=600&crop=1:1,smart)