2024年、ギターアンプ購入に向けた検討(Bad Cat LYNX購入とそれに至る経緯等)
検討に至る経緯
2024年9月に自分の部屋から別の部屋へ現在使用中のギターアンプ(Fender Princeton Reverb '64 Handwired)が移動されることを契機として、自分の自宅練習用アンプの購入を検討し始めました。練習環境としてはギタープロセッサー(BOSS GT1000core)をミキサー(YAMAHA AG06)に接続することにより実現できていますが、やはり真空管アンプの音が大好きであること、そしてアンプにエフェクターボードを接続して音を出すことが実践的な練習であることを踏まえると、好みの真空管アンプの必要性をとても感じるところでありました。
前提条件
順不同で、今回のギターアンプ購入に際して考えた前提条件を挙げます。
アッテネーターやロードボックスを別で用意しなくても自宅で使いやすい音、音量に出来ること
スタジオで別のアンプでエフェクターボードを接続するシミュレーションを行うため、send returnがあること
好みのクリーンが出ること
好みのハイゲインディストーションサウンドが出ること
見た目が好みであること
リスペクトしているブランドであること
候補となったギターアンプ達とそれぞれに対する期待感
Hughes & Kettner GRAND MEISTER 40 DELUXE
POWER SOAKが40 / 20 / 5 / 1 / 0 wattsで切り替えられること、見た目がかっこいいこと、ハイゲインが鳴ること、比較的安価であることから第一候補となりました。Friedman JEL 20
キャビネットシミュレーターを搭載し、キャノンアウトがあること、大好きなJakeモデルであること、見た目が特徴的であることから候補にあがりました。TONEKING FALCON GRANDE
見た目がとても好みであること、優秀なアッテネーターが搭載されていることから候補にあがりました。Marshall SV20H
お茶の水を歩いていたところ緑色のとてもかっこいいSV20のカスタムオーダーモデルが目に入ったため候補にあがりました。Suhr PT15 IR
真っ先に候補にあがりました。音も良さそうで、機能も完璧。見た目はあまり好きではなさそうでした。Divided by 13 CCC 9/15
ハイゲインは出ませんが、見た目最高でクリーンクランチは完璧。9wにも出来るので音量も小さくできると思いました。Mesa Boogie Mark Ⅴ 25
機能的にぱっと思い浮かんだのがこちらでした。Mesaのアンプは使ったことがあまりなかったですが、あまり好みの音を作りこめた記憶が無いため、積極的ではありませんでした。revv G20
機能やサウンドは良さそうと感じていましたが、見た目が90年代初頭っぽくて独特であると思いました。Bad Cat 各種
10年以上あこがれ続けていたアンプメーカーでしたが、小さい音が出るモデルがないと思っていたので、あまり積極的ではありませんでした。ENGL IRONBALL Special Edition
他のアンプを店頭に試しに行った際見つけた、候補となるアンプでした。音も見た目も機能も完璧だと思います。
試奏と印象
Hughes & Kettner GRAND MEISTER 40 DELUXE
機能的には確かに良い感じ。現実的な音量で鳴る。しかし、他に試奏したアンプに比べて、真空管独特の温かさみたいなものを感じにくいアンプだと感じました。価格はかなり良心的。Friedman JEL 20
音でかい。確かにすごくいい音で、歪みも最高ですが、自宅で鳴らすには少し大き過ぎました。キャビシミュ付きでキャノンアウトで鳴らせますが、そうなるとあまりアンシミュと変わらない気がして候補から外れました。TONEKING FALCON GRANDE
店頭に無くて試せませんでしたが、ハイゲインディストーションサウンドが鳴らせないことから消極的になっていきました。Marshall SV20H
最も音がでかい。。自宅では全く鳴らすことが出来ない音量でした。5Wにしても何も変わらず。見た目最高でしたが残念ながら候補から外れました。Suhr PT15 IR
現状売っているところを探せず、試奏に至りませんでした。以前SuhrのCORSOという5Wアンプを所有していたことがありましたが、アッテネーターの故障、修理後の音の変化にずいぶん悩まされたことがあり、あまり積極的ではありませんでした。Divided by 13 CCC 9/15
リボレに入荷したポストがありましたが、結局試奏に至りませんでした。が、3年ほど前に弾いたことがあり、ハイゲインディストーションサウンドが出ないことから、あまり積極的ではありませんでした。クリーンクランチは最高だと思います。Mesa Boogie Mark Ⅴ 25
現状売っているところを探せず、試奏に至りませんでした。revv G20
店頭に売ってるところが結構ありましたが、独特の見た目と知らないメーカーであることから、あまり積極的ではありませんでした。Bad Cat 各種
3機種試すことが出来ました。どれも良かったです。Bad Catについては購入に至ったこともあり、次章以降にまとめます。ENGL IRONBALL Special Edition
Bad Cat以外では最も印象が良かったです。クリーン、クランチ、ハイゲインディストーションサウンドどれも真空管特有の温かみを感じられ、かつPOWER SOAKで音量も抑えられる。見た目もかっこいい。サイズ感も値段もいい感じ。このタイミングでBad Catが日本に再上陸していなければこちらを選んでいたと思います。
Bad Catへの憧れについて
私は2010年頃からBad Catに憧れをいただいていたと記憶しています。初めて知った経緯については記憶が曖昧ですが、雑誌の特集か、おそらく時期的に考えて、アニメ「けいおん!」のエンディングで中野梓が使っていたアンプとして認知したのかと思います。
2010年から2016年頃までの私の印象はクリーン、クランチがとても好きな音で、独特のコンプレッション感のある特徴的な音であると感じていました。淡い憧れを抱きつつ、初めて本物のBad Catに触れたのは2016年の楽器フェアだったかと思います。島村のブースでDon GroshのギターでBlack Catを試奏をして、独特のコンプレッション感に感動した記憶があります。
今でも最も好きなバンドである、the band apartのVo.&Gt.の荒井岳志さんがライブでBad Catを使用し始めた時も、最も憧れてるアンプと最も憧れてるミュージシャンの組み合わせが実現して、嬉しくも不思議な縁を感じたものでした。その前から「荒井さん、Bad Cat使ったらとても合うんじゃないかなぁ」とよく思っていたので、とても驚いたのを覚えています。自分はその頃Bad Catを持ってもいないのにも関わらず。。
その後、2019年頃から、Bad Catのアンプを見かけることは少なくなっていきました。2020年代にはもうめっきり見かけなくなり、ついに2023年に島村楽器が代理店を辞めてしまい、入手が難しくなるなと思い始めていました。
その頃には、それまでのBad Catとは生産の仕方が変わり、新しいBad Catになっていっているような状況がSNS等を通じて認識していました。詳しくはわかりませんが、体制変更等もあったのでしょうか。
新しいBad Catアンプは、モデル名こそこれまでのものを踏襲しているものの、筐体やノブ回りの見た目は結構変化している印象でした。具体的には、3バンドEQが主体になっていること、POWER ONで点灯するロゴの横にあった猫の目が無くなったことが、私の認識している主な変化です。旧Bad CatはToneコントロールはToneノブだけや、TrebleとBassだけといったモデルもあったかと思います。あとはK Masterノブなんかもありましたね。このあたりの仕様の変遷や違いについてはもっと理解したいのですが、なかなか資料が見当たりません。
さて、新しいBad Catに対する私の予想は、「こういうのはだいたい改悪されているんだろうな。。」というものでした。なので、憧れていたアンプでしたが、新モデルの入手にはあまり気乗りがしていませんでした。中古で良さそうなのがあったら買いたいな、くらいのものでした。今回のアンプ選びには候補に挙げるつもりはありませんでした。
新生Bad Catの印象
今回のアンプ選びで候補のメインに据えた、H&K GRAND MEISTER 40 DX、Friedman JEL20を試奏すべく、楽器店に行きました。そこではこの2台に加えてENGL IRONBALL SEも試奏しました。どれも良いアンプだと思いました。
店員さんとも色々話をしている中で、たまたまその時入ってきていた新生Bad Catのアンプが目に映り、「ほんとはこのBad Catが一番欲しかったんですけどね。」という会話をして、じゃあ試奏してみようという話になり、Bad Catの新たなモデル「Jet Black」の音を出してみました。
そのファーストインプレッションは、、、
こんなに小さい音で鳴るのか!というものでした。
そして素晴らしいクリーントーン、そして結構歪む!とても驚きました。
昔のBad Catも弾いたことは一度しかなかったので詳しくないのですが、アッテネーターを使わずに深夜でも鳴らせる音量に設定できます。
しかも。出したい音色そのままに!
もしかしたら昔のBad Catもそうなのでしょうかね。K Masterのコンセプトは設定した音色を変えずに音量を可変できる、というものだったと思いますので、このあたりの技術がBad Catにはあるのかもしれませんね。
そしてやはりハイゲインディストーションサウンドも求めている私におすすめなのはLYNX、ということで、LYNXも弾いてみることに。。。
最高でした。理想的なハイゲインディストーションサウンド。クリーントーンも、私が思うBad Catの理想的なトーン。音量もとても小さくできる。
そしてもう一台、Hot Catも試奏しました。こちらも最高です。Jet Black、LYNXとも違う音ですが、ずっと弾いていたい音をずっと弾き続けられる音量で弾けます。それぞれのアンプのキャラクターをもっと詳しく理解したいのですが、なかなか日本語で明確に説明された資料を見る機会が無いので、YoutubeでのBad Cat CEOや開発者のインタビュー等で勉強したいところです。
最後に
候補にすらならないと思っていた新生Bad Catが、今回のアンプ選びで設定した前提条件をすべて満たすとは夢にも思っていませんでしたが、かくしてLYNXとその専用キャビネットが自宅に届き、これからのギターライフが楽しみでなりません。
今回は本当に需要と供給のタイミングが奇跡的に絡み合い、長年憧れ続けた理想のアンプを入手するに至りました。
その他、詳細なレビューや、今回試奏したアンプ達のインプレッションも折を見て追記しようと思っています。
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