【オリジナル小説】山吹色の青春
私は今浮気している。
きしむベッドの音。私の口から漏れる甲高い声。
相手の真っ赤な顔と荒い息の音。
目の前には嫌というほどみた憎いやつの顔。
幼馴染の初めて見る表情に興奮していたのと、学校という日常的な場所で行為に及んでいる背徳感で私はいつにもなく感じていた。
簡易的なベッドはミシミシと音をたてる。
そのミシミシという音は時間とともに間隔が狭くなる
感じた事のない浮遊感と頭が真っ白になる感覚に襲われる
「やめて!」
思わず声を荒げる。
これ以上は何かが危険と思った矢先
頭が真っ白に飛んだ
人生で初めて絶頂を迎えた瞬間だった。
絶頂を迎えた私は完全に理性を失い、毎日のように行為を重ねた。
我ながら最低で、自分がされたら絶縁すると思う。
それでも彼はわたしを離さないでいてくれるんだ。
いや、絶対に離してくれないんだ。
※
私は都内の高校に通う、いわゆるjkってやつだ。
春を迎え受験生としての自覚持たなければという焦燥感ともう卒業なんだから遊びたいという欲望の狭間にいた。
一日の授業を終えた黄昏時。
いきなり後ろからお尻を叩かれた。
「よお、サナ!今日も相変わらずブスだな!」
このクソみたいなセリフしか言えないのが幼馴染のタイジュだ。
というか、完全にセクハラだ。
「はあ、ウザいよ。」
こいつは懲りないから怒るだけエネルギーの無駄だ。
すると、タイジュはいきなり顔を真っ青にして。
「あ、やっべ。」
タイジュは私の後ろに目をやり一目散に逃げた。
「全く懲りないねぇタイジュくんは。サナも大変だこりゃ。」
後ろから話しかけてきたのは彼氏のシュンヤだった。
シュンヤは私のお尻を叩かれてショックだったのか。少しだけ怒っていた。
イケメン、優しい、強いの三拍子揃っている私の自慢でもある彼は、一つだけ困った所がある。
それは
絶対に一度決めたことをやりきるを徹底しすぎていること。
だけど、そんなクソ真面目君だからこそ私は好きなんだけどね。
山吹色の空を見上げながらそんなことを思っていた。
「帰ろうか。」
私とシュンヤは手を絆いで帰ろうとした。
その時。
私の頭に強い衝撃と傷みが走る。
なにかで貫かれたような感覚があった。
私はその場に倒れ込む。
「サナッ!!?しっかりしろ!サナッ」
私は気がつくと私の視界は真っ白な天井だった。
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