15年続けられた理由
私は大学時代教職課程を取っていましたが、卒業後は一般社会に就職しようと思っていました。それはなぜかというと、ピアノが上手な人は上を見ればキリがなくたくさんいるし、両親が教員をしていたので他の世界も見てみたかったからです。
大学4年の時はそれでも音楽に関わる音楽業界のことを調べたり、クラシック以外のコンサートをする箱でどんな世界なのかアルバイトをしてみたり、
でもどうにも音楽に関わる仕事は例え就職できたところでなかなか安定しない?と思い、音楽以外の仕事を探していた時ふと知り合いの20ほど年上の方に、
「せっかくピアノやってるのにそれを生かさないのはもったいない!」
と言われ、今まで耳タコのように言われ続けてきた言葉でしたが、その方は延々2時間くらい私に訴えかけられ、
「確かにそうかな…」
と思いつつ、でもそうは言っても、とも思いつつ悶々とした就職活動をしておりました。
である時代学のアルバイト情報が貼ってある掲示板に、
「ブライダル奏者研修」
なる張り紙がしてあり、3ヶ月研修後ブライダル奏者としての仕事ができます。との情報を発見。
そして研修を受け今現在も15年間弾き続けています。
しかし結婚式は土日中心にしかありませんからそれだけで生活していくお金を稼ぐのは無理です。
ラウンジでピアノを弾く仕事をしたり出張レッスンをしたり、普通のアルバイトをしたりもしました。
ただ、普通のアルバイトといっても音楽業界や色んな業種の人と知り合えそうなアルバイトを選んだり、そこから実際に仕事に繋がるご縁があったりもしました。
卒業して2、3年は特に一般就職した友人が安定や保証と将来があっていいなと思っていました。
しかし4年、5年と続けていくうちにブライダルの仕事でも歌い手さん・弦楽器管楽器の方色んな横の繋がりができてきました。皆さん演奏活動をメインにお仕事にされていてブライダルはお小遣い稼ぎの方が大半。
明らかに私とはレベルが違います。でも、卒業してからアルバイト程度でもピアノを弾き続け、目標があった方が少しでも練習する気になるとコンクールも記念受験になっても毎年受け続けてきたことによって学生時代よりは客観的に自分の音を聞きながら他の楽器の方とも音楽できるようになってきました。
特にこれからの時代は音楽の世界がどのようになっていくかは本当に未知なところがありますが、かといって他のお仕事でこれから絶対的な安定・保証などは存在しませんね。
大学でも特別上手かったわけでなく華々しい経歴がない私でもどうにかやっていく道はないか、ないか、と探して探して色んな人と出会い経験をし本当に音楽を続けてきてよかった、こんな素晴らしい方々と音楽ができる、挫折やプライドもなくなるほど辛い時期を乗り越えて生きててよかったと感じています。