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タイ旅行記③ 〜新しい出会い、変わり始める私〜
旅行記③ 〜新しい出会い、変わり始める私〜
昨日までの私は、何をやっても上手くいかず、ただただ自信をなくしていた。
「このまま帰りたい」とすら思っていたけれど、そんな私の前にひとりのクラスメイトが現れた。
予想外の出会いと、気づき
授業前、隣でレッスンを受けていたクラスメイトが突然、日本語で 話しかけてきた。
驚いて顔を上げると、欧米の人(仮)M。
「日本語?」と戸惑う私に、Mは笑いながら「日本に留学していたことがあるんだ」と言った。
実はこの人、前から気になっていた。
Mのマッサージはとても丁寧でソフトで、まるで相手の身体を包み込むような優しさがあった。
「君は普段何をしているの?」と聞かれ、「カルサイネイザンとアーユルヴェーダだよ」と答えると、Mはアーユルヴェーダに興味を持っているようだった。
「今日は何の授業?」
「ストレッチ。でも、全然上手くいかない…」
そう答えた私に、Mは自然に「じゃあ、一緒にやってみようか?」と提案してくれた。
学ぶことの楽しさを思い出す
まずは、Mのマッサージを受けてみることに。
その手の柔らかさ、圧のかけ方の繊細さに驚いた。
私に足りなかったのは、このソフトさだったんだ。
そして、私が施術をすると、Mはすぐに「ナナミは、もっと優しく触って」と言った。
触り方、圧のかけ方、体勢のバランス――Mは優しく、でもはっきりと違いを教えてくれる。
日本の先生はあまり強く指摘しないことが多いけれど、Mは「ここが違う」と正直に伝えてくれるし、気持ちが良くない時は表情で分かる。
一緒に練習するうちに、私は少しずつ、施術の感覚が変わっていくのを感じた。
「こうやれば、相手の身体に負担をかけずに動かせるんだ」
「この圧のかけ方なら、もっと心地よく伝わる」
理解が深まるほど、学ぶことが楽しくなってきた。
「今日は本当にありがとう!レッスンが楽しくなってきたよ」
「じゃあ、明日も付き合うよ」
その一言が、どれほど心強かったか。
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変化を実感、そして合格
次の日、急にテストが決まった。
みんなスムーズにクリアしていく中、私はギリギリまでMと練習を続けた。
「ここは、この筋肉を伸ばしたいからこの動きをする」
「この姿勢でやると、相手に無駄な負担がかかるよ」
Mのアドバイスのおかげで、昨日まで掴めなかったポイントが見えてくる。
施術が形になっていくのが分かると、どんどん楽しくなってきた。
そして、テスト合格。
もしかしたら、もっと低いラインでも合格できたかもしれない。
でも、私は自分が納得できるレベルで合格したことが、本当に嬉しかった。
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ガーデンパーティーと、次の目標
テストを終えた日は自主練の日。
「昼ごはんがあるよ」と聞いていたけれど、気づいたらガーデンパーティーになっていた。
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パッタイやトムヤムクンなど。
ティーチャークラスを取得したクラスメイトをみんなでお祝いし、庭でのんびりランチ。
先生が作ったタイ料理は絶品で、大好きなスイカもあった。
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食事を楽しんでいたら、突然みんなの名前が呼ばれ始めた。
まさかの、ディプロマ授与式。
ノーメイクで恥ずかしかったけれど、新しい資格を取得できたことが純粋に嬉しかった。
「いつか私も、ティーチャーの資格を取りたい」
そう思えるようになったのは、このスクールでの経験があったから。
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もっとお洒落して撮影したかった…🥹
そして、私は新しい世界を見ることになる。
翌日はフラワーフェスティバルの日。
年に一度、チェンマイの街が花で彩られる華やかなお祭りの日。
そして、私にとっては、このスクールで過ごす最後の日でもあった。
Mとは、この日も自主練を約束していた。
もう授業はないけれど、もっと練習したいと思える自分がいた。
でも、この日はそれだけでは終わらなかった。
この夜、私は生まれ変わるような体験をする。
ただの観光ではない。
ただの思い出でもない。
この旅が、私の人生を変える夜になるなんて――。
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