「ちょうどいい」を探る
私はいろいろなお茶やコーヒーを試すのが好きだ。高校生のときは茶道部に入っていたし、アフタヌーンティーなども本場イギリスを含め、色々なところで試した。お菓子やデザートとペアリングしたりするのも好きで、これにはこのお茶、これにはこのコーヒーと、ブランドや種類や淹れ方などを考えて楽しむのが好きだ。茶器も気分や季節に合わせて選んだりと、楽しみ方を追求し出すと、興味が尽きることはない。
でも、いつの頃からだろう。そういう時間を持つ心の余裕なのか、体力なのかが少し失われてきて、いつの間にかお茶の時間、コーヒーの時間が少なくなっていた。夏は夜、2リットルの容器にいっぱいの麦茶を作り、それを飲む。寒くなると、朝、暖かいルイボスティーを1.5リットルほど作り、保温ポットに入れておき、マグに注いでちびちびと飲む。でも、特別な「お茶の時間」「コーヒーの時間」は、ちょっといい和菓子やフルーツを買ってきた時くらいになっていた。
そんな時に、インスタグラムで見かけたのが、急須ボトルというもの。
プラスチックボトルなのだけれど、フィルターがついているから茶葉が入っていても邪魔にならないで飲める。似たようなものは他にもあると思うのだけれど、お茶を楽しむことに特化されて作られたこのボトルは、熱湯を入れても有害な化学物質が溶け出したりしないトライタンという素材でできていること、二重構造になっているのでしっかり保温ができること、300mlという絶妙な分量で、使ってみると、手入れのしやすさなども含めて、なるほど、なるほど〜よく考えられていると感心する一品なのです。
(そろそろ、この記事は、きっとこの会社とのコラボ、ステマ、アフィリエイトに違いないと思われそうですが、全くそういうことはなく、ひたすらに私が愛用しているだけです。)
私が、購入したのは、この7種類のお茶がセットになったスターターキットなのですが、このお茶がまた画期的なものばかりで。
SLEEPING FORESTは
炭火煎茶(静岡県島田市川根町 深山園 岡村暢行)に黒文字、ジュニパーベリー、コリアンダー、オレンジピール、レモングラスを合わせたもの。
SONG OF THE SUNは
烏龍茶(静岡県牧之原市 釜炒り茶柴本)にシナモンリーフ、クマザサ、ローズマリーを合わせたもの。
MORNING LIGHTは
ほうじ茶(静岡県富士市 富士山まる茂茶園 )にオレンジピール、バイマックル、甘茶、玄米、ペパーミントを合わせたもの。
TROPICAL ISLANDは
かぶせ茶(静岡県富士市 富士山まる茂茶園 )にバナナ、葉ほうじ、シナモン、カルダモンを合わせたもの。
FLOWER PATHは
和紅茶(静岡県富士市 富士山まる茂茶園 )にローズレッド、ホーリーバジル、ラズベリーリーフを合わせたもの。
などなど。どれも、こんな組み合わせ試したことないという組み合わせなのに、どれも香り高くて、美味しい。しかも、三煎楽しめるというのも魅力的で、それぞれ一煎目、二煎目、三煎目と香りも味が変化していく。
急須ボトルは、そのまま口をつけて飲むこともできるし、カップに注いで飲むこともできる。夏はアイスティーを楽しみたかったので、注ぐお湯を少なめにして、氷を入れればあっという間にアイスティーの出来上がり。蓋付きの急須ボトルだから、ジムなどにそのまま持っていくこともできるし、仕事をするときにコンピュータの近くに置いておいても、リラックスする時にソファーに転がしておいても大丈夫というのがとても便利だ。淹れてすぐでなくても、しばらく放置しておいたお茶でも十分美味しいのも正直驚きだった。
少し前の私なら、まず、お茶を入れるのに、「プラスチック」を使うということが許せなかったと思う。そして、お茶を楽しむには、シングルオリジンの、できれば有機栽培の、ピュアな緑茶、紅茶、ウーロン茶などがいいと思っていた。色々な種類をミックスしたハーブティーやフルーツティーもたまにはいいけれど、それは本来の「お茶」ではない、みたいな気持ちもあった。
そういう「こだわり」をみんな、まあまあ、いいじゃない、とりあえず、リラックスして楽しんでみようよ、と言われているような気がしたのが、このAardvark Teanのセットなのである。
7種類のお茶を飲み終わって、私は追加でまたここからお茶の購入をした。
その中でも最も画期的で気に入っているのが、
Coffee TEA ミッドナイト チル
という、コーヒーとお茶のちょうどハーフのような飲み物である。
ほうじ茶(富士山まる茂茶園:静岡県富士市)に、コーヒー豆(デカフェ)、ラベンダー、キャラウェイが合わせてある。
夜、コーヒーを飲みたい気分なのだけれど、カフェインで眠れなくなるのはいやだし、カフェインレスコーヒーはなんとなく物足りない気がする時に、まさにぴったり。ほうじ茶の深さやラベンダーやキャラウェイの香りがあるので、デカフェでも物足りなさはない。ミルクもよく合い、カフェラテのようにも飲める。本当に意外な組み合わせのドリンクがこんなに心地よいとは、という驚きがある。
(ちなみに、もちろん、この急須ボトルで入れられるのは、Aaardvark Teaで販売されているお茶だけでなく、どんなお茶でも大丈夫。家に眠っている、緑茶やほうじ茶、紅茶、ハーブティーなどなんでもこの急須ボトルで入れられるので、色々試してみている。)
Aaardvark Tea、一体どのような会社が作っているのか、調べてみると、AOBEATという会社が、「地域の可能性を引き出し新しい価値をつくる」というコンセプトで、展開しているローカルスタートアップ 。
なるほど、なるほど〜と。
私の住む富山県も、農家は担い手不足や高齢化、販路の拡大の難しさなどから離農する人も多いらしい。地域に新しい経済 をつくる方法として、こんな新しい事業の展開の仕方もあるのだなあと。
日本茶の茶葉の消費量は、全国的にかなり減少しているそうだ。ティーバッグやパウダーティーの方が便利だし、さらにいえば、ペットボトルのお茶の方が簡単という人も多いだろう。でも、自分で茶葉から入れるお茶はやっぱり美味しい。植物からエネルギーをいただいているという感じがする。でも、急須を準備してというところからスタートするのはなかなか大変だし、結局毎日は飲まなくなる。そんな現代のライフスタイルの中で、茶葉の美味しいお茶を飲むには、急須ボトルはまさに「ちょうどいい」。
急須ボトルで入れるお茶は正直ベストではないかもしれない。他にもっと美味しいお茶の淹れ方はたくさんあるだろう。でも、ちょうどいい。
私の生活にも、ちょうどいい。
そういう「ちょうどいい」を探るところから、新たなビジネスは展開していけるのだろうなあと思っている。
今日も、美味しいAaardverk TeaをPCの隣におきながらこのNoteを書いている。今日は
オリエンタルティー 薔薇とスパイスの和紅茶
和紅茶(静岡県富士市 富士山まる茂茶園 )に薔薇、ブラックペッパー、クローブ、オールスパイスを合わせたもの。
香りの良いバラにうっとりした後、スパイシーなブラックペッパーがキリッと効く。そしてそのどちらでにも負けないどっしりした和紅茶の味。
なんともいいブレンドだと思う。
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