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新婚のイメージとはほど遠い切ない授かり婚①

自分が望んだタイミングではなかった妊娠、結婚もしていない宙ぶらりんの身分ゆえ、パートナーにもサプライズ(いい意味ではない方の)になってしまった。まずここでイメージしてた人生のレールから外れてしまった罪悪感と後悔。

さらに親や周りの人、会社の上司…と、報告しないといけない人たちに伝えること自体が後ろめたくて、おめでとうって言われるどころか、気を許したらどこから責められるか分からない。いつも自己防衛しなくちゃいけなくて、妊娠してる事実を伝えることに、ほんとにびくびくしてた。

実際、会社に報告したときは、「えっ?君もか…」と、露骨に嫌な顔をされて。
わたしは初めてのことで人生を揺るがす大事であっても、会社にとっては一社員の私的なこと。休んだり復帰したり…という働き方は都合が悪く、迷惑なんだ、とその場の空気感が語ってて既に肩身が縮こまる思いでした。

妊娠てお腹が膨らんでいく、くらいのイメージしかなかったけれど。実際のところ妊婦さんについて知らないことだらけ。
いやいや、毎日が体調と精神のジェットコースターやん!
つわりが始まる日は、はい、この日からです、という明確な指標とかないし、気づいたら微妙に吐き気はあるし、頭痛はあるし、イライラは止まらないし、悲しいし…
炊飯器の湯気吸い込んで、ゲェェ、ってなるものじゃないの?って思い込んでたけど…もしや、このマイナートラブル全般をつわりと称してよろしいんでしょうか?

と、すべての症状がすっと収まる頃、気付いた始末。
それでも変わりなく出勤したり、新居や結婚式の準備を進められたのはまだマシだったのか?

…と、ここでも"最悪の状態の人に比べたらまだまだわたしなんて"と、こういう場合に謎に人と比べることでしか自分の状態を把握できない残念な具合。

とにかく話せる人がいなくて、自分で究極な状態になるまでがんばる→無理になる、しかわからなかった。

本当は、朝起きるのが辛すぎて毎朝泣いてたし、帰宅してお腹がキューっと張る感じでもう何もする気力なんてわかなかった。
借りたばかりの家がそもそも古くてガスが壊れてて、夏場だったんだけど毎日お風呂に通わないといけなくて。当時わたしに車がなかったので、一駅離れた銭湯まで仕事終わりに歩いていって、また帰る頃には汗だく…。そこから慣れないご飯を一時間かけて作って、いつ帰ってくるか不明な旦那を待つ。

彼は彼で、仕事が終わったらそのままお風呂に入ってくる、と言うんだけど風呂に入って帰るだけでなぜそんなに時間がかかる?という時間に毎晩帰宅。
ご機嫌な彼と、徐々に不満が溜まるこちらのテンションが常に反比例。
作ったご飯の食器はそのまま朝までリビングの机に放置、横にはテレビ付けっぱなしでそのまま寝落ちする彼。
体調をおもんばかる言葉とは裏腹に、疲労とわたしの言葉にするのも疲れるようなしんどい状態を理解してくれようとず、なんならさらに負担をかけ続ける彼の様子に業がわいて、いつまで実家気分なの?って不満が爆発。

あぁ気づかなくてごめん…

とかじゃなくて、応戦してくるではないですか!

そんなにお前が偉いんか!
とか、挙げ句の果てに、

じゃあお前が俺の給料になってから物言え、と怒鳴り散らして出ていく…

え?わたしも働いてるのに?それも家事しながらなのに金額の高い低いで見られるん…?

当時は怒りより、彼の本音にポカンとしてしまって反応する言葉が見つからなくて悔しいやら孤独やら。

逃げようにもお腹が大きくてどこにいっても目立つし、そもそも行くあてなんか ない。この事実にいつも余計に絶望に落とされる。立ち直る術も見つからないまま、眠れぬ頭で、また明日は仕事に行かないと…と考えてる。

なるべく家計のためと思って育休とれるように臨月まで働いたり、まずその制度も子供の保育園の手続きとか、今までまったく関わりのなかった分野を分からない中一人でこなしてて、毎日の生活が当たり前に進んでいくことなんてないのに、やってることを感謝されたり、相談しようにも上記の理由で話し合いにもならなくて、子どもがいなかったら当に全部放り出してた。

こんな状態が出産前からだったので、こんなあてにならん人と子育てなんか無理…と後悔。育児に不安というより、子育て環境に対する大きな不安が的中し、育児が始まってからはもっと激しいのが幾度となく繰り広げられました。
首つかまれて投げ飛ばされたこともあります。

つづく


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